Dreamthaterのキーボードをコピーする為のジョーダンルーデス氏のテクニックや音作り参考集

キーボーディストとしてのTaktを良く見て頂いている方であれば、僕が大いにDreamthater(以下ドリムシ)の現キーボーディストJordan Rudess氏に多大な影響を受け、また性懲りも無くコピーを続けている事をお知りかと思います。

キーボーディストはギタリストとは違い、中々どうして著名なプレイヤー同士の関連性が強く見えず、また便利屋になりがちなポジションからどのバンドをコピーしたら良いのか…と悩む方も多いかと思います。

ドリムシであれば、きっとクラシック上がりのキーボーディストでも十分に満足できる難易度、トリックであるかと思いますし、またテクニックの為の楽曲では無くしっかり音楽的なベースの上に成り立っているプレイなので、道に迷ったキーボーディストにはドリムシのコピーを特に薦めています。

またテクニカルキーボーディストの人口も少ない為メンバー集めに困った末に…まぁピアノの弾ける方に依頼した結果、思ってたのと違う!となった方もそこそこいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はドリムシをコピーしよう(させたい)と思っているキーボーディスト、またプログレメタルにおけるシンセの使い方を模索しているコンポーザーの方の為に、コピー研究がよりし易くなる為の情報をまとめたいと思います。

ドリムシは聴いて弾いて学んで三度美味しい!

まず最高の譜面Keyboard Anthologyを買う

まずこれです。シンセパートのコピーが難しい理由の一つとして、レコーディングでのオーバーダブと(重ね録り)ライブでのパフォーマンスを別個に考えているキーボーディストが非常に多い点にあるかと思います。ジョーダン氏もその考えを持っていて無理目な所もあるのですが、基本的に二本の腕で色んな事をすれば再現可能となっております。おりますがw

最初聞いた時はどの腕でどう音を振って行くのかなどの指針が立ちにくい(スプリット諸々)かと思いますので、本人監修、及びライブパフォーマンス時のベンディング、オクターブスイッチの切り替え等々のNotationが入っていて、なおかつ定番曲が多く収録されているこちらのアンソロジー譜面の購入をお勧めします。



キーボード譜面に稀に見る正確な音録り、音色の指示(どういう傾向の音を出せば良いか)、難しい部分の指番号、そしてメンバー間で拍子が違う場合の指示…等々至れり尽くせりです。これよりも様々な事が学べるキーボード譜面に僕は出会った事が無い、それぐらいに丁寧な指示が書きこまれています。
収録曲は以下

  • * Learning to Live
  • * Metropolis Pt. 1
  • * Wait for Sleep(ここまでI&W)
  • * 6:00
  • * Scarred(Awake)
  • * Scene Two: I. Overture 1928
  • * Scene Three: I. Through My Words
  • * Scene Three: II. Fatal Tragedy
  • * Scene Four: Beyond This Life
  • * Scene Nine: Finally Free(ここまでMetropolis pt2)
  • * The Great Debate
  • * Selections from Six Degrees of Inner Turbulence: About to Crash, War Inside My Head, The Test That Stumped Them All, Goodnight Kiss, Solitary Shell (Six degerees…)
  • * Endless Sacrifice
  • * Stream of Consciousness
  • * Vacant(Train of thought)

Six Degrees…の楽曲は一曲の中で重要な部分だけ抜き出した物になっています。最難関の部分だけと言っても良いくらいですがw(The Test That Stumped Them Allの最初のユニゾンとか)。その他の楽曲はフルで載っています。

もう一冊アンソロジーが存在しまして

The Dream-Theater Keyboard Experience: Keyboard Transcriptions - Vocal

こちらExperienceも非常に良書ですが、収録楽曲にやや偏りがある事、またNotation部分に関しては前に紹介した方が詳しいなという風に思います。

代わりにドリムシに加入するまでの経緯などのインタビューと、楽曲からインスピレーションを受けた練習曲(ベンドテクニックだったり、コードの転回だったり)が載っています。

