第十回~自然短音階(ナチュラルマイナースケール)とダイアトニックコード

今までずっとメジャーキーにおいての話をしてきました。
最初の方の記事で、調性音楽の理論においては

メジャースケールとマイナースケール

を中心に世界が回っているという話をしました。(多分そんなに大袈裟には言ってない)
逆にいうとこのスケールを中心に据えた音楽の事を調性音楽であるとも言えるでしょう。

という事でマイナースケールを基本とする短調はメジャースケールを基礎とする長調と対を成し、重要な調となり、そしてマイナースケールでの事項はメジャースケールでも使う事が出来ます。

大きな躓きポイントの1つであるのでゆっくり、そして用語の意味を思い出しながら勉強していきましょう。



そもそもマイナースケールとは

スケールとは一定の法則で音を12音から選びだし、並べた物であると説明しました。
メジャースケールの音の間隔は以前紹介しました。

マイナースケールとは、任意の12音の中から一音選び、そこから

全音半音全音全音半音全音全音の積み重ねで出来ている音階です。

いきなり言われても混乱しますよね。後でもう一度図示します。

さてこの操作によって完成した音階を基に作られる音楽が短調の音楽になります。
また短音階は、長音階と同じ構成音を持ち、長音階の6度上から始まる音階でもあります。

ナチュラルマイナーはメジャースケールのうちの1つのモードであるとも言えるのですが…。

今回はAmスケール(調号ゼロ)ではなくCメジャースケールと比較しやすいようにCマイナースケールで比較してみましょう。


調号ではなく臨時記号で♭させているのはわざとです。

さていつも通りCから初めて音の間隔をチェックしていきましょう。
全音上がってD半音上がってE♭…と続きます。(これは一度は絶対手を動かして確認する事をお勧めします)
結果的にそれぞれの音程は一度、長二度、短三度、完全四度、完全五度、短六度、短7度
となります。

マイナースケールの各音の特色

短音階は”実は謎に3種類”あります、が

まずは基本とされているナチュラルマイナースケールの各音についてそれぞれ特色と傾向を付けることが出来ます。

主音 上主音 中音 下属音 属音 下中音 下主音 主音

長音階同様、自然短音階内でも安定感の強い順にトニック、ドミナント、メディアントとなります。
スーパートニックはトニックもしくはメディアントへ、サブドミナントはメディアントかドミナントへと移行する傾向にあります。

ここまではメジャースケールとほぼ同じです。

サブメディアントは半音の関係にあるドミナントへ強く引き付けられますが、二音上がってトニックへ向かう性質もあります。

メジャースケールと大きく違うのはナチュラルマイナーでは7度が、メジャースケールの七度ほどトニックへ強く引き付けられない所です。これはトニックと全音の間隔を持っているためです。(引き付ける強さは距離に反比例する)

ナチュラルマイナーにおけるダイアトニックコード

さて、ナチュラルマイナーで得られるダイアトニックコードはトライアド、セブンスコード合わせて、パラレルメジャーのコードが三度下から始まった物になります。

ひとまずCナチュラルマイナーでのダイアトニックコードを図示します。



さてメジャースケールでのダイアトニックコードは
ⅠM7 Ⅱ-7 Ⅲ-7 ⅣM7 Ⅴ7 Ⅵ-7 Ⅶ-7(♭5)
の順になっていました。

さて、マイナースケールはあるメジャースケールを第六音から始めた物となっています。
そしてスケールの構成音は完全に一緒です。
となると、第六音上にあるコードがⅠの上に置かれるという事が分かってくると思います。

となるとナチュラルマイナーのダイアトニックコードは
Ⅰ-7 Ⅱ-7(♭5)  ♭ⅢM7 Ⅳ-7 Ⅴ-7 ♭ⅥM7 ♭Ⅶ

となるはずです。コードタイプを追っていくとメジャースケールのダイアトニックコードを第六音上の物から並べた物他ありません。

ダイアトニックコードの機能

さて、ではメジャーとの比較をしながら機能を見て行こうと思います。

まずはトニックコード。Ⅰコードや♭Ⅲコードがトニック機能を持つコードとなります。レラティブキーではそれぞれⅥ-とⅠコードとなります。どちらも安定した響きを持つ事が分かりますね。

マイナーキーでのトニックコードは特にトニックマイナーと呼ばれ、メジャーキー同様安定したサウンドが特徴とされます。

さてメジャーキーではⅢ-はトニックでした。しかしレラティブマイナーにおいて、メジャーキーのⅢ- Ⅲ-7に相当するⅤ Ⅴ-7はトニックとは考えられていません。

何故か。今までメジャーキーとの比較を根拠に機能分けをしてきました。メジャーにおけるトニックは安定的な1度3度5度を積んでいて、それに類似するコードをトニックの代理として使えるトニックファンクションを与えてきました。

今回Ⅴ-7(CマイナーであればGm7)を見た場合、これはマイナーキーの特性を決定付ける短三度の音を含んでいません。トニックの機能というのはその調を代表する、もっと言うとその調が落ち着く和音であり、その為にはメジャースケールとマイナースケールを大きく分ける短三度と長三度というのは非常に大切になってきます。

という事でⅤ-7は後で触れます。

メジャーキーでのサブドミナントコードは特性音である完全四度を構成音に含むコードの事でした。メジャーキーの完全四度はレラティブマイナーにおいては短六度に相当し、ナチュラルマイナーでも特性音として扱われます。

これを構成音に含み、またリーディングトーンを構成音に含まないコード(ナチュラルマイナーではリーディングトーンは存在しないので今は気にしなくて大丈夫です)
となるとⅡ゜とⅣ-Ⅳ-7、♭Ⅵと♭ⅥM7これはサブドミナントマイナーの機能を持ち、メジャーでのサブドミナントコード同様、やや不安定です。

さてメジャーキーにおいてはⅤとⅤ7はドミナント機能を持つコードとし扱われていました。
これらに相当するレラティブマイナーキーでの♭Ⅶと♭Ⅶ7は違った働きをします。
Ⅴ7の最大の特徴、昨日はⅠへのドミナントケーデンスですが、♭Ⅶと♭Ⅶの場合もレラティブメジャーのⅠに相当する♭Ⅲへのドミナントモーションは多用されます。(これをセカンダリードミナントと解釈し、後々改めて解説します)

またⅠ- Ⅰ-7へと進行する場合もしばしばあります。これはメジャーキーでのⅤ7→Ⅵ-の偽終止に相当する進行ですが、マイナーキーでは♭Ⅶが♭Ⅲへのドミナントモーションを強く期待させるものではないので、偽終止として扱わない場合が多くあります。

長々と慣例について触れてきましたが、結局の所ドミナントモーションを用いてⅠに着地する事は♭Ⅶ7では不可能であり、ダイアトニックスケールにおいてトニックに向かってドミナントモーションをかけることはできません。つまりドミナント機能を持たない、ドミナントコードとなります。

またサブトニックを三度かルートに持つコードであるⅤ- Ⅴ-7♭Ⅶ♭Ⅶ7の事を総称してドミナントマイナーと呼ぶ事もあります。




まとめ

いきなり駆け足になりましたね。メジャーキーでゆっくりさらっていた部分をマイナーになると一気に加速的に習うようになります。結局の所似た所が多いので…そのような解説になってしまうのですが。メジャーキーとマイナーキーの関係性については別途記事を書ければと思います。

結局の所、この記事で思っておいて欲しいのは、ドミナント君どこ行ったの??という部分で、それを何とかしようっていう試みが今後数回において触れる内容になります。

次回、なぜマイナースケールは3種類あるのか??

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