報告:First EP"Duality"リリースしました

音楽理論補習講座:第一回~音程(Interval):平均律からの音程の成り立ちや、完全音程の意味

続編こちら↓
音楽理論補習講座:第二回~転回(Inversion)とトライトーン:和音の転回や分析の強い味方
遂にやって参りました。俗に言われるコード音楽理論の解説をしていきたいと思います。
ただ以前の記事でも書いたように、ネットに溢れる中途半端な解説を探して勉強するより、数時間働いてまともな本を買った方が良いというのが僕の持論でございます。

ただTwitter等々でいきなりこの項目に入ると???になる、見たいなツイートが流れてきた時に、それ前の項での内容をしっかり理解してないからいざ内容を進めた時にちんぷんかんぷんになるんだよなぁ…という物もありました。

また自分も初めて音楽理論の類に触れたのは小学校5年生でしたが、度数の理解が出来ずあえなく撃沈、高校生の時分の時もネットで調べながら学習し撃沈、ギターの練習などを経て3度目にしてスルスルっと頭に入った物ですから、中々突っかかりやすいものであることは間違いないかと思います。

そのため本ブログでは音楽理論補習講座と銘打って、そもそもなんでこんな定義になってるの、であったり、とりあえずこの先のスケールの知識を運用したいのであればここは丸暗記をしよう、であったりとか、そういうみなさんがお持ちの理論書を補完していく内容を中心に解説したいと思います。

ですので一冊は音楽理論の本を買ってくださいね()

なおかつ自然とプレイヤーとして、制作者として音を扱う時に理論が肌に付きやすいような解説も出来たらなぁと思います。

では今回は音程の話です。



なぜ最初に音程の話なのか

ここをあーわかるわかるって飛ばしてしまう人が多く、また理論書も軽く扱っていたり、無駄に冗長に話をしていたりする為理論における音程の概念がふわっとしている方が多いのですが。

多分一番大事な部分です。

Jazz Theoryほどの少し高レベルな理論書であれば省いても良いはずの音程の内容を、この本では短い文ですが凄くクリティカルに書いてくれていました。

音程とは:音程とはある二つの音の高さの相対的な距離

です。そんな事知ってるわって人も多いかと思いますがなぜこれが大事なのか、二つのポイントがで話をしたいと思います。

和音も旋律も全て分解すれば音程になる

これは当然ですよね、基本的に和音という概念も旋律という概念を音を上下左右に並べていてその距離がいくつかなのか図る事が可能なのですから。

ではCトライアドのハーモニーを見てみましょう。
この和音を見て3rdがM3だなぁと思う人は既習者であれば殆どであると思います。ではミとソのIntervalは?m3のIntervalですよね。これって言われたら当然なんだけど、ハーモニーになった瞬間それぞれの音程の事を忘れてしまう人が非常に多い。

代理和音の話辺りは軒並みここら辺の考え方を使っているので、各音程について今一度細かく見る事をお勧めします。

次はもう一つのポイント

現代の調律であれば全ての音は等間隔に調律されている

はい。平均律の話ですね。調律の話は適度な所でコラム的に入れようと思っているのですが。ギターのどの隣同士のフレットも、ピアノのどの鍵盤同士も間隔が変わらないのです。

これ昔は違ったんですよね…。これによって何が可能であるかというと転調が超簡単になる。昔は等間隔じゃないから転調すると和音の違う所の間隔が広がって違う響きになってしまったり(転調している時点で違う響きやんけ!というツッコミは一旦置いといて)。

これによって何が可能か(コード理論が何を目指しているか)というと、ドとかソとかC4とかE6とか絶対音ではなくて、調性(あるキー)という基準からの音の位置を、音の名前ではなく記号化(数字での表現)する事によって、レゴのブロックの様に色んな人が思いついたコード進行やケーデンスや、その他のテクニックをどんな転調をしても使えるようにしちゃおう、という考え方が根底にあります。

勿論人の耳は少なからず絶対音感があるのでなので調による響き、感触の違いというのはあるのですが…

でもC→G→CもG→D→Gの進行、強烈に終わったなー感あるじゃないですか。起立!例!みたいな。これがどちらも同じように感じられる(共通点が認められる)というのは平均律による恩恵が非常に多いのです。

これを今後和音の機能として解説をしていくんですけど。これをKey CからKey Gに移調したドミナントケーデンスだよ、と言わしめているのは音程の概念で、それも平均律によって全ての音が等間隔に並べられているからなんですよっていう所なんですね。(未履修者はごめんね)

では音程についてまとめていきましょう。

天下り的にCの音(ドの音)を基準にして音を並べて行きましょう。

五線譜は線の上、線の間に交互に並べて行きます。同じ線の上であれば一度(これめっちゃ重要)。そこから二度三度四度~といって最後八度となります。なんでここで終わりかというと、この後は繰り返しになるからですね。

