報告:First EP"Duality"リリースしました

知っておきたいバンドレコーディングの流れ、進め方

今回は一般的なバンドレコーディングの進め方を解説していきたいと思います。
長時間スタジオをロックアウトするような潤沢なレコーディングではなく、6時間パックや8時間パックでスタジオでレコーディングするような一般的なインディーズバンドが経験するであろうレコーディングの流れや注意したい所を解説します。






レコーディング前はしっかりプリプロをする事

良いレコーディングをする為にはしっかりと準備をしておく事です。例えばギターソロの時のバッキングはどうするのか、イントロの入りは?、コーラスはどの程度入れる?



普段バンドで練習している時では気付かない事、そして決め切らない事を音源化するにあたっては決める必要があります。エンジニアさんは基本的に曲の内容に関しては口出ししない方が多いように思います。デモ音源をしっかり作り込めるのが一番ですが、バンドでの話合いでも良いのでしっかりとバンドの方でどこにどんな音を入れるか練ってから行きましょう。

エンジニアさんに参考音源を渡す

エンジニアさんにどんな音にして欲しいのか、前もって打ち合わせ出来るならする事。そうでないなら、当日挨拶をする時に参考音源と共にしっかり言葉で伝えましょう。初めてのレコーディングであれば、具体的にサウンドが分かっていない事もあるかと思います。そういう時は複数の参考音源で、こういう所を取り入れたいといった意見を伝えられるとスムーズに行くかと思います。

ドラムのセッティングは時間がかかる

一般的なバンド編成であれば、マルチマイキングする楽器はドラムだけでしょう。ドラムセットを組んで(調整して)マイキングし、プリアンプの調整…等々をエンジニアさんがする、といった所がこの段階でやる事です。ドラマーはなるべく早く自分が叩きやすいセッティングを組みましょう。


特殊なセッティングに関しては、この位置にキットを置いてよいかエンジニアさんに相談しつつやると良いでしょう。特にスプラッシュの位置などは埋もれてしまいがちなので要相談です。


ドラムのセッティングをして録り始めるまでに最低でも一時間は見積もっておくべきです。(撤収にまた一時間弱かかります)


基本的には一人ずつ録っていく

準備が出来たらドラム→ベース→ギター→ボーカルの順で録っていきます。ここはバンドの方針との兼ね合いもありますが、例えば一発録りで全パート一気に録る事でバンドの一体感を出したり、リズム隊だけ一緒にスタジオに入って同時に録る事もあります。
ここはバンドの方針によって変わって来る所でしょう。


全体を録ってから気になる所をパンチインパンチアウト

最初からトラックシート(どこで何を録るかが明確に決められているリスト)が無い限り、一曲通して曲を録りプレイバックし、気になる部分だけ別録りしていくのが基本的な流れです。基本演奏をジャッジするのはバンド側ですので、プレイヤー個人に裁量を任せるのか、バンドで一番サウンドを見れてるメンバーが指示を出すのか決めておくとスムーズです。

演奏をし終えたらトークバックと言ってエンジニアさんからの声がヘッドホンに流れてくるので、明らかにやらかしたなーと思えばすぐにもう一回、確認したければプレイバックといった形が良いかと思います。

基本的に一曲一時間で1パート録っていくつもりが良いかと思いますが、これが非常に短い…やり直ししまくってるのあっという間に時間が無くなっていくのでしっかり練習してからレコーディングに臨みましょう。

実際に一人一時間~一時間半で録るのが集中力的にも良いラインでもあり、目安にしておくと良いのでは無いでしょうか。サウンド自体をエンジニアさんと相談しながら詰めていく場合にはその限りではありません。


修正、ミキシング、リアンプ、マスタリング

ここからは手を動かすのはバンドメンバーではなくエンジニアさんの作業になります。ドラムのタイミング修正であったり、ボーカルのピッチ補正、コーラスの生成etc…。

ただこれもどこまで追い込むの??というのと予算は常にくっついて回ります。基本一緒に作業する場合ならこれをここまでやるとこれぐらい時間かかるけど良い??というのはエンジニアさんから聞いて貰えるかとは思いますが…。修正しないで済むならそれに越した事は無いのでしっかり練習(以下略)。

また録った音が気に入らなかった場合、アンプのセッティングをやり直して録りなおすという方法もあります。ここも要相談な部分です。もし家でしっかりとしたドライシグナルの収録が可能であれば弦楽器の収録を自宅でやってしまって、スタジオにデータを持ち込んでリアンプして貰うというのも1つの手ではあります。(逆に言うとマイクを使う物はスタジオでエンジニアさんについて貰ってやるのが大事です。)

ミキシング、マスターアップまで通して大体2時間~4時間。物にもよりますが…基本は調整の部分に入る後半二時間に立ち会いをお願いされる事が多いですね。(下準備諸々は待機していてもしょうがない事が多いので)

ミックス全体が立ち上がってきたら、もう少しベースを出してほしいだとか、もう少しパンチがボーカルに欲しいだとか要望を伝えていきましょう。初めてのレコーディングだとしっくり来ていないのに何が悪いのかわからなくて伝えられない事も多々あるので注意…。ここは慣れの部分もありますが。



まとめ:レコーディングは一曲8時間~10時間は見ておこう

どこにどれだけ時間をかけるかというのは、バンドとエンジニアさんの進め方によって大きく変わってくる部分です。一概にどうとは言えませんが、大体このような流れでレコーディングを進めていった場合トータルで8時間、サウンドエディットがキツめなら10時間ぐらいが目安でしょう。

またレコーディングとミキシングエンジニアが別の場合はデータの引継ぎや整理に時間がかかるのもう少し見積もった方が良いでしょう。

ドラムセッティング、レコーディング、撤収3時間
ベースレコーディング1時間
ギターレコーディング1時間
ボーカルレコーディング1時間
ミキシング~マスタリングで2時間~4時間

というのが大まかな概算です。ギターが二人の場合は一時間で収まらない事が多いですね。決して安いとは言えないレコーディング費用、特にバンド活動の序盤においてはその音源が名刺になる事も多いかと思います。初めてのレコーディングは色々と分からない事があり、力が出し切れない事もあるかと思いますが、しっかり準備して良い作品を作りましょう。





コメント