EVE audio SC205:レビュー

この記事の大体の内容

・良いスピーカーを買うと聴こえていなかった音が聴こえるよ
・良いスピーカー使うと音作りが上手くなるよ!
・全能なスピーカーなど存在しない!
・好みと目的をハッキリさせよう


今回は僕のスタジオのメインスピーカー。EVE audio SC205の紹介です。
僕なりにモニタースピーカーを探す時の指針も書いてみました。

オーディオ系のレビューは
メインで使ってるリファレンスヘッドホンQ701
併用しているRX7お高いインシュレーター
現在使用しているZaorのV Stand
も行っています。良ければ合わせてどうぞ。

eve audio SC205 アクティブモニタースピーカー 2台セット(1ペア)

購入動機

7弦ギターが欲しかったんですよ(唐突)
すぐに買いたかったので、ローンを検討したのですがそこまで高額でない買い物にローンを組むのもなぁと思っていた所、真剣に音楽をやるのであれば耳は育てないとな、と思い立ちまして。DAWの本格導入と7弦ギターと共にモニタースピーカーの購入を先に決めました。

色々見ていてRock onさんにも通って価格帯を見定めていたのですが、満足出来る、かつ出せる限界予算はセット10万程度かなと。というのも、父がJBLのスピーカーを核としたちょっとしたジャズ用のリスニング環境を持ってまして、丸い音なのですが解像度も良く、ハイエンドも延びるセットだったため、それを思うとMSP5辺りだと普通にリスニングしていてもハイエンド部分が気になるなと…。(元々使っていたのがROLANDのma10dなのでそれよりは全然マシだけど)

その上で候補に上がったのが本機や ADAM a5x Focal KRK Genelec8020pmあたりだったのです。もちろん単発20万オーバーの同軸スピーカーや3wayの音は素晴らしかったのですが、予算オーバーで諦めました。

EVE audio SC205ってぶっちゃけどんなスピーカー?


EVE audioではSC203が卓上用として高い評価を得てます。設計的には205とは別物で、同じなのはそれ以外のSC204~であれば数字に応じて大きさが違うだけで基本は同じ設計です。

勿論ウーファーの径が違うので最低再生周波数も違います。SC205は50Hzあたりまで-3db程度で鳴らしてくれるのかな。基本は家の大きさや吸音環境に合わせて購入ですね。

我が家は6畳ながらある程度吸音対策をしている事と、戸建てで道路沿いで大きめに音が出せると慢心し205を購入。正直SC204だと低音物足りないよう感じました。

スペックシートの読み方はこちらのRock on proの記事が素晴らしいです。
http://pro.miroc.co.jp/2013/04/26/speaker/

これ読んだらこの記事の後半要らないな…

打ち込み系にピッタリとか言われてますけどモダンなポップスやメタルも十分にマッチしていると思います。僕の目標はハイブリッドサウンドなので。

ロックでもジャンルやサウンドによっては中域の荒れというかあったかみというか、そこら辺に少し物足りなさを感じたりはします。ガレージとかやるにはちょっとアレなのかなぁ…。

逆にガチガチにエディットしてあるようなメタル、メタルコアは本当に心地良いです。ワンオクでも結構いい感じに聴けます。僕の広い音楽趣味を上手い事カバーしてくれています。

多分弱いのは所謂邦ロックかもしれません。変にギターが近くに聴こえて心地よいとは言えない音源があります。

リファレンスとして主に持って行ったのは作りたい方向性の音源としてDirty loopsのLoopfiedとPeripheryⅡ、あと昔から死ぬほど聞いてるEW&FのI am、リファレンスとして定番のドナルドフェイゲンのナイトフライ。あとは当時ハマっていたIssuesとかも持って行った記憶があります。

耳にこびりつくほど聞いた音源は、自分の作曲するスタイルで無いにしても絶対持っていくべきです。スピーカーの特性が良く分かります。

僕もオーディオ機器の最後決め手にセレクトしているのはEW&FのLet the feelings showという曲で、金管がパンによって動いて行く線が見えるかどうかが高域チェックに使ってます。多分この曲一生リファレンスとして使ってる気がします。アナログレコーディング全盛期の音源ですしね。

