報告:First EP"Duality"リリースしました

ZOOM G3nレビュー:使い方と音作りの仕方

低価格マルチエフェクターの第一手になってきているZoom G3n。G5やG2からZOOMのマルチは触ってきたのですが、今回改めてG3nを弄る機会があったのでレビューします。

GT-1、GE-200もレビューしてますのでしっかりご比較して頂ければと思うのですが、一概にどれが一番とは言えない…良さの裏には難がある価格帯だなぁと思います。

勿論最初の一機だったり、便利屋として使うにはこの上ない性能を各社出しています。(僕が高校生の時では考えられない)
なので安心してエントリー機を買って頂ければと思います。ではレビューに参ります。




概観


ズームG3、B3から続くストンプが連結された筐体をイメージさせる設計思想はそのままですね。3フットスイッチ、そしてその下にもスクロール用のフットスイッチが三つあります。

上のFS1~3でエフェクトのオンオフ、ソロボタン等々、下でパッチの切り替えとTUNERなりといった感じ。
一個一個のエフェクトに対して1~4の操作子が割り当てられていますね。

4つで足りない類のエフェクトは二ブロック分使う(恐らくプロセッサーの容量的にも)といった感じ。

上のツマミ二つはマスターとGeneralのメニューの操作用のプッシュ付きボリューム。
Generalな設定は全てこちらのツマミで行います。


続いて背面。

インプットが一つ、Auxin、そしてアウトプットがステレオですね、素晴らしい。
コントロール増設用のControlinが一つにUSB、電源スイッチがちゃんとついているのもポイント高いです。

簡単な操作方法

簡単に操作方法の方を解説していきましょう。
正直ちょっと怠いなというのが感想です。GE-200には余裕で負けてますね。

ただエフェクトの追加用途、ボードの足りないところを補う分には悪くないのですが…。

Emptyのブロックを選ぶと、全てのスロットが空の状態になっています。
なのでTypeボタンを選ぶ事で全てのエフェクトを選べます。
ここの部分が総当たりになっているので、結構目的のエフェクトまで到達するのが大変です。そのまま一定時間置いているとそのエフェクトが選ばれます。



今回はアンプヘッドを選択それぞれのツマミは下に対応していうツマミ1~4で対応します。ここら辺の物理ツマミと画面との一致の仕方は分かりやすいですね。ページ送りも基本的に無いので分かりやすいかなぁと。

エフェクトのオンオフはフットスイッチを押して、二ブロックあるタイプは右側のスイッチがソロなり、EQならばもう一つのタイプのEQを選択可能という感じですね。

さて下側ののスクロールスイッチです。


このスイッチが平常モードであれば、エフェクトブロックを横にスクロールして眺めて行くスイッチになります。一番右がEXIT。そして、パッチ編集モードで押せばパッチの選択画面になります。
FS1~3の液晶にパッチの名前が表示されて、スクロールを押すとバンク送りが出来る仕様です。
ライブでガンガンパッチを切り替える時はこっちですかね。

アンプのモデリング、サウンドについて

一部では絶賛されているG3nの音色です、が個人的には一長一短であるなぁというのが個人的な所感です。

アンプモデリングとしては拡張に拡張が重ねられて

Marshall 1959 JCM800 JTM45
Fender Bassman Twinreverb DeluxeReverb ToneMaster
VOX AC30
MesaBoogie Mark1 Mark3 DualRectifier
Bogner Ecstasy Blue channel
Hiwatt Custum100
Orange Graphic120
Diezel Herbert Channel2
Marchless DC-30

が収録されています。
ただ大本のモデリングの基盤の問題なのか、ハードウェアの問題なのか
高域がバッサリカットされています。

なのでマイクでSM57を選んでも全くザクザク言わないです。

逆に硬くなってしまう原因になってしまいがちな、ハイエンドを切る事で、アナログの温もりを感じるサウンドになっています。

この点でどのメーカーも苦戦するMesa BoogieのMark3などは非常に良い味をだしていたり、JCM800に関してもキャンキャンせずにPlexiと同じような使い方が出来るという。中々に面白い結果になっています。アップデートの関係で試せなかったMatchlessとかも良いサウンド、というか使えるサウンドになってるんじゃないかなと。

逆にメタラーはこれは買ってはいけない笑。まったくザクザク言わないのでDiezelに関してもなぜch2なのか、Fenderで4機種もなぜあるのか…そういう所も見て行くとある程度割り切った開発というのをしたのかなぁと思います。

