スタジオでのモニタースピーカーの音量について~録音、ミキシング、音作り~

今回は音楽制作全般におけるモニター音量の話です。

これに関しては最初自分でミックスをやり始めた時、実際いくつぐらいで鳴らしたら良いか分からないなぁと悩んでいる方も多いのでは無いでしょうか。僕自身もエンジニアの方に直接師事して学んだ訳ではないのですが、WebサイトやBlogを漁り、一年ほど試行錯誤して大体の目安が定まってきたので一度まとめの方を…是非参照して頂きたいWebサイトも記事終わりにまとめておくのでそちらも是非。

何をする為にモニタリングするのか

いや、音楽を聴くためにモニタリングをするんですけども。モニタリング時の音量というのはいくつかの切り口から語る必要があります。個人的なチェック環境としては以下の5点です。
  1. 適正な帯域バランスでモニタリングする
  2. 適切なダイナミックレンジを保持する
  3. ノイズやリバーブの切れ目を確認する
  4. リファレンスレベルを持つ
  5. リスナーの環境を想定する。
この5点をもっと簡単にまとめると
大きい音でモニタリングする事。
小さい音でモニタリングする事。
一定の音でモニタリングする事。
この三つですね。結論から言ってしまうと

モニタリング音量は沢山上げ下げするけど、一定の基準値は持とうねという事になります。


なるべくフラットな環境で聴く為に



皆様ラウドネス曲線のグラフを見た事がありますでしょうか?
人の聴覚の仕様上どの周波数で同じ音圧レベルで聴いていても、実際に聴こえる音の大きさが変わるという性質をグラフで表したものです。実際に同じ大きさで聴こえるレベルを等高線で結んであります。

例えば1000kの時に20db聴こえる場合。それと同じ音量を20hzで感じようと思うと、90db必要、というお話です。まぁ20dbならばそこら辺はほぼ聴こえてないでしょう。

簡単に言うと、低音量では高域低域どちらも小さく聞こえ、特に低音量は小さく聞こえますね。20db程度だと40hzあたりは殆ど聞こえない。

これを考えるとある程度の音量でモニタリング音量を維持することは必要な風に思われます。ただこの改訂されたラウドネス曲線だと大体フラットなレベルって無いように見られるのですが…。下記のサイトのグラフを見るに、音楽業界的には80~90dbで作業するミックス、マスタリングエンジニアが慣例的に多いようです。

リスニング環境の向上にPro Toolsを活用 (Part 2)

マスタリングエンジニアや、映画のポスプロだともう少し下がって70db台で作業される方も多いように何かのソースで見た記憶があります。

またこの音量で作業することはアメリカの健康協会でも1日8時間程度の労働で聴き続けても健康被害が出ない音量とされています。仕事としてやる以上8時間以上聴いてて体に無理
のある環境で作業は中々出来ませんからね…。

聴こえない物を聴く為に

前項では、適正なバランスでモニタリングする為にはどのぐらいのレベルでモニタリングする必要があるのか、という話をしてきましたが、ある程度大きな音量でモニタリングする事のメリットとして
  • リバーブの切れ目
  • 地味に後ろで鳴っているシーケンスを聞き取る
  • 薄いパッドのエンベロープを把握する
などの、所謂今まで聴覚的に把握出来ていなかったプロの技を知るという事の近道でもあります。勿論耳が鍛えられれば鍛えるほど、こういった物は音量が小さくても分かるようになって来るのですが、駆け出しのエンジニア、DTMerにとってはプロの音源を分析する事は死ぬほど大事でございまして、これは何も楽器の演奏だけに限った事では無く、エンジニアリングに関してもそうですね。

で、上記に上げた物は自分の音源制作でも大事で、どうしてもリバーブレベル自体を上げてしまうと原音の質感まで変わって聴こえてしまうという難点もあるので、どうしてもリバーブと原音を適切なバランスにした後、どの程度までレベルを落とすのか…という所が焦点にはなってくるのかなぁと。

小さい音でモニタリングする事の重要性

これは最近やっと分かって来たんですけど…大きい音でモニタリングしているとですね、大体どの音もしっかり把握出来るようになってくると。当たり前ですね、だってその為に音量上げたんだもの。でも、その代わりに全ての音が満遍なく十分に鳴っているように感じられてしまい、バランス取りの時にはフェーダーが決まらなくなってしまうという欠点があります。