ただ彼のテクニック指導だったり、エチュードの数に関しては後述するJROCの方が詳しかったりもするので譜面が欲しい曲があれば買う、ぐらいで良いんじゃないでしょうか。Octavariumの譜起こしが面倒な時とかw

これはドップリ浸かった時に買えば良いのではないでしょうか。
収録曲は以下

  • * Blind Faith (Six Degrees of Inner Turbulence) 
  • * Home (Metropolis, Pt 2: Scenes from a Memory) 
  • * Honor Thy Father (Train of Thought)
  • * In the Presence of Enemies Pt. 1 (Systematic Chaos) 
  • * In the Presence of Enemies Pt. 2 (Systematic Chaos) 
  • * Lines in the Sand (Falling into Infinity) 
  • * Octavarium (Octavarium) 
  • * Space-Dye Vest (Awake) 
  • * Take the Time (Images and Words)
  • * The Ministry of Lost Souls (Systematic Chaos).
やや新しめですね。ちなみに僕はこれも持ってます。フルバンドのスコアはどれもゴミなので期待しない方が良いでしょう。

ドリムシには三人のキーボーディストが居る

これ知ってました?いっつもジョーダンって訳じゃなくて初期メンツから3人交代しています。どの時代の楽曲かによってコピーの方針だったり譜起こしの助けになるので簡単にまとめておきましょう。

また上記のアンソロジー二冊に関してはジョーダンが過去曲を演奏する際のNotationになっていますが、彼は凄く前任者のプレイを尊重するタイプなので、後任キーボーディストとしてバンドに参加する際の指針にもあの二冊は使えます。

ケヴィン・ムーア

初期メンツですね。When Dream and Day Unite(1st)、Images & Words(2nd)、Awake(3rd)と参加していてAwakeのツアー開始時に抜けています。

彼自身非常に才能のあるキーボーディストで、バカテクでは無く非常に印象に残るフレーズやソロを数多く残していて、またライティングスキルも非常に高く、ケヴィンが単独で作曲クレジットを残している物もあります。バンド音楽としてのスキルが高いんだろうなぁという印象。

ケヴィンのプレイとしては


みんながロン毛で粗ぶってた頃のライブ映像。

本人的にはアンビエントっぽい事がやりたかったらしく音楽性の違いより脱退、クロマキーというバンドをその後結成します。
初期のややカオスな雰囲気は彼が大きく担っていた様にも感じます。

デレク・シニュリアン

一応このタイミングで一旦ジョーダンに打診が行ったらしいのですが、スケジュールが合わずデレクシニュリアンが二代目に。ちなみにデレクは今では元ドラマーのマイクポートノイと一緒にSons of apolloをやってますね、あの人です。
この人が参加したのはA Change of Seasons(4th)とFalling into infinity(5th)のに二作品(Awakeのツアーから参加はしている)。この人も大変キャラの濃い方なのですが、3人の中で一番雑で、良くも悪くもHR/HMのキーボーディスト!といった感じがします。

しっかりシンセリードをマーシャルに突っ込むのなんて彼ぐらい

雑って言っても比較対象の二人と比べたら全然しっかり弾いているんですが笑
結構男気溢れるプレイをするので、コピーが比較的楽(あまり大道芸ちっくな事をしない)という特徴があります。(それでも難しい)



初代ボーカルとジョーダンと並んで2ndをやってるライブなんですけど、結構粗が(ジョーダンと比べると)多く感じませんか?