ストンプエフェクト

個人的にGT-1、GE200と比較して一番評価しているのが歪みペダル部分の秀逸さです。
元々レンジの狭いコンパクトのモデリングで、なおかつこのウォームさが全体的なサウンドとしてあるので、歪みのコンパクトが非常に輝きます。

そしてアンプ側も痛くなる部分まで音が出ないので音作りも破綻しない。良いですね。

おすすめはGoldDrive(恐らくケンタウロスモデリング)そしてSweetDRv(Mad professerのHoney Overdrive)。
ここ二つは本当におすすめですね…本当に良い音が出てくれます。

そしてアンプモデリングありきのマルチでは珍しくメサブギーや5150ドライブのモデリングも入りました。ここは前述のとおりアンプモデリングの幅の狭さをカバーしようという狙いなのでしょうか…

DS-1のモデリングとかは当然GT-1の方が出来が良いです。

またZOOMの良い所として、マルチエフェクターをマルチエフェクターとして割り切って使う時に、痒い所に手が届くエフェクターが死ぬほど入っている所も見逃せないポイントです。Phaser Flangerの豊富さから始まり、Slicerであったり、オートパンとか、無茶振りされた時にも対応出来るフットワークの軽さ。これは間違いなくMS-50で培われた技術なんだろうなと、感じます。


デメリット、気になった点

どう考えてもエフェクトのスロット数が若干足りない。ここは他社製品に比べて劣っている所で、アンプシミュ+キャビシミュで3スロット、GEQで2スロットとなると。残り二つしか使えないんですよね。
リバーブと前段歪み入れたら終わってしまう。

またアンシミュだけではなく、ブースト付きTSだったりとか、Delayの中にも2スロット食べるエフェクトが結構あるんですよね。そこら辺をしっかり使いたいなならG5nに上げた方が良いのかもしれない…でもその値段出すならGE-200で良いのでは??という絶妙な縛り具合に感じました。

恐らくDSPをかつかつに使っているので仕方無い部分ではあるのですが、魅力的なエフェクトが多いだけにこれ一台で完結したいな…と思った時に足りない部分が出てきますね。

抜本的に多彩な歪みキャラクターを作りたいならGT-1とGE-200が見えてくるのですが、多分G3nの音が好みな人はGE-200の何にでも化けれるけどツルっとした、薄皮一枚張ったような音色が合わないんじゃないかなぁと思ったりもします。

あとキャビネットシミュ周りですがデフォルトでマイクオフになってるのは初心者殺しなので絶対やめた方が良いと思います。(Fixされていると良いのですが…)
マイクモデリングに関してはダイナミックとコンデンサーでミックス出来る仕様なのですが、コンデンサー極振り一択といったサウンドがします。これもトータルのサウンドキャラ的にダイナミック(SM57)の音質がキャプチャー出来てないからだろうな…という部分ですね。

おすすめの音作り

Marshall、もしくはフェンダー系を基本に、歪みエフェクターで歪みを足して、最後に軽くEQで調整。キャビネットの設定はマイクオン、マイクはD421の100%を基本に弄って行くのが良いのではないかなと思います。

GT-1と違って歪みを直列二個配しても大丈夫な設計なので、どんどん上乗せした大丈夫そうですね。

マイクが元々オフなのは、アンプのインプットに何も考えず直接繋ぐ層をメインと捉えているからかもしれませんね。



まとめ

ヴィンテージエフェクターのモデリングも多い事から、ヴィンテージ、ブティック系の音が好きな人は十二分に満足できるマルチエフェクターだと思います。なのでこのサウンドキャラクターが好きな人は全然買いです。初売りなら一万5千切るし…あと初めてのギタープロセッサーを買う!ライブも宅録もする!そういう人もおススメではあります。

一方で制作で色んなキャラクターの音も出したいしなぁ、という事であれば迷いなくAmplitude4等に向かっても良いのかなぁと思ったりもします。

本当にギターの音作りが初心者で、という場合はこれ一台で大いに勉強して満足したら売るなり、ボードの補助なりに使うという事も可能という感じです。間違いなく為になる一台です。お金の無い中高生も変に昔の世代の中古よりこれ買った方が良いです。これは間違いないです。

ただヴィンテージ系のサウンドが好きな人は、結局実機のコンパクトを買っていくようになるので…その点考えるとどうなのかなっていう笑

個人的にはGT-1の方が好みでした。

ただ他機種には無い音の魅力だったり、一台完結を狙わなくなった時にも使い道があったりと潰しが効くのはG3nの良さでもあります。

エントリーモデルでこの音が出るのは…ほんとに時代が変わったなと感じます。
是非お年玉やボーナスで試してみてはいかがでしょうか。
GE-200レビューの記事はこちら



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