ドラム打ち込み研究:奏法編(BFD3準拠)

今回は奏法編です!と言ってもドラムを打ち込むにあたってモーラー奏法、スゥイーベル奏法を解説した所で何の足しにもならないですよね(真顔)

なので多くのドラム音源で別サンプルとして収録されるような奏法を多用されるような重要な物から順に紹介していきたいと思います。

ですのでドラムのパーツ自体あまり詳しくない方はドラム打ち込み研究:誰でも分かる基本パーツ解説を読んでからこの記事を読むことをお薦めします。

表記に関しては一般的な物、あとは個人的に所有しているBFD3の表記に則っています。もしお持ちの方がいらっしゃれば是非ご活用ください。


リムショット:オープンとクローズドリムショットの解釈

まず一番大事で頻出の奏法ですね。普通に打つのをHitとするなら。
カーンというアタック音かつサステインをスネアに不可するのがオープンリムショット。

スネアの回りに金属のフープがあるの、分かりますでしょうか。ドラムス全般にあるのですが、これをリムと言い、これを叩くことをリムショットと言います。


一番最後のピッコロスネア(薄い奴)が一番変化が分かりやすいかもしれませんね。

普通太鼓を見たらど真ん中叩きますよね笑それは間違いないのですが。

オープンリムは何をしているかと言うと、スティックの先端で太鼓の真ん中を叩いてスティックの腹でリムをぶっ叩いているわけです。

ドラマーってやつはすげぇなぁ!()

ロック系の2と4のスネアだったり、とにかく強打したい物はオープンリムを使うべし、と言えるほどに世の中のポップソングはオープンリムに溢れています…多分。

ドラマーによってはオールリム打ちする人も居るのでそこまで通常ショットと使い分けに神経使わないでいいかもしれないです。基本的にドラム音源の方がリムショットとノンリムショットの差が大きく(やや大げさに収録されている)ように感じます。

大体リムショットじゃない方が良いときは打ち込んだ瞬間違うわぁってなるような気がします。

クローズドリムショット(Side stick)



反対に静かな場面でカツカツした音を出したい時はこっち。リムの音、だけを出す奏法ですね。曲の静かな所、手数を減らしたい所とかで良く使われます。

ただスネアはスナッピーがオンになっているので響いてしまうため、手をミュートとして置きます。

前回紹介したスプラッシュ同様埋もれやすい物の一つなので使い所は考えた方が良い物の一つですね。そもそもクローズドリムを聴かせるようとすると自然と減るような気がしますが。英語圏ではSide stick表記の方が一般的なようです。

またBFDではミュートしないタイプのリムのみの音をRim Clickとして収録している様です。

番外編:ハーフエッジ

スネアはど真ん中を叩くのと端のを叩くのとで、出る音は変わるのですがBFD3ではその中間辺りを別サンプルとして収録しています。

表現力豊かなドラマーだとロール中に叩く位置を変えたり、そんな事をしますね。


はー音良すぎて脱pnしそう。基本的な音の方向性としては真ん中ほど太くて低めの音、端に行くほどリムの共鳴や、ヘッドの聴力の関係でやや粒だった音になります。

ハイハットのペダル

ペダル

読んで字の如く…表記は様々ありますが、ハイハットのオープンクローズは左足で操作します。でこのペダルを踏むとハットが閉じる音が出ます。

ドラマーは通常左足で8分だったり16分を刻んでいますので何か物足りないなぁと思ったらこれがシャッシャッ言うてる事が多いです。

あまりに子気味良く踏むなw
ジャズフュージョン系に多いかと思いきやメタルでも踏む人が居るので侮れないですね。

スプラッシュ

ぶっちゃけドラムソロぐらいでしか使わないけど、ハイハットのペダル思い切り踏んでふわっとするとパァンと小さく余韻を残してハイハットが鳴るという小技。


ドラマー的には色んな使い方があるらしい…。基本的には両手が埋まるようなフレーズをたたきたくて、でも高音に何かは鳴っていて欲しくて(この考え方はドラムアレンジの時に頻繁に使います)という時に使うのかな。だから両腕忙しいソロ時に見受けられるのかも…

シンバル全般

ハイハットだけはまた別途細かく解説していくのですが。シンバルですね。これが叩く位置によって大きく音色が変わります。ライドシンバルの事をチーンとしかならない奴だと思っている方が多いかと思いますが、端をしばくとアホみたいに音がでます。ということで外側から順に三種類。

