報告:First EP"Duality"リリースしました

Wavesのバンドルは買うべき?DTM入門者の悩み

今回はWavesバンドルのお話です。
よく言うDTM始める時にWavesって買った方が良いんですか??という話。

えー私は二年半ほど前にCubaseのPro導入と同時にWaves Goldを買いました。
二万円で。
今もっと安く買えますね。一万円とか。

という事で今回はWavesのバンドルはDTM入門に必要か??という話をしてみたいと思います。

結論から言うと、買って損する事はそんなに無いです。がそれで全てが完結するとかそういう事は考えない方が良いです。


業界標準という売り文句vs時代遅れの誹り

さて、とWavesプラグインは多くが20年以上前に開発された物です。Waves Goldは今や一万円でSSLコレクションまで付いてくる投げ売りっぷりですが。大昔は10万円が当たり前の時代でした。全部入りのマーキュリーで40万オーバー。

実際に他のディベロッパーに対して圧倒的に優位に立っていた、そして様々なスタジオに導入されていった為業界標準という名前が冠されるようになります。

ここで業界標準ってどういう事なの…って話です。始めたばかりのころ、素人の頃、業界標準という言葉に魅力を感じますよね。これを買っておけば間違いないみたいな。

僕は業界人では無いので殆ど憶測で言います。
実際にクソプラグインでない事は正しいんですけど、業界標準というのはとりあえずそれ入れとけば互換性的な問題で文句を言われないよね、的な話でもある訳です。最近滅茶苦茶disられてるSONYのMDR900STと一緒です。安牌的な発想。

欠点はあるんだけど、それなりに仕事はしてくれるし、とりあえずコレを置いておけばエンジニアさん困らないよね…っていう。

逆に言うと、個人スタジオだったりベッドルームスタジオにおいてそれ(だけ)をチョイスする、お薦めする物では無いと思うのです。

バンドルで完結する事はDTMでは(ほぼ)無い

無いです。間違いなく。Kompleteもそう。とりあえず他社に噛みつく前にWavesの話をしましょうか。

30個とかのプラグインバンドル、時が進むにつれて間違いなく大多数使わなくなっていきます。これは間違いない。

Wavesのバンドルを買おうって時点でそれなりに気合を入れようって人達だと思うので、Mix Masterについて造詣が深くなればなるほど、色んなプラグインにおいて好みが出てくると思います。EDMやるならソーセージファットナーとかね。ジャンルによる定番物も沢山あります。

結局の所プラグインを死ぬほど持っていても、使わないプラグインを使うか使わないかで迷ったり試したりって言うのは結構無駄な時間です。

ただ、序盤の走り出しで、この動画のこのプラグインのかけ方をしたいんだけどプラグインが無い、でも今後使うかどうかもいまいち分からない、じゃあ無料のプラグインを探すか…

この無料のプラグインを探す時間、非常に勿体ない。勿体ないばかりか、色んなディベロッパーのプラグインが増えるほどオーサライズも面倒だしクラッシュを起こす原因にもなってきます。だから、あればあるほど良いと言う話でも無いんです。

そんな中でWavesのバンドルを買う事で、一通りまともに効いてくれるエフェクトが揃うというのは初期モチベーションを保つという意味でも大事な事かもしれません。

とりあえず手持ちでまともに動くプラグインがあるというのは存外大事な事です。
バンドルされて沢山入っているからお得!という思考はあまりよろしくないように思います。

具体的にどれは使うのか

それじゃあある程度から先に行ったらWavesは全滅するのかよ!!と思うかもしれませんが、少なくともいくつかは絶対に残ります。

という事で実際に僕の使用歴を見て行きましょう。読み飛ばしてどうぞまずはGoldから

AudioTrack C1とQシリーズのチャンネルストリップ、個別で挿すので使った事無い
C1 Compressor 序盤それなりに使った、今でも素直に効くので割と使う
C4 Multiband Compressor まあまあ使う
DeEsser 歌ものが今まで少なかったので必要な時は使ってる
Doppler 飛び道具過ぎて使わない
Doubler ダブラー使うならDelay使うかダブルトラッキングするので使わない
Eddie Kramer Drum Channel 僕のGoldに入ってないけどあったら便利(多分)
Electric Grand 80 Piano エレピ音源持ってないならどうぞ
eMo F2 Filter eMoシリーズは僕のは追加されていないので割愛
eMo Generator
 eMo Q4 Equalizer
 Enigma 飛び道具、使わない
 GTR3 Amps まともなアンプシミュレーターを持っていればまず使わない
GTR3 Stomps 同上
 GTR3 ToolRack ギター後掛けエフェクト探しにたまに起動する
GTR3 Tuner ハードでチューニング合わせるので使わない
H-Comp Hybrid Compressor ドラムその他諸々で使うし今後も使う
H-Delay Hybrid Delay ディレイのファーストチョイスなので使う
IR-L Convolution Reverb 使った事無い
L1 Ultramaximizer よくお世話になっております。マスターじゃなくてバストラックに
MaxxBass たまによく使う
MetaFlanger 飛び道具、持っておいて損は無いだろうが試し以外で使った事無い
MondoMod 変態飛び道具
MV2 下処理に良いらしい上位版ではMaxx Volumeがあるのでそっち
PAZ Analyzer 良くお世話になりました。アナライザーは今はFabの方使ってます。
PS22 Stereo Maker モノラルをステレオ化したいと思った事がない
Q10 Equalizer 素直に効くEQでQもキツイのがかけられます、昔よく使ってた
Renaissance Axx 弦楽器にザクっとかけるのにはまぁ便利
Renaissance Compressor パラメーター少ないのでとりあえず潰すのに便利
Renaissance Equalizer 昔使ってたけど今は使ってない
Renaissance Reverb 最近何故か使い始めた
S1 Stereo Imager イメージャーは良く使う
Sibilance 持ってない
SuperTap 良く起動するけど普通のDelayで良いやってなって閉じる
TrueVerb 今全く使わない人もいるらしいけど、スネアのリバーブに個人的に良いです
UltraPitch DAW側でコーラス錬成するかなぁ…使わないです
V-Comp たまに使うけどすぐFPGAプラグインに行く
V-EQ3 同上
V-EQ4 同上
Vitamin Sonic Enhancer 一時期使ってたけど最近はサチュレートプラグイン使ってる
VU Meter 持ってない
Waves Tune LT DAW側で補正するし多分メロダイン買う