Peripheryはミーシャすまん…あまりにLowがスカッとしてあまり参考になりませんでした。ⅢとかClearEPならそこら辺も改善されてるのがこのスピーカーだと分かります。レコーディングクオリティの確認が出来るレベルのスピーカーなんだなって実感した瞬間です。

意外にもジャズでも最近のサウンドディレクションに拘った物(具体的に言うとベースの音量が大きいやつ)も許容範囲内で鳴らしてくれます。というかジャズも結構いい線言ってるのでは???特に管楽器がGoodです。あとタイミングが凄いシビアに聴こえるので、上手いプレイヤーの演奏には圧倒されます、が逆も然りなのは少し困った所でしょうか。

技術的な仕組みとしてはアナログでの入力を一度デジタル変換してまたアナログに戻して出力という変わった事を行っています。これは、理想的なツイーターとウーファーの切り替えと、昨今のモニタースピーカーにおいて、多少音質を犠牲にしてでも、環境に合ったチューニングを優先させる事からデジタルで処理してEQをかけた方が良いという判断からだそうです。

デジタルに変換したからといって僕の耳では他のスピーカーと比べて何か情報が欠損しているとは感じません。あと過大入力があった場合リングが光ってその間出力しなくなるので、不慮の事故でスピーカーを飛ばす事が無いです。これIFを持ち出したりする人に地味に便利ですね。気をつければいいだけなんですけど。

前面のノブでボリューム、押し込んでHigh desk lowの3種類のEQ調整が出来ます。deskはミキサーや机の上に置いた時の反射や共鳴をターゲットにして一部帯域をカットと同時にブーストする仕様です。細かくは公式にて。ノブ回り光るのイイね…。こういう細かい所で創作モチベーションを回収していきたい所。
http://www.minet.jp/brand/eve-audio/sc205/

あと説明書がめっちゃ細かくて分かりやすいです。設置方法含めて色々やっていいこと、絶対やったらダメな事を書いてくれています。

スピーカーを導入して変わった事

それなりに高価なスピーカーを導入して感じた事を…

まず音源に含まれている大体の音をしっかり把握出来るようになった事。プレイヤーをやっていてそれなりに耳が育ってるとDelay音を省いて認識したりとか、薄く埋まってるパッドをシカトしてしまったりと、制作やる上ではあまりよろしくない事が僕の頭では起きていたのでそこに気づけるようになったのが大きいです。がこれは弊害もあって、耳が良いという事は何かを無視して何かに集中する事なので耳の使い方を意識して切り替える必要も少し感じています。絵描きが細かい所を塗った後全体を見るような、視点の切り替えというか…
あとパーカッションもしっかり認知出来るようになりました。

Delayもそうですが、リバーブの設定が格段に楽になりました。リバーブの密度や切れ方が分かる事でセンド量に迷いが減りました。リバーブ学ぶ前は空間をイメージして云々とか、理解出来なかったのですが今では自分の持ってるイメージに対しての操作に迷いが減りました。作業の時短はとても大事です。創作モチベーションの節約になります。創作モチベーションは無限にあると思っているそこのあなた、モチベーションは有限ですよ!!

帯域の上下関係と、定位もハッキリわかるようになりました。これはバスドラとベース、どちらが下に居るかとかそういう話が分かるようになった。割とありがたい。あと僕は中学入学時に若干片耳をやってるので定位感がハッキリするのはとても助かります。
あと帯域と定位がハッキリわかることで、自分の詳しくない楽器。僕の場合はドラムのタム移動とかですね、線で見えるようになりました。

帯域の上下関係が分かる程度の解像度を持つことでEQをかける時に音色の欲しい成分、要らない成分に目処がつくようになりました。ただこれはやり過ぎると、1つの楽器が分離して聴こえてしまいかねない(過度の処理をすればの話ですが)ように思うのでこの塩梅は僕にとっては丁度良いくらいかなーどうだろうか。

あとスピーカーの土台とインシュレータはマジで大事な事に気づきました。

最後は弾いてて割と楽しい音が聞こえるので練習時間が増えました笑。特にギターですね、ノンプラグドでの練習が多かったのですが今では殆どシミュに繋げて練習してます。
サウンド