プレイの傾向としてはリフと併せて漢気溢れるリードを弾くか、オルガンか、パッドか、みたいなプレイ。パッドが結構如何にもって感じのスペーシーな物を使うのがサウンド的な特徴でしょうか。

ジョーダンルーデスという男

ドリームシアターコピーの難易度を爆上げさせたのは間違いなくこの男。圧倒的にピアノプレイにおいても、リードプレイにおいても難易度が上がっているのが譜面で見れば一目瞭然。

そもそも彼はジュリアード音楽院に所属していてクラシックの世界でも結構なエリートとしてキャリアを歩んでいて、そして大学生の時にジェネシスやイエス、ELPのタルカスを聴いて感化されてしまったタイプの人なんですね。なのでピアノソロとかは人外な物が多数見受けられます。

ドリームシアターをコピーするにあたって、バンド内でInstrumedelyやろうやwという話になるかと思うのですが、そのためにはLTE(Liquid Tension Experiment)というバンドを知っておかないといけません。ジョーダンがドリムシに入る前にぺトルーシとマイキーと組んだインストバンドですね。


前任の二人と比べて両手のコンビネーションが異常に増えていたり、後はなんとも表現し難いパーカッシブなレイヤーサウンドだったり。本当に色んなトリックが織り交ぜられています。

これでとても我が我がなプレイヤーならまだコピーしやすいのですが、彼は凄く空気を読みます。なのでギターに埋もれさすようなバランスでバッキングを入れたりも非常に多いのでこれまたコピー難易度が上がっていくというまさに地獄。

恐らく彼の音楽的バックグラウンドが広すぎる為、彼のアイデアを全てぶち込むと良くないとMetropolis pt2の時に悟ったらしく相当に取捨選択をしている様子。

ちなみにソロの時


ELPのカヴァーですが…結構やりたい放題なコードプログレッションとか、音が結構派手ですよね。



拍子の解釈に困った時


拍子の解釈に困った時は、マイキー時代であればこの動画を見て何となく内容を理解しておけば拍子の解釈ではそこまで困らないはず。


逆に言うとこれをちゃんと理解してバンドの上に乗らないと、スタジオでの合わせなどで非常に苦労しまう。音源に合わせて弾くだけなら、適当な拍子解釈でも、音符を追っていくだけでなんとかなったりするのですが…。この動画はドラマーでなくても全編見るべきでしょう。

音作りで困った時

本当に細かい解説とかは、今後やっていこうかなと思うのですが。
とりあえずダブルレイヤーだけでは対処できない音が多いので16ティンバーで立ち上げの出来るワークステーション型のシンセを使いましょう。

現在はKRONOSのPlatinum使っていますが、エンジン的にはKRONOS初代から変わっていない(アップデート差分は2やXの分もダウンロード可能)ので変にKROME買うよりかは中古でX辺りを買った方が無難かもしれません。

勿論以前使用していたFantomGやOASYS辺り、FA08などの中堅処でもなんとかなるでしょう。

鍵盤数は73あれば困る事はほぼ無いです。(ピアノソロでも上にアルペジオする時はベースが下を弾いてくれる為)
本人通りしたかったり、音程を本来の場所からズラしたくなければ88鍵盤を。

基本的な音色については何故か
Wikipediaに載っています
こんなにも親切な人は誰なんだ…日本人に恐らく熱狂的なファンがいると思われます(ジョーダン公認日本語HPの管理人さんですかね?)

リードトーンの作り方から、機材の変遷、ギターとのリフユニゾン用のパッチの作り方大体基本の方針が載っています。

スプリット等で困った時はこの動画

The great debateのプログラミングっぽいのをコントロールする方法等々の解説。
シンプルなスプリットとか言わないで(懇願)
Keyboard Madness,lesson,Masterclassなどは必須検索ワードですね。状況に応じて動画を漁りましょう。

現行のレイヤーサウンドとかも解説しているこの動画も

基本的にカーツウェル時代は音の一つ一つが乾いていてパリっとしているので恐ろしくレイヤーしている(E-muとかも使ってたはず)今現在のKRONOSは1つ1つの音が太いので3つぐらいで検討を付けておけば大丈夫だと思います。あとKRONOS使って以降の作品であれば殆どファクトリーパッチでも違和感無い程度には仕上げられるはず…


