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Pluguin Allianceから新作NEOLD V76U73がリリースされた。
サブスクに入っているのですぐに試せる。この新作ペースは素晴らしい。
さてサブスクは良さはさておき、最近やっとアナログエミュレーション的なプラグインの使いこなしに足を踏み入れてこれた様に思うが、NEOLD V76U73の標榜するGerman Fairchildにはいまいち足を踏み入れて来なかった。今回はどのような使い方が出来るか模索した
V76U73はプリアンプとコンプから成る
UIから見て分かるように三つのモジュールから成る。左からTelefunkenV76のプリアンプ、U73コンプレッサー、そして右側がコントロール部分になる。
このアナログライクな見た目だが、これはちょっと使いにくい。回んのか?このツマミ、みたいな事がままある。まぁそれほどガシガシ動かすモノでも無いのだが。
コンプをバイパスしてプリアンプ部分だけでも、音は変わる。(後述するが、ソースにもよるが凄くハッキリした変化は無い。)ゲインを上げればよりサチュレートするが、ボリュームは常に一定である。ボリュームが上がった事による音の錯覚が無いのは嬉しい。
ガチガチに音量を突っ込んでゲインをほぼマックスにしてやればアタックの部分でやや歪みを感知できる、まぁそれぐらい歪まないイメージ。
プリアンプ部
80Hz 300Hzにカットフィルターが付いている。基本的にこのプラグインはモヤっとしたリアリティを付け足すモノと言えるので、ブーミ―になり過ぎるポイントとしてこの二点が選ばれているのではないか、と思うのだが。80Hzを落とすと若干ロー感が増す(ソリッドになる)印象もあり、ただカットしてるだけでは無いのではないか…と踏んでいる。
Linearは実機の周波数帯指定でかかる仕様を取っ払う物らしい。ここは要研究。
コンプ部
基本的に突っ込む量はプリアンプのインプット量で決めていくスタイル。早めのアタック、遅めのリリースの設定が特徴的で、均すタイプのコンプと言える。リミッター的に動かす事も可能。右側にメイクアップゲインと、メーター、Mixなどがある。
また一応Side Chainだったり、コンプのステレオモード切替、フィルターなど元のFairchildから比べて現代的にアップデートされている部分が多くある。
真空管コンプ
Vari muタイプのコンプになると思うんだけど、ソフトニーなコンプになる。
小さいピークの時は2:1大きく入ると20:1までレシオが大きくなる。元からちょっとリミッターぽい挙動になるよね。そういう意味でLimitterモードが搭載されているのも納得といった感じ。
Fairchild的コンプは音のリアリティを増やす為に使う
多分この使い方だと思うんだよね。Fairchildコンプの歴史とか細かい経緯とかをを知りたい人はこのサイトを読めば良いと思うんだけど(非常に良く出来ている)。
このNEOLD V76U73は割と現代的にアップデートされてるからそこまで気にしなくて良いんじゃないかと思う。
正直プリアンプの色付けって音量が変わらないのもあって、そこまで劇的に変わるような類の物ではなかった。ドラムのループだとあんまし分からないぐらい、シンセはなんだで良く分かりますね。
生楽器をマイクで録った音ってなんか痩せて聴こえたり、ダイナミックレンジが高くて耳に聴こえてる音から離れてしまう事って結構あるじゃないですか。
ドラムって本来もっとガシャガシャバンバンなってるよなーとか、アコギとかももっとゴツさ出るよな、とか。グロッケンとかもマジでそれの極北的な存在ですよね。
そう言った空気感というか、楽器自体の厚みを自然に増やしたい。そんな時に使うのが一番良いのではないかなぁと思いました。
今回サウンドサンプルは面倒なので公式から引っ張ってきました。だって凄い出来良いんだもん。
とりあえずドスっとFatにしたいなぁみたいな時とかも使えるのかなーとも思うけど1167系の様なPunchy!という感じでは決してないよね。
60年代に使われ始めたからその時代の音でしか使えないって事は全然無いと思うけど、どうしてもアコースティック感というかVintage Vibeって呼ばれる類の物に近づく事は確か。
ただサウンドサンプルのElectro Punch Wetからも分かるようにドスっとした重さをマスターで出したのとかには全然使えて、これって別に古い音でもなんでも無いよなっていう。
だから今でも使われてるんでしょうね、Fairchild。
Fairchildのようにほとんどリダクション無しに各パートをまとめ上げる力は、他の機種では得られない。また、Fairchildの真空管とトランスを経由した信号は、一段と立体感が加わる。
立体感、そうだよなーーって感じです。分かりやすく潰してる感じが本当に無いので。
ただNEOLDに関してはローエンドを含んだソースでもしっかりFilterで逃してやれば潰れることは無いよって感じです。良いアップデートですね。
結局凄く分かりやすい
今回サンプルをそのまま持ってきたのは、このサウンドにすぐに持って行けるなーという実感があったから。大分セッティングを弄らないとこうにはならないっていうのであれば自分でセットした数値とかをスクショで貼ったんだろうけど、本当にどれだけ突っ込むかと、リリース感のコントロールをするだけなんですよね。マジで楽。
で、こういうアナログ機材が凄いのってこういう音楽的な効果を少ないノブで実現出来るという事で、デジタルでやろうとするとまだまだ難しい所がある。ただ、このプラグインもそうなんだけど、ここ数年のアナログエミュレーションプラグインは相当にアナログ実機の挙動を正確に、そして使いやすくキャプチャーしているらしい。
僕はアナログエミュレーション黎明期をリアルタイムで知らないので何とも言えないのだけど、コンソールプラグインでも明らかに4000EとかNに比べて9000JとかLindell 80の方が良いし、Wavesバンドルに居る古代兵器と比べても明らかにしっかりと音楽的な変化が表れているんですよね。
なので、アナログエミュレーション的なITBスタイルはこれからもっと学びやすくなっていくんじゃなかろうか、なんて事を考えました。
あとPAはいつも軽いよね。それが素晴らしい。
今回実感したんだけどSD3がやたら音が良いとされてるのってこういうコンプが頭から入っていてRMS上がってるからなんじゃねぇのって思ったり…そういう事を感じた。
いずれにせよ戦力になるんじゃなかろうか、という感じです。
今後アナログ系のプラグインを使って行きたい人の参考になれば幸いです。
PAのサブスクはイイゾ。

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