聴いててテンションの上がる微ドンシャリスピーカーです。
某サイト「SC205は澄み渡るサウンド、開放感のあるハイエンドと締まったローエンドを提供します。」
これが一番うまく表してるんじゃないですかね。これが僕の一番大事な所。

次に大事なのが解像度が高い事。次にレスポンスが良い事。最後に出来るだけハイの天井が感じられ無いこと。この3つをそこそこ満たしてくれたスピーカーがこのEVE audio SC205です。

サウンドレビュー

細かく見て行きましょう。

僕個人としてはハイファイなバンドとシンセのハイブリッドサウンドが好みです。しかしながらいかにもダンスミュージック向けであるローの出方ではなくバスドラがガツッとなるタイトさを持っていて欲しかった。この時点でKRKが脱落しました。ぶっちゃけいうとFocalも脱落していたのですが、解像度の面で保留。

次にハイミッドですね。帯域的に厳密な事は言えないのですが、ジャズとメタルを同じスピーカーで聴くと言うとエッとなりますが、メタルギターの金属感と管楽器の美味しい所を同じスピーカーで聴くというのは両立出来ると思っていて実際にこれでもそれが出来るんですよね。もちろん生楽器の暖かみがあるかと言われると多少冷たさは感じるのですが…ドンシャリに埋もれるのかと思いきやしっかりと輪郭を持って出てくれます。

次に解像度、これはまた次の話とも繋がるのですが様々なスピーカーを試聴する中で分かってきた事ですが。楽器同士の分離よく、また楽器単体内でのピークも感じたいが楽器の中で分離して欲しくない…。まぁ適当な解像度の良さですね。これは推測でしか無いのですが、もっと高級なスピーカーだともっと音楽的に感じられつつも解像度が高いな!っと感じる物が沢山あったので、この価格帯だと無理に解像度を出して微妙な音になってしまうのかもしれない…。特にFocalとかはもっとお金出すと結構良い風に感じました。

2018/7/26追記、どうやら2017年の夏に発売されたFocal CMSシリーズの後継、Shapeシリーズが相当良いようです。音エンベロープの部分が凄くクッキリ見えるとの事。
試聴もさせて頂きましたが、これなら迷っただろうなといった感じでした


次にレスポンスの良さですが、スピーカーのレスポンスが良いとはどういう事なのだろうと考えると言語化出来なかったのですが、このスピーカーは音と音のタイミングがシビアに分かるんですね。

これがプレイヤー寄りの作曲家にとってプラスに働くかは人によるかもしれません。多少のミスは上手く隠してくれた方がテンションを落とさず制作出来る人もいるでしょうし、逆に自分の弾いた音に対してモヤがかかると嫌だと感じる人も居るかもしれません。僕はとにかく自分の甘いところもしっかり出してくれて、すぐに反応してくれる楽器が好きなので弦楽器の木材もみなカチカチです。

最後はハイの天井に関してですが、これはオーディオインターフェースによる所が一番多いかもしれない…安い価格の物を使っているとモヤモヤし過ぎて天井すら分からないかもしれないです。この後オーディオインターフェース探しの旅に出たのですがRMEやApogee、UA辺りでも差が確実にあります。この件はまた別記事で書きます。

最後に残ったのがADAMとEVEだったのですが、EVE自体ADAMから独立した人がやっているメーカーなので音の方向性は変わらないんですね。高域の出方でEVEに決めました。ちなみにサークルの後輩はADAMを買いました笑

スピーカー購入にあたって大事なこと

まずリファレンスの音源をちゃんと持って行くこと。作りたい音楽の方向性の物と、あと自分が擦り切れるぐらい聞いた自身のある一枚。これは本当に大事です。

このスピーカーは梅田の島村楽器で購入したのですが、店員さんの話す中で大事だなと感じたこと(店員さんがクロージングしてくれたポイント)というのが、どのようなスタンス、立場で自分は制作をしているのか、それを一人で明確にする必要はありませんが店員さんにおぼろ気ながらしっかり話す、かつそれをしっかり汲み取ってくれる店員さんに話すことが大事です。

