報告:First EP"Duality"リリースしました

Plugin alliance bx_condole SSL 4000E レビュー

プラグインのレビューです。

本来僕はこのアナログモデリング系のプラグインについてはあまり明るくないので、既に様々なコンソール系のプラグインを使っている方にはあまり参考にならないかもしれません。

しかしながらbx_consoleのSSLは他社製品には無い様々な機能が搭載されていたり、また初めてアナログ系を導入してみようかな、といった方に紹介出来ればと思いレビューを書きました。


特にロック系の音楽を作られている方にはお薦めしたいプラグインです。




どういうプラグインか

大雑把に言うと、DAWが一般的になるより遥か昔、70年代にスタジオを席捲したSolid State Logicというメーカーのコンソールがありました。

コンソールとは1ch毎にミキシング処理で使うモジュールが備わっております。これの事をチャンネルストリップと言います。

そしてこのbx_console SSL 4000 Eはそのチャンネルストリップを必要チャンネル数(つまりインスタンス毎に)呼び出して使えるプラグインです。

機能としては左上からハイパスローパスフィルター、コンプ、ゲートエキスパンダー、中断上から4バンドEQ、そして右側にレベリング、メーター類となります。

つまり一般的な処理は全てこの一台で出来る、という事になります。

さて、普通の処理をするだけならば個別のプラグインをそれぞれ使えば良いでは無いか、となりますが、アナログエミュレーション系の良い事はこれを通すだけで聞き覚えのある、音楽的な音になるというのが最大の特徴です。

音の傾向

凄いロック寄りの太さが出る様に思います。(デモれるので気になる方は是非ご確認を)
とくにミッドからローにかけての所が図太くなりながらシャキっとするような感じもでます。

音の雰囲気が少し足りないな…という悩みを持っている人は目指してる音が出てるレコードが収録されたコンソール(SSLだったりNeveだったり)を買うというのは1つ手っ取り早い選択肢の様に思います。

コンプやゲートも破綻しないような範囲で動いてくれるので非常に助かります。

Brainworx特有の機能

SSLのモデリングはWavesを初め様々なディベロッパーから出ています。
今回紹介したBrainworxにはヴィンテージコンソールを再現するだけでなく、ハイブリッドな形での復活という事がマニュアルにも書かれています。

TMT

まず一つ目はTMT。普通のコンソール系のプラグインだとモノラルであればそのコンソールの1チャンネル、ステレオなら2チャンネルになるのですが、このプラグインは72チャンネルを再現しています。72チャンネルアナログの素子があるという事は、それぞれのチャンネルによって癖が違うという事になります。

このブログでも検証されていますが、EQの効きや歪み量だけでなくコンプ等の動作もチャンネルによって違うようです。

これが何故良いのか。完全に実感として掴めている訳ではありませんが、デジタル領域においてステレオトラックにすると二つのモノラルデータが完全に均一に扱われる訳です。
これは本来精神衛生上良いはずなのですが…。

ただギターのバッキングをダブリングする事の意味を考えると、ステレオで左右違う情報が流れていると広がりと認識する、というのが人間の耳です。

実機コンソールでのミキシングは行った事がありませんが、立体感を得る事が出来るという点でこのTMT機能は優秀なのでは無いでしょうか。勿論お気に入りの一本を見つけるのも自由です笑

公式ではこの効果の事をビッグコンソールサウンドと呼んでいます。
また逆にゲートなど、ステレオ両方を均一に処理したい時はデジタルモードを選ぶ事で、ステレオ内においては均一に作動するようにすることが可能です。

THDツマミ

非常に小さなツマミですが恐らく最も強力なツマミです。THDツマミは色鮮やかなサチュレーションと密度を出すと説明書に書いてあります。



このTHDツマミを絞り切っておくとEQ自体もデジタルEQとあまり変わらない挙動になります。このTHDツマミを捻っておくと通すだけで音が変わる!となります。

bx_console SSL 4000 Eにおいてはこの設定が大きな肝になるように感じますが、それにしてはツマミが小さすぎないか??と思いますね。

説明書のTipsにもTHDをガッツリかけるとドラムやギターやボーカルのサウンドをよりラフにすることが出来て、様々なスタイルにマッチするよ~という事が書いてあります。

個人的にはシンセのピアノだったり、ソフトシンセにも凄く使えます。

Vgain

アナログっぽいノイズ量を増やすツマミ。個人的にTHDで調整する方が良いですがコンソールっぽさが確かに足されるように感じます。使う時にはチャンネルのゲートを使いながらやりましょう。



まとめ

アナログエミュレーション系のプラグインは沼の1つではあります。ただこのようなコンソール系のプラグインはあると、途端に音に説得力が付加されていきます。

正直なんでもっと早く買わなかったのか…と思うほどではあります。
PAは最近持ってけ泥棒セールを頻繁にやるのでまたチャンスはあるかと思いますが、アナログ系を買おうかなあと迷っていた方には是非買って頂きたい製品ではあります。

THDツマミとTMTツマミでコンソール度合いを変えられるというのは大きいですね。
僕はフォロワーさんから伝え聞いて居たので知っていましたが、ここを知らずにデモるとあれ??となる事もあるかもしれません。ちゃんとマニュアルは読みましょうね。

使い方に関してはまた詳しい記事を書こうと思います。

セールは一旦6/30までです(カルフォルニア時間)。日本なら7月に入ってもちょっと大丈夫かな。ではでは。



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