これは大きい音量で聴けば聴くほどダイナミックレンジが狭まって行くという問題があります。

ここで何故音圧競争がやや悪として語られたかが説明できますよね。再生機器のボリュームが同じだと仮定すると、なるべく大きな音量で聴いてもらった方が低音と高音がより大きく再生される=レンジが広く音質が良く耳が錯覚してしまう。結果としてダイナミックレンジが失われていく傾向にあった訳です。今はストリーミングサイトではラウドネスメーターで音量を自動で叩いて行く傾向にあるので音圧競争自体がほぼ無意味な物になってきていますけどね。メーターの話とかはまた後程。

また小さい音でモニタリングした方が良い理由の一つとして部屋鳴りの存在があります。スピーカーで大きな音を出せば出すほど部屋の影響…定在波だったりそもそもの反響だったり…これを無視できなくなります。

Wavesのシグネチャーシリーズでも有名なchris lord-algeはWavesで出している動画の中でモニタリング音量は出来る限り小さくしろ、部屋鳴り(ルームアコースティック)は悪影響しかもたらさないから、という風に語っています。


このシリーズは全動画見た方が良いですね、本当に根本的な事を沢山語ってくれています。で最初の方に事あと語る事を言ってくれています。

リファレンス値を準備する

これ、かみ砕いて言うといつも同じ環境、同じレベルで作業しろ!って事なんですね。
作業中にも言える事なんですけども、何時間も作業をしていて泥沼にはまってしまったと…そんな時にどうするか、いつもの設定でいつも聴く曲をかけるんです。

これはIzotopeのミキシングガイドにも載っていたように感じます。

どんな優秀なエンジニアもリファレンス無しに耳を通常に保つことは不可能なのです

またミックスという作業自体は天井が0dbで決まっている物に対して、どの帯域にどれぐらいのレベルを入れていくかという作業になってまして、作品毎に音量感というのは違うんですよね。

なので自分の作っている曲が他の曲と比べてどれぐらいの音量感で鳴るのか、低音のバランスは?歌は?なんて事をチェックする必要があるんですよね。あくまで音量の評価というのは殆ど相対的にしか行う事が出来ないように記述している文献が多いように感じます。

なので音量面でのリファレンス…これは完成された音楽ファイルが心地よく聴けるレベルですね、これの設定を絶対に忘れない事。色々と聞いて試して、上記に言った低音の出具合とか諸々勘案して一番気持ちよく聴ける音量。まずはここを探るのが第一ポイントだと僕は考えます。

今回の記事で一番お勧めのtipsです

そうする事で世の中に出回っている音源でも案外音量差があったり…例えばクラシックなんて顕著ですよね。ppの所なんて物凄く音量が小さいし、それでいてハッキリ聴こえる…そしてffの時にちゃんと迫力がある…オケ物とか一度聴いてみるとこれがダイナミックレンジかと、思えるのではないでしょうか。


制作の序盤でキックの作りこみをしていて音量が足りないな…となったらここから上げて行けば良いですし。最終的な音源制作のゴールという物を見えやすくなってきます。

僕はこのリファレンスレベルを作ってから格段にミックスってどうやったら良いか分からない…モードから自分で色々と考えてやれるようになりました。


最後に

最後にはなりますが…これは音量だけの話ではありませんが、リスナーが聴くであろう環境、ipodのイヤホンだったりラップトップのスピーカーだったりカーステだったり…こういう物って総じて音量小さいじゃないですか。なので音量を下げる事って結構大事な事なんですよね。

僕個人でやっている事としては手っ取り早く信用出来る音楽好きだけど音楽制作の手法を全く知らない友人に聴かせる事をよくやってますね、データを送って。たまにおかんに聴いて貰ったりもしますが…笑

自分もミックスマスタリングに関してはまだまだ勉強中であるのですが、特に最初の開始地点が分かりにくかったり、また体系的に説明する事自体難しめな内容ではあると言われています。

ただどれだけtips本を読み漁ってその設定を真似た所で自分で考えてミキシング出来るようにはならないので、今回モニタリングの音量という切り口で一つ着地点を設けられればなと。

ミックスを始めたばかりの時に是非読んで欲しい本としてはこちらがお勧めです。

音圧アップのためのDTMミキシング入門講座! (DVD-ROM付)

この本は今回の様な、まず何から始めたら良いの???という状態の人に最適の一冊です。音圧アップのための…なんてエキセントリックな題名が付いてますが中は至極真面目で分かりやすく基本的な事が書かれている良書だと僕は思いました。ROMにあるデータで沢山練習もさせて貰いましたしね。

自分で試行錯誤するための土台と言いますか、サウンドメイクやミキシングは特にそこを重視して勉強を進めると良いのでは無いでしょうか。

それではみなさままずはリファレンスレベルを見つけましょう!
参考サイトはこちら
ミックス時のモニタリングレベルの話




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