エレピ 音作りのコツ:KRONOS EP-1を使って音作りを考える

序文を読むにあたってこの動画、聴きながら読んで頂けたらと思うのですが



こちらの動画、セッティングは同じ状態で代表的なエレピ六機種を弾き比べてみました。

エレピとひとくくりに言っても全然音が違いますよね。この動画は軽くトレモロ&コーラスをかけただけの動画になっています。

エレピの音作りは6割機種選び+残りがエフェクト選びです

今回は鍵盤奏者のみならず、鍵盤が弾けない人でもエレピを使ってみたくなる。そんな記事にしたいなと思います。普通のシンセより全然お手軽に、メロウで特別な雰囲気を醸し出せますよ。それでは行きましょう。

そもそもエレピとは

そもそもエレピ、もといエレクトリックピアノはどういう物を指すのかと言いますとこういうやつですね。


ピアノの発音機構は弦をハンマーで叩くことで物理的に音を出しますよね。
エレピも基本的に同じ事をするのですが、叩くのがトーンバーという金属で、その振動をピックアップで音を拾いエレクトリックと言われる通り電気的に音を出します。

広義の意味でエレピと言うと、サンプリングした物理ピアノ…やDX7などシンセによってピアノっぽい音を出す物も含まれますが、今回は狭義のエレピサウンドに限って解説していきたいとお思います。

このように発音機構的に結構アナログな事をやっているので、楽器特有の柔らかい音だったり、そもそもの表現力だったりが、所謂シンセ、サンプリング音源に比べると幅広い楽器となっていて、おまけにエレクトリックなのでエフェクトとの親和性も高いという一品です。

またアコースティックピアノほど機種差が無かったり、ハンマ―自体の表現力がそこまで無い事もあって上手い事サンプルする事で実機に遜色無い"楽器"として使える物も増えてきました。

万を持したSpectrasonicsの4つ目のインストゥルメントはKEYSCAPEだった訳ですが、様々なエレピサウンドが収録されております。

僕の序盤の演奏聞いて頂いて分かるかと思いますが、メロウでいてキラっとしたベル成分。またリズミックなフレーズにも耐えうる太さを持っていたりしますよね。中々他の楽器では出せない存在感を楽曲にプラスしてくれます。

代表的な二メーカー

代表的、かつ殆ど席捲していると言ってもよい二つのメーカーがあります。
一つはRhodes、もう一つはWurlitzerですね。
よくWurlitzerの方がアタック感があってリズミックなプレイが…みたいな事を言われますが、あくまでRhodesはRhodesだしWurlitzerはWurlitzerでしかなくて。使う楽器によって弾きたいフレーズも変わってくるし、Wurlitzerでメロウなコード感を出しているミュージシャンも数多く存在します。

右チャンネルにWurlitzerコードを奏でていますよね。

ただウーリッツァーの方がバコっとしたアタック音が作れますね。
今回紹介したエレピ音源はエレピの本流を辿った物になっておりまして

EP 200はWurlitzerの200
EP 200AはWurlitzerの200A
Tine EP mk1はRhodesのmk1
Tine EP mk2はRhodesのmk2
Tine EP mk5はRhodesのmk5
tine EP DMP はmk5の時代にあった改造型Rhodesが出典元になっていますね。
(DMPはDyna my pianoの略の様でMODメーカーの様です。コーラスやEQ、コンプを)

エレピの簡単な歴史と顛末

普段はあまり歴史について触れるないのですが、エレピに関しては歴史を辿ると機種選びのチョイスが楽になるので簡単に辿ってみましょう。

元々教育用として開発されたエレピ。Rhodesは60年代にFenderに買収されFender Rhodesとしてミュージシャンに使われるようになります、この時代のものもまた人気がありますね。

その後Rhodesとして独立してそのままmk1の販売を、そして後継のmk2を、mk3は試作されるも発売されず…といった形でオリジナルとして最後に発売されるのは1984年のmk5が最後に倒産、商標権がRolandに移り、RolandはRhodesの名前を使ったフルデジタルのステージピアノRhodes MK70等を発売します。(無かった機種にされるほどのデジタルローズで、実際ボロカスにRolandを叩く人もいますがRolandとしては商標を守るという意味で買収した、らしいです。)

この時代に何が起こったかというと60年代頃から徐々にサイケの連中が面白がって使い始めて(The Doorsのレイマンザレク等)70年代には数々のフュージョンプレイヤーがピアノ以外の音色を、そしてなおかつ自分のフィールを表現してくれる楽器を探した結果エレピは第一線で活躍する楽器となった訳です。