Edge

読んで字のごとく、クラッシュシンバルとかを普通に鳴らした場合の打法ですね。一番シンバルがジャーンと鳴って派手になります。

Bow

中間らへんをBowと呼ぶらしいです。(BFD3準拠)ライドシンバルでジャズっぽいやつ(語彙)やる時に叩くのもここですね。そこそこのサステインを維持しつつ、音量は落としめに…でも高域の成分はしっかりだしたい時はここ。
クラッシュとかでも叩かない事は無いらしい。

Bell

日本ではカップと読んだりしますね。ぱかーんとややアホっぽい音がする奴ですね。表でRideをBowで二小節刻んで後半二小節Bellで刻んだりすると動きが出てよいですね。

ライドシンバルに関して最初の3種類この動画が分かりやすいですかね



Choke

これだけ音を止める奏法ですね。キメでシンバルに手を当ててる時あるじゃないですか、あれですよ。打ち込みではChokeにノートを打った瞬間に音が止まるので打つ場所を上手く探ってやると良いでしょう。BFDではChokeに対するレスポンス(つまりどれぐらい強くシンバルを手で静止させてやるか)もエディット出来ます。

Roll

シンバル及びスネアもそうですね…ロールっていう奏法がありまして、ふわわわーーと大きくなっていくやつです。でこれはベロシティと細かく打ち込む事を頑張る、なおかつタイミングを徐々に早くしていく、等の努力が必要です。
ただロール奏法の特徴として徐々に大きく揺らしていくのでアタック音が少な目なんですよね。BFDはSwellといってそれを自動でやってくれるのですが、大体の音源は無いのでトランジェントコントロールなどで上手い事再現しましょう。

ハイハット編

ハイハットはね…一番データ容量食うんですよ、先ほど述べたフットペダルによる開け閉め及び叩く場所によって音が変わる…それ以上にドラマーが色んな使い方をするので結果的に色んなサンプルが必須奏法として認められて収録されていると言った言い方が正しいように感じます。

どれだけハイハットを開くのか

クローズド

完全に閉じた場合ですね。基本的に細かく刻みたい時はクローズドで演奏します。8ビートや16ビートで基本となる部分ですね。で刻んでる時はずっとこれで良いのかというとそんな訳ではなく…。
これとか見て貰うと良く分かるかと思うんですが、曲の展開に合わせて微妙にサステインが伸びてシャーシャー言ってるのが分かりますかね。アクセント部分だけ微妙に開ける(完全にオープンでは無い)という事で。

Quarter

上記の動画のクローズにややアクセントとして付ける時にはこれですね。ハイハットの開き具合に関してはクローズに近いか、オープンに近いかで役割を分けるのが簡単かなぁと思っていまして…実際アマチュアのドラマーで何人が1/4刻みの踏みわけが出来ているかは不明ですが…笑

Half

半分ですね。これはもうオープン側と解釈して良いのではと個人的に思っています。使い方としてはゆったり目に16分で刻んでいる時に一拍分だけオープンにしたい時とかですね…。完全にオープンにするとサステインは確かに伸びるのですが、ハイハットの上下が当たって出てくるシャーという音がどんどん減ってしまうんですよね。なので安易に全開にしないのが”ぽい”ドラムプログラミングのコツかなぁと。

Threeq

ほぼ開いている状態ですね。これはハードロックのオープンの刻みなどは全開にするよりこっちの方がマッチするように感じますので割と個人的に使っております。プレイヤーとするとそもそもペダルによる全開の位置というのを低めに設定して、完全にペダルから足を離してこれぐらいの設定にしたりしている人も多いように感じます。ここら辺はドラム音源であるが故の欠点というか気を使わなければいけない所では無いでしょうか。

Open

完全に開いている状態、シャーの成分が叩いた直後以外殆ど無いサンプルが多いですね。これは本当にサンプルに寄るので音源に合わせてくれとしか言えないのですが…。

どこをどうやって叩くか


これ見て貰うのが一番早いですね。前者がtip、後者がShankです。端っこがShank、真ん中ら辺がtip。基本的にはShankの方が使用頻度が高いように感じます。がここから普段打ち込む側としては無視しても良い早く打つ為だったり装飾音符の奏法が絡んで来るんですよね。

ハイハットのアップダウン奏法という物がございまして。ドラマーという種族はですね

一振りで二回音を出すという能力が必須

らしいんですよね。まぁ簡単に言えばダブルストロークやアップダウンの類ですね。注意したいのがShankがスティックの腹でしばく事によって少しジャっとした音が鳴りまして、対してtipの方がチッみたいな音が鳴ると。そしてよーく使う早めの8ビート刻みにはアップダウン奏法という物が使われていまして。



