報告:First EP"Duality"リリースしました

やらないクリエイター育成実験

一端の音楽家として5年目、メジャーで初の楽曲提供をしてから2年目、まだまだ新米作曲家な私ですが、何故か私の所に助けを求めてくる人が増えてきました。


僕自身、後進は育てるモノ!という考えの人にずっと当たり続けているので、まぁやるかという事で自分の経験の為に色々と面倒を見ています。

その中で1つ課題


言うてる割にやらないクリエイターどうすんの???


問題。後輩育成してる人なら必ず直面してると思うんです。特に縁故で面倒見てる場合に多い。即座に切ってしまうのも1つの手だとは思うんですが、作曲家になりたいです!と勇気をもって僕の所を訪ねて来たのであれば、確実に彼にとって1つの転機で在る事は間違いないし、やり始める良いキッカケである事は間違いない…。


ほっといても音楽を作り続けられる人間だけが音楽クリエイターになれる??

これは流石に高尚過ぎるんじゃないかなって個人的に思っていて。だって納期や締め切り無いと中々作品作り出来なくないですか??無理じゃない??

だからほっといても作るやつだけが勝つ、そういう考え方は肯定したくない。

何を隠そう僕自身中高時代、とにかく作らなかった。何故か分からないけど、作って一曲か二曲。それで結果が出る訳も無いんですよね。それで、改めてプロを志したのが24歳の年だった。でも小学校の時から作曲家になりたかったんです、だとしたらその間に自力で自分をマネジメントして創作を日常的に出来る体や意識にチューンナップしていったのでは?と考えました。

これはとある音楽家をうちで預かる事になったので改めて考えた次第です。実験途中なので悪しからず。あと、本人が乗り気ですらない場合は辞めましょう。こっちの世界に来ても幸せになれないので。

アウトプット力を鍛える

クリエイターの序盤の成長は、大体において量で質を担保出来る嫌いがあります。なので、まず数をやらせる。何から何まで指示してやらせる。これが大事。

数をやらせるにあたって、週に一曲書こうねとか、歌ってみた動画を週に一曲書こうねとか、歌ってみたのミックスマスタリングをSNSで募集して仕事を取ろうね、とか。それって正直ハードル高くない??考える事多くない??

って思っていて。結局一般企業における、平社員は経営者目線を持て、なんて言うと意識が高いと思われがちですが、自主的に戦略を規定して何かにうちこむのは結構大変な事なんじゃないかなと。(これが出来る時点できっと別の業界行っても結果は出ると思います。)

序盤はとにかく指示を沢山して、やらせるのが大事だという仮説を立ててみました。


なので、まずは考えずに出来るアウトプットを指示しましょう。

どのような指示を与えるか


毎日、スマホで直撮りしたアカペラで歌ってみたを投稿する。
歌う曲まで指定しましょう。これなら流石にスマホの操作も分かってるし、あとマジで歌うだけ。スタンドぐらい用意すれば良いかな??

毎日8小節のビートを作る
これもDAWの操作に慣れたら余裕かな。最初の一作だけハードル設定の為に一緒にやっても良いかも。

毎日サビだけのメロディを作る
これは…いけるかなぁ、模倣じゃないのでキツいかも??

毎日既存曲のメロディとコードをコピーする。
これならインプットにもなるし丁度良いかも。

と言う風にとにかくハードルを下げる。そして今出来る事をアウトプットさせる。これが恐らく肝。

どうしても、仕事上あれをこうしろ、とマイクロマネジメントする事を嫌うのがクリエイターあるあるですが、クリエイター名乗るのに半人前な人間はこれぐらい、指示をしてやらせるのが大事なんじゃないかなと。

根拠としては、良いマネージャーとしての部下の育成には高指示、低支援から高指示、高支援へ、というステップが存在していて、一般的なマネジメントの概念を上手くクリエイターサイドに適用出来ないかな?という企みがあります。

みんなの育成失敗談を聞いてると、支援をし過ぎでは???と思ってしまいます。これは後々、自分で動かなくなるから良くない気もする。という事で死ぬほど指示をしてアウトプットを抽出します。