なぜなら万能なスピーカーやフラットなスピーカーなど存在しないからです。よくギターを知らない音楽経験者が何にでも使えるギターって何って言われて終わりの無い論争になるのと同じですね。多くの人が使うからストラトが推されるけどよく知るようになるとストラトはストラトでしかないという…あの現象に近いです。

モニタースピーカーでどういう事が起きるかというと、ガチガチにモニター寄りなスピーカーだと曲を作っててテンションがあがらない。ほんとに。あなたがエンジニアでMix師のような事をやっているなら公平なジャッジが出来る(1つのスピーカーでやる時点で偏るのですが)無機質寄りのスピーカーが良いでしょうし、曲を作るのがメインなのであれば多少味付けがされていてもミキシングを自分でやるとしてもそこは多少差し引いてやれば良いと思うのです(自分の真価が曲作りにあるのであれば)。

日々使用するオーディオ機器に関しては、好みが合わなければストレスになるだけでなく創作意欲自体を削いでしまう可能性があります。いつもガンギマりなら大丈夫ですけどね笑
偏ってる事が気になってきたら複数モニター所有すればいいのではないでしょうか。

大事なのはあなたはエンジニアなのか、それとも作家なのか、プレイヤーなのか、それともリスナーなのか…
スピーカーを選びながら明確になってくる部分もあるかもしれません。
あとは良い店員さんに巡り会うこと。これ何気に難しいですね。特に地方在住の方には…

あとやっぱりリスニングしかしない人がモニタースピーカーに手を出すのは僕はあまり賛成出来ません。多少聴き心地の良いEVEのスピーカーでさえたまに聴き疲れするのでこの後好みのリスニングヘッドホン探しの旅へ出かけました笑


まとめ

とまぁ一通り購入談を綴ってきた訳ですが、僕はこのスピーカーに非常に、非常に満足しております。あとはインシュレータとスピーカーの土台は手を入れていくと思います。明後日あたり新しいインシュレータが届くのでまたレビューしたい所。

結局自分の親しみ慣れたスピーカーでよく聴く音源を聴いて、そして他の環境で聴いて、その繰り返しですよね。結局普段から使うモニターは尺度の1つでしかない。レコスタなんてiphone標準のイヤホン必ずありますからね、みんな使ってるから。
聴く人の再生環境は制作環境とは全然違いますから。
だからモニターがドンシャリ気味なら多少ドンシャリに音作り仕上げて他の機器でもちゃんと狙ったサウンドが出せるようにすれば良いんです(まだ自分は出来ないけど)。

あと今回レビューを書くにあたって色々聞いてて、ダンスミュージックに向いてるって言う程か?って思ってジャスティンビーバーのパーパス聞いたらキックのリッチさとクラップの心地よさにチビリかけました。The chainsmokersも素晴らしかったです。tofubeatsさんも使ってる事でしやはり一番向いてるのはそっち系なのかもしれない…

逆に厳しさ感じたのはLed zeppelinとかですかね??
でも生楽器の音は凄い僕は好きですよ???

プロスタジオにも導入例が沢山ありますし、基本的にミックスをするのにも耐えうる性能なのだと思います。
生楽器モニタリングに一番向いてるモニタースピーカーって何なんでしょう…今度店員さんに聞いてみよ。

しかし記事を書くにあたって検索かけているとMIのレビューや導入記事が出ること出ること…。購入前は殆ど無かったのに。この一年で大分売れ筋商品になったんでしょうね。購入検討される方は代理店の記事が沢山あるので是非。あと公式ツイッターがめっちゃエゴサしてくれます。

次を買うという事があるなら、KSDigitalの同軸モニターとかSC305などの3wayとか…そういうの使えるような人になりたいなぁ…

みなさんも是非ワンランク上のモニタースピーカーを購入して楽しい制作ライフを送ってみてはいかがでしょうか??

それではまた!
続けて読むのは以下の記事がお勧めです!
メインで使ってるリファレンスヘッドホンQ701
併用しているRX7お高いインシュレーター
現在使用しているZaorのV Stand
良ければ合わせてどうぞ。

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