例えばチックコリア

名曲ですね。あと個人的に好きなのはジョーサンプルのバンド、クルセイダーズ

若きラリーカールトンが暴れ散らかしている名演奏ですね。
また70年代というのはポップスでも頻繁に使われた時代になります。

ではなぜ1984年以降新機種が発売されなくなったのか、そしてRolandへ身売りする羽目になったのかというとシンセの能力が圧倒的に向上した時期なんですね。70年代では先ほどのクルセイダーズの音源でも分かるようにショボい音、というか良くも悪くもアナログシンセの音しか出ない時代で、特に派手めの音色という物は苦手にしていた訳ですね。

1983年にDX7というFM音源、世界初のフルデジタルシンセが登場し、FM音源は煌びやかな音色を特に得意としていて、エレピをシェアを完全に食っていきます。

これ序盤の音DX7のプリセットそのままなんですよね。マジで。25万で買えて軽くて…そんなん乗り換えちゃいますよね。80年代後半はそういうあれこれでアナログ機材がボロキレのように売られていた時代です。今では30万は下らないTR808も数万円で変えたのだとか。

その後エレピなんて誰も見向きもしない時代を通過しまして…2000年代頃からやや復権、2010年辺りを境にエレピ人気も更に急上昇してまして、本家へ商標が戻りRhodes mk7が発売されたりしました。今ではアナログへの回帰が1つの潮流になっていますよね。EDMプロデューサーのCarvin harrisのスタジオがアナログシンセで満載になっていたりだとか。

Rhodesも10年前なんか10万円ちょっとで取引されていたのが平気で30万以上の値段がつけられていたりします。買えねぇよこの野郎笑






エレピの肝は飽和感

はい、ちんたらと歴史を追って行きましたが。少し貼っている音源を聴いていて気づきませんでしたか??

そう時代を追えば追う程音数を詰め込むアレンジが可能になって行っているんです。

それに合わせてエレピ側も色々と変わって行くんですね。Rhodesは元々木製のフレームだった事もあり40kgオーバーは普通であったこともあり、軽量化されたり、プラスチック鍵盤が採用されたりと言った事が起きます。

こういった影響か、新しめの機種になればなるほど音がスッキリとしていくんですよ。

これは音作りにしても、機種選びにしてもなんですが。スッキリさせたいのが、それとも音をたまらせて濁らせたいのか。この二軸で精査していくのが良いかと思います。

基本的に年代が古いほど太くてぼわっとした音が出ますし、新しくなるとHifiかつスッキリ、キラキラっとした音が出ます。

またRhodesとWurlitzerの違いとして上げられるのはサステインの長さの違いですね。Wurlitzerの方がダントツに伸びない。こちらは時間軸でどれぐらい空間を埋めたいのか…で決めて行けば良いのでは無いでしょうか。

正直RhodesかWurlitzerはやっぱりこっちで!!って決まるようになってきますけどね笑

また出力としてアンプよりLINEの方がよりスッキリとしたサウンドになりますね。KRONOSでは一つ一つの機種に合わせたアンプもエミュレートしてくれていて、というのもRhodesにはSuitcaseというトランジスタアンプタイプとStagePianoというアンプが無いタイプが存在しているんですね。アンプをドライブさせれば勿論飽和感は増して行きます。

勿論なのですが、ギターアンプに入れるというオプションもございまして、クリーンアンプであるFender Black face系、後は攻撃的なエレピ使いであればマーシャルのスタックではなくコンボタイプですね。ヒイズミマサユ機氏もコンボタイプを使用していた様に記憶しております。

エレピでもこんな音が出るんですよね。一瞬オルガンに聞き間違える方も居るかもしれませんが…エレピのサステインの無さも歪ませる事で伸びますしね。

今回のレビュー動画ではDIサウンドでレコーディングしましたが、DMPとかはアンプを通した方が良い音になるなといった印象もあります。サンプル音源の多くはSuitcaseとStagepianoで分けてサンプルされている物が多いように感じます。ここらへんはEP-1として独立音源を作成したKORGの凄さを感じます。

余談ですがKRONOS購入の決め手はエレピの圧倒的生感(実機触った事無いくせにw)を感じたからですね。

EQ

はい、EQですね。まず飽和感というポイントで言うと800hz前半が一番ミドルの美味しいポイントとなります。ここはサウンドメイクの段階でガンガン弄って行きたい所です。
400とかまで下げると確かにヘ音記号領域のベース音としては強くなるのですがあまりさうんど全体に影響がなかったですね。



あとは高域と低域になるのですが、ここは実機のパネルもツマミやスライダーとなっているのですが、低域は100HZ前後からシェルフで、高域も8k辺りからシェルフでガツっと持ち上げて上げて良いかと思います。勿論スッキリとさせたい時はなだらかに下げてあげる感じで。

どうしてもベル感じだったりキラッとした部分が欲しい時は中高域を狙いに行っても良いのかもしれませんが、可能なのであれば実機の調整の部分、アタックのブライト感だったりトーンバーの調整の部分で追い込んでいきたい所です。