これもレイヤー研究に使える動画…調べたらまた増えてますね。

心が折れた時は

もし弾けない、音が作れない、などの理由で心が折れてきたら

ステムを聞きましょう

案外この人も人なんだなぁって思えます。案外ヨレてたりして。バンドで合わせると圧倒的に上手く聴こえるんですけどね。ドリムシの特徴として各パートのステムだったり、あとオフシャルのブートレグ(アルバムのスケッチだったりライブ映像だったり)が非常に多い所も特色の1つで、ステムが結構出回っています。音作りに悩んだ時、弾けない時、ステムを聞きましょう。


IsolatedだったりKeyboard Only、Keyboard stemとかで調べるとYoutubeに転がっています。

弾き方に関しては多分にライブ映像を見て取捨選択をしていけばよいのでは無いでしょうか。この間の武道館公演もなぜか外部の人間がDVDを持っていて流出させてた(お咎めなし)なので。(DVDとして製品化したかったが幾つかの理由でしなかった、という噂があります。理由としてはボーカルのパフォーマンスが悪すぎた事もありますが、キーボードのRECレベルが低すぎてソロなのに前に出て来ない等の理由もあるんじゃないかと僕は思います。)

ライブを見るとプレイングスキル的には心を折られますが、音作り的には案外毎回音違うんだなぁって思えるので良いのでは無いでしょうか。


ジョーダンルーデスのプレイにハマってしまったら

彼の思想であったり、フレージング、ソロ作での曲作りなどにハマってしまったら、Jordan Rudess Online Conservatoryに登録しましょう。50ドルで彼の作ったエチュードや、色んな曲のソロ部分の譜面、バッキングトラック、なぜかギターテクニック、ドラムソロテクニックなどの動画が見れるサイトです。

課金していなくても一部ページは見れるようになっています。リズムのページとか、非常に参考になるかと思います。うーん聴けば聴くほど勝てる気がしない…というか最近また上手くなってる気がしますね。


まとめ

聴いて弾いて学んで楽しいドリームシアターのススメ、キーボード編を書いた感じになりましたね笑

彼自身のインタビューでも言及されていますが、ドリームシアター自体が色んな要素を色んなバンドから引っ張って来て、そして再構築された楽曲を演っている為、楽曲の肝がどこにあるかというのを比較的見分けやすいのかなぁという風に思います。やはりモダンメタル勢の心のふるさと(爆笑)なバンドなのかなぁと。

また彼自身様々な楽譜やミュージシャンから影響を受けて、それを自分で分析している為、自分なりに色々とDVDや昔のVHS、そしてオンラインスクールと共有しようと頑張っているようです。もう還暦ですし後進の育成にも熱心なのでしょうか。

Marco Parisiとは色々と仲良さそうですね


ジョーダンルーデス氏は僕のキーボーディストとしての道を大きく開けさせてくれたキーボーディストの一人なのでもっともっと研究して…いつか超えたいなぁ…と思って最近また研究、練習を重ねている次第でございます。

腕の自身のあるキーボーディストは是非チャレンジを、他のパートの方でも作曲やアレンジの参考になるのではないでしょうか。またこの関係の記事は書きたいですね。それではまた。




コメント

  1. TAKTさんこんにちは。いつも記事読んでます。
    豊富な情報量と、個人的に意欲をそそられる書き方が好きです。
    読むたびに音楽モチベに影響されてコピーやら制作やら勉強やらの作業がはかどってます。感謝です。

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    1. 凄く嬉しいコメントありがとうございます。
      記事の方針として音楽を体系的に捉えて解説していく事と、自分が刺激を受けた物を読者の方にシェアするという二本立てで書いているので、モチベが上がるのは紹介している素晴らしいミュージシャンのお陰かもしれません笑
      今後とも内容の充実、また記事同士を繋げて木の様に出来たらと考えています。今後とも是非読んで頂けたら嬉しく思います。こちらこそありがとうございます。

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