八度はオクターブとも言われます。

それでこの一度二度同士が全て等間隔であるのかというとそういう訳ではありません。
ただ、五線譜は調性を持つ音楽に親和性が高く設計されているので、メジャースケールを書けば何も付け足さずにに大丈夫なように設計されているのです。

Keyが変わればそのまま左に調性記号が付いて同じ様に書けます。

与太話はここまでにして、音程とは一オクターブを12個の音に分割したその音同士の相対的な距離になりますね。残りの5個どこに行ったという話になります。

全音と半音

さて同じ度数であっても二音の感覚に差が生じる場合があります。例えば上記のCメジャースケールであれば、お手元の鍵盤かギターで確認して頂きたいのですが、CとDの間にはC♯にあたる鍵盤(フレット)が存在していますよね。ではEとFの所を見ると鍵盤として隣り合っています。前者を全音後者を半音と言います。英語ではWhole step、Half stepと解説されていますね。

半音二個で全音の感覚にあたります。つまり12等分した物の1つは半音程という事になりますね。
半音の音程を短音程、全音が長音程と呼ばれる物になり、前者をminor(m)後者をMajor(M)と書きます

二度

二度は先ほど説明した通り半音であればminor2nd、もう半音広ければMajor2ndの二種が基本となります。

三度

三度も二度からさらに半音加算するとm3、更に半音(つまりM2から全音足す)足すとM3になります。

四度

ちょっとややこしい。Cメジャースケールで追っていくとまぁ4番目なのは当たりまえとして、メジャー3rdから半音しか離れて無くね??となるんですよね。

でそこの名称が完全4度、(Perfect 4th,P4)と呼ばれる音程になります。

これは別記事で紹介しますが、今までの二度三度と比べて周波数比が(殆ど)整数比になる音程で凄く綺麗に響くので完全と呼ばれる(多分これが正しい、文献によって表記の違いがあります)。

何はともあれ特別扱いを受けるに値する音程なのですが、四度から一音上がったり下がったりしたときはどうすれば良いのか、マイナーってつければよい?となるのですが、完全音程はその構成が全音+全音+半音となっているので既に半音を含んでいるんです。

という事で

関係性としてはこうなります。完全音程は半音上がると増音程になりますので、Cメジャースケール4度の場合であればF♯の音が増4度になります。

もし完全四度が半音下げられたという事実があれば(意味深)減4度になります。音程としては長三度と一緒なんですけども、こういうのをエンハーモニックインターバルと言います。これは記事の最後の方で解説します。

五度

5度も同様に完全音程です。減5度と増4度はエンハーモニックインターバルになりますね。
ちなみに減はdim,diminished、増音程はaug,augmentedと頭に付けて表示されます。多少コードに慣れ親しんでいる方はこっちの方が親しみがあるかもしれません。

六度、七度

ここは二度三度と一緒ですね。P5から半音上がれば短六度、全音上がれば長六度、七度も同様です。

エンハーモニックインターバルとは

なんでわざわざ減4度なんて呼びかたをするかという話でございます。理由はごく簡単で、元々何度だったのか、という事を大事にする必要性があるからに付きます。

つまり、臨時記号というのは本来の調性には無い物なので何かしら(例えばスケールの都合上臨時記号がついているとか)の理由があって変化させられていますので、元が何度か、そこからどれだけ動かされたかという事を示す為に減4度なんて音程が存在しています。(あまり使いませんけどね)

なので、3度と記述するのが正しい時はしっかり長三度と読み取ってあげましょう。



普段のプレイにで気にする事

リードプレイをする時は(ベースラインを弾く時もそうですが)、自分がルートに対して何度にいるなぁという事を常に意識しながら弾くと音程への理解が深まってきます。

またルートやコード以上に、次に移る音は今の音より何度上行するのか、何度下行するのかというのを常に意識しておくと指板での音の関係性が自然と染みついてきます。

上行なのか下行なのかは特に注意しておいた方が良い事でCからFに上行するのであれば完全四度ですが、CからFに下行するのであれば完全五度になります。(ここは次回多めに転回として扱います)

勿論一度ガッと叩き込んだ方が良い事ではあるのですが…

また弦楽器は移調が非常に楽なので度数の感覚が非常に分かりやすいです。
DTMerで音楽理論の勉強をするならMIDI鍵盤は買って欲しい所ですが、もしギターやベースを持っているなら軽く触ってみても良いでしょう。

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音楽理論補習講座:第二回~転回(Inversion)とトライトーン:和音の転回や分析の強い味方



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