EQだとどうしてもプレイする帯域によって反応が変わってしまうので…。

逆にミックスする時はエレピのどんな部分を優先させて聴かせたいのか、低音のブワっとした感じなのか、それとも音の濁りそうなミドルなのか、それともキラキラっとした部分なのか。そういう事を考えながら他のパートと当たる部分を削っていってやるのが良いのでは無いかなぁと。

基本的にガツっと存在感が出てしまう楽器ではあるので、本当にうっすら鳴っていて欲しい時などはシンセでエレピを再現した系のパッチに切り替える(それこそベル感が欲しい時とか)のも手かとおもいます。

エフェクト 


エレピは基本あまりサステインが無いことと、あんまし伸ばしていても表情が変わらないので時間軸で軽く化粧してあげる感覚が良いかと思います。

まずは標準パネルについているヴィブラート。これの仕様がまた独特なのですが、ステレオでパン振りされていて。オクターブ上の倍音だけが出てくる(つまり中間の音程が消える)ような感覚が生まれます。なのでヴィブラートと言う物の普通のヴィブラートを挿してしまうと違うぞこれは…となります。鍵盤弾きであれば、出来ればここまで再現している音源をチョイスしたいですね。

あとはコーラス、フェイザー、フランジャー、ここら辺は煌びやかさとか、勿論倍音も増えるし上方向に飽和感が増えて行く感じですね。

とりあえずそっけないなと思ったらVintage系のChorusを軽くかけて上げるのがお手軽です。Speedは1.1hzぐらい、Wet:dryは2:8ぐらいですね。動画のセッティングもこのセッティングです。Vintage系の中でもRolandCE-1が一番好きですね。ここも好み。

アタッキーなフレーズを弾くときはコンプやオーバードライブ辺りのチョイスを。飛び道具としてはVOXのWAHも普通に使われています。


そして往年のサウンドはギター用エフェクターを用いて作られていたことが多いので、DAW上では直接BIASFXなどに突っ込んでも良いかもしれません。

KRONOS EP-1のレビューと思って来られた方もいらっしゃるかと思いますので、搭載されているエフェクトの元ネタをまとめておくと

Small PhaseはエレハモのSmall Clone(フェイザーエフェクトとしてはあまり呼ばれて無いけど)
Orange PhaseはMXRのPhase90
Vintage ChorusはCE-1
Vintage FlangerはMXRのFlanger初期型(Vintage Flangerで出てきます)
EP Chorusは恐らく改造EPに搭載されていたChorusが元ネタ(青色から)
Red compはMXRのダイコン
Vox WahはVOXのCry babyですね
Black ChorusとBlack Flangerだけは特定できず…多分uni vibeだと思います。

是非ギタリストの皆様はここら辺のエフェクターお持ちかと思いますので是非楽曲制作に取り入れて頂ければと思います。

まとめ

さて色々と語ってきましたが…結局は何を弾くかです。どんなフレーズを打ち込むか、そしてそれをどんなオケに載せるかです。

そして奏法にダイレクトに影響してくるのがミドルからハイミッドにかけた飽和感だと思うのです。

よくクローズドボイシングはエレピでは厳禁、なんて書かれ方をしたりするんですけど。クローズでだまだまになったサウンドもまた味があるです。そういう魅力のある楽器です。

もちろんオープンボイシングでコーラスを軽くかけた開放感あるサウンドも綺麗ですし…。クローズドを綺麗に聴かせるためにミドルを削るという選択肢もアリです。

バリバリにコンプをかけてベースパートを弾くのもアリなんですよ。なんたってRhodes Bassという機種があるぐらいですから。

ただ、どうしてもサンプリング音源を用いての音作りが主にはなってくると思います。どうしても低音が回っちゃって使えない~だとか、ミッドのコシが無いだとか、そういう物に対しては最初にガツっと処理をかけて上げても良いのでは無いでしょうか。

個人的にはエレピのサウンドで一番好きなのはKRONOS、次点でRolandのRD系、CPに乗ってる物はカチンカチンとしていて好みでは無いです。

KEYSCAPEも音のクオリティとしては素晴らしい物でしたが、鍵盤とのマッチという点で調整を効かさないとプレイングにはいまいちなのかなぁと。買ってみないと分からないなといった印象です。

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やはりRock onさんが安いですね。

エレピの情報を集めるならエレクトリックピアノ専門店Wurly'sのブログ(リンク関係にやや難あり)。
色んな音源を聴き比べるなら

「14製品のエレクトリックピアノを試してみた!」第1弾
「14製品のエレクトリックピアノを試してみた!」第2弾

ここが非常に優秀ですね、そして演奏者としてプレイとの相関に関しても細かく語ってくれています。

当ブログでは奏法編はまたの機会にしたいなと思います。
最後に僕が一番好きなエレピサウンドを聞きながら締めたいと思います。
それでは!

エレピの音作りと合わせてどうぞ
オルガンの音作り

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