アウトプット内容は、主軸にしたい武器を磨ける内容にしましょう。

毎日出来るハードルは、たかが知れてるのでチェックする側も比較的楽。
そして"毎日やる"も結構漠然としているので、"一週間継続する"辺りで区切りをつけて上げると良いのかなぁと。3年や3か月といった数字でブログを書きましたが、3日じゃあちょっと短いんですよね。本業等のサイクルも考えて一週間単位で見て行くのが良いのかなと。

外圧をどう設置するか

こりゃあやらにゃいかんな、と思わせられたら勝ちだと思っていて、年齢的に結果を出さないといけないから頑張る…とかそういうのが一般的に自分が勝手に感じる外圧の1つだと思います。ただ昨今30までは好きな事やって良い、から30過ぎても好きな事やってもよくね?な社会的風潮になってきており、これもぶっちゃけ機能するか怪しい…と思ってます。

一番簡単なのは、まず仕事を与えてやらせる。ダメなら自分で被るっていうのが恐らく一番スパルタで強烈、かつ効率的な方法だとは思うんですが、ポジションによっては中々これが実行出来ない所はある。とはいえ、流せる仕事はそこそこ年数を積んで来たら生まれたりするので、抱えてる音楽家が居る事は周りに言っても良いかも。

とにかく締め切りの設定はマスト。最初のうちは締め切りギリギリになる前にツツく。これぐらい高指示で育てると決めたらやった方が良いかなーーと思っています。

あとは当人に周りに宣言などをして貰うとやりやすいですよね、ここら辺は相手の性格によって良い方法が変わるかとは思いますが、一番良いのは仕事を渡す事だと恐らく確信しています。(しっかりケツは持とうな)

決断する数を強制的に増やす

今のSNS時代は凄くクリエイターの育成に良い面もあると思っていて、その一つが作品発表の場が色んなフォーマットであるという事です。SNSに出すという事は、世に出てしまってもう修正が効かないという事。一生修正をしてぐるぐるしているのが、前に進まない大きな要因だと思われるので、とにかく小さなステップで毎日投稿させるのが良いのかなと思っています。

自分自身で戦略を策定出来る段階にどう移行するか

これが正直一番の課題だと思っていて、自分でも明確な答えが出ていません。とはいえ、糸口は見えてきているとは思うんです。

まず一番最初にやっているのが、曼荼羅チャート。これを三年後になっていたい自分を中心に置いて書いて貰う。そしてこれを基にディスカッションする。これは最初にやっておくと、後々の支援内容が充実してくるのかなと。しかし、これはどうしても大きすぎる目標、体感出来ない階段を踏ませる事になってしまうので、日々どういう事をやればよいか…を自分でサーベイ→実行、のサイクルを踏む事が良いのでは無いかなぁと思っています。

毎日この曲のサビを歌って投稿しろ→、週の頭に歌う曲を申告して精査した上で毎日投稿する

この様な進化が恐らく必要。

次に、タイム感の変更ですね。Youtuberやるなら毎日投稿ってほぼ必須になっていますが、毎日違う事をやりたい人と、3か月同じ創作物に日々気持ち新たに挑める人と居るので、一番その人のクリエイティビティが伸びるタイム感に移行するのも大事かもしれません。
自己管理とも結びついてきそうで大変そうですが…。

大阪桐蔭高校の指導は自分で考える野球をする指導、という事で毎日の練習に対してのノートをつけて、それにコメントを返したり練習内容をオーダーメイドしたり、という事をしているそうです。なので、日々のアウトプットに対する振り返りを行い、考えている事の共有を多めにするのが良さそう…。
自分で考える練習ですかね
という事でここは上手く行った時に加筆しようかなと思っています。

3か月でなんとか高指示状態を離脱したい…

とは思っているんですが、結局他のプロジェクトを始めると初学な所は生まれてくるので、適宜支持派必要かとは思うんですが…。

この実験に踏み切った理由の一つに、丁寧に教えているやつほど案外結果出ないかも…??と自分の指導方法に疑問点が出てきたからなのです。なので先達のみなさま、私にご指導頂けると非常に有難いです。よろしくお願いいたします。

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