これ、上がる時に一発~とかそこも大事ですけど我々にとっては、叩いてる場所が明らかに違うんですよ。由々しき事態。なのでアップダウンを使ってそうなフレーズは偶数発目は面倒ですがtipにして打ち込むとよりメリハリが効くのでは無いかなと。ベロシティを下手に弄るよりも”ぽい”エイトビート打ち込めるように思います。

Shankが腹で側面をぶっ叩いていると解説しましたが、その分ハイハット上下の干渉成分も大きくなります。なので、開き具合に対して適切にShankとtipをね…大体Shank使うんですけども。


ただテクニカルな事をしたい時はClosed tipにした方が何かと都合が良いようです。冷静に物の表面を叩くのと側面叩くの、どう考えても表面叩く方が楽ですよね笑

で、そのテクニカルなもんってどんな物なのって話を最後に。

ルーディメンツとは

ルーディメンツとはある機関が定めた全40種のスティックワークです。元をたどるとマーチングの技術ですね。右手で一打して左手で二打するのをあーやこーやするとパラディドルで云々…。我々打ち込む側はそんな事気にせんで良いと思うのです。

詳しく知りたい方はこちら

このサイトにも書かれているんですけど、引用させて頂くと打楽器の基本的な奏法を集めたものです。演奏で使えるフレーズ集みたいなものです。

でこれ一々マスターするならドラマーになった方がぶっちゃけ早いです。で打ち込みドラムの利点というのは、とりあえず技術的な手順だったり正確さだったり…そんな物をとっぱらってグルーブやフレーズを探究出来るという点に大きなメリットがある訳なんですよ。

ただ一つ押さえておきたいのはやはりダブルストロークの類ですね。二打目は弱くなりがちだし、やや突っ込みがち。それぐらいですかね…フラムとかは普通に打てば良いだけですしね。BFDは親切にドラッグとかフラムもMIDIマップ上で用意してくれているんですが…ベロシティをしっかり弄ってやってこっちの意図したタイミングで打ち込んでやれば問題無いのでは無いでしょうか。

マーチング系を極めてるとマジで単発でカッコいいビートが出来ます。

Blink 182のドラマーですね。お前なんでポップパンクやってんねん。

大切なのはどう叩いているかではなくどう表現させるか

一通り奏法の解説のほう行ってきました。ここまでやったら正直ね、十分だと思うんですよ。ドラマーの手順がどうとか、そんな物は必要以上に意識する必要は無くて、逆になんでドラマーはここをこう叩くのか、シンバルの使い分けだったり、タムの使い分け。シンバルの開け方。こういう物を用いてどんな風に演出したいか、というのをドラマー以上に考えて打ち込む、そうする事でドラマーを追い越した表現をする事って可能なんですね。

打ち込みのドラムは味気ないだとか…勿論音色の変化に連続性が無かったり、そもそもチューニングの概念が無くってとか…色々制約はありますが、今は打ち込みのビートがドラマーを既に一度影響を与えた後の時代です。グルーヴの研究(音のダイナミクスとタイミング)は打ち込みの方が限界まで追い込めますし、その結果スゥイングの解釈が3連符ではなく5連符と1と4番目の解釈が一番スゥイングのフィールに近い、なんて事が発覚したり…

なのでどういうフレーズを自分は描きたいかですね…それを奏法のパレットから選んで、ダイナミクスもちゃんとつけてですね、そういう事をちゃんとやらないと不自然に音が揃ってしまうので嘘っぽいし、実際打ち込み臭いなぁ、なんて言われてしまう訳です。

僕自身は生ドラムをドラマーに叩いて貰ってレコーディングしたいですけどね笑


しかしAAL1stとかも完全にMisha兄貴の打ち込みですし…意外と世の中打ち込みのドラムで溢れているんですよ。けいおん!の律っちゃんはAD2ですしね。流石に色々打ち込みを研究してから聞くとこれ打ち込みだな…って分かりますけども。


そうは言っても最初は色んな所に気が回らなくてベタベタな打ち込みになったりとか…色々あると思いますので次から具体的なフレーズの組み立て方、強弱の付け方に踏み込んで行きたいと思います。

BFD3今回のセールで購入した方も多いかと思いますが、今回の奏法解説でこれ使わなさそうだなぁという判断を下して頂ければメモリに余裕が無い方も快適にBFD3使って頂けるのでは無いかなと笑

是非参考にしてください。では次の記事もよろしくお願いします。


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