まぁこんな感じです。半分は全く使ってないですね。今後とも使いたい!と思うのはHCompHdelay、リバーブ二種類、ステレオイメージャー、たまにPazアナライザー、C1、Maxxbass辺りかなぁ。
今大体一個単品買いするなら3000円前後なので充分に二万円で元はとれてるんですよね。

Goldは今なら一万円なので余裕で元取れます。

どうせなら中盤以降も役に立つプラグインを


さて、ここで何を買うかです。
Wavesのバンドルを買おうって人ですからプラグインの初期投資に2万円~4万円ぐらいは出そうかなぁという人達だと思います。
そうなるとWaves Gold


Waves Platinum

Waves Horizon

Wavesであればここら辺が視野に入って来るかと思います。

GoldからHorizonやPlatinumに上げると、1つのノブで良い感じにしてくれる系のOne knobシリーズとか、リミッターの完成版L3とか、Vocal lider Bass liderというレベル管理がシビアな二パートをサクッと処理してくれるのとか、慣れてくるとお世話になるテープシミュだったりとか。

あとはVCompもそうなんですけどCLAシリーズとかPuigtechとかのアナログシミュですね。アナログシミュのエフェクトも最初は意味が分からないと思うんですけど、後々探す旅に出やすい部類なので欲しくなった時に手元にあるというのは比較の為にも良いと思います。

うん自分もHorizon欲しくなってきましたね。多分買わないけど。買うならHorizon一択ですね、多分。

Silverとかルネッサンスバンドルとかは流石に全員戦力外の可能性があるのでやめておいた方が良いでしょう。Diamondはノイズ除去系なので劣悪な環境でガンガン録音していくぞという強い意志が無い限りHorizonの方が良いでしょう。というか別途でizotopeのRX7等を買った方が良い。

Waves以外のバンドルを買うという選択肢

結局EQだったりコンプだったりを別の物にしてしまうなら最初から即戦力を買って来ても良いんじゃない?という考える方。一理あります。

まずどう考えても全員使えるという稀有なバンドルFab filterのPro Bundle
リバーブ、EQ、リミッター、ゲート、マルチバンドコンプレッサー、コンプ、ディエッサーこの七つで9万円!学生なら7万円!


一個一個が二万五千円ぐらいするし、買う価値はあると思います。
僕はEQは殆どこれしか使わないし。ゲートもコンプも凄く欲しい。ただちょっと高過ぎますね。本気でプロになりたいならこれでひたすら修行するのも1つの手なのですが。Wavesの様にいきなりフランジャーが欲しくなったとか、とりあえずそんな良く無くても良いからアンプシミュレーターが欲しいとか、そういう時に対処できません。まぁそういうのはDAW付属のプラグインでやれば良いっちゃ良いんすけど。

もう一つはizotopeのO8N2を買うという選択肢。もしくはMusic production suite。


これは自動処理(AI)の部分が大げさに取り上げられ過ぎて見られていない部分でもありますが、Neutronは基本的なミキシングにおける処理に必要なモジュールを全て兼ね備えている、俗に言うチャンネルストリップってやつなんですね。

ただ、もし最初にWavesの代わりに買うのであれば必ずアドバンスをお薦めします。
なぜかというとエフェクトユニット毎に立ち上げられるのはスタンダードでは無理だからです。ガシガシチャンストとして立ち上げまくるとマシンが悲鳴を上げます。

マスタリングに関しては最初はAIぶん投げでもいい感じにしてくれるので、(マスタリングはあくまでも補正なので)創作スピードも速くなって良いかもしれません。

ただこういったバンドル、飛び道具がありません。飛び道具は使わない時は一切使わないし、何か飛ばしたいなら使うだろうしって感じなので、まぁ困ったらあれがあるという安心感はWaves特有の物です。EnigmaとかFlangerとかそこら辺ですね。


まとめ

今買うならHorizonじゃないですか??笑
それかPlatinumとO8N2のセット。でもニュートロンはUI慣れないとちょっと面倒で全部トラックアシスタントに任せてしまう可能性もあるので一長一短というか…izotopeのUIは分かりやすいけど他のプラグインには無い感じですからね。

Wavesのザクっとした特徴として音質がややクリアでは無いというか、16bit時代の物が多いのでデジタルの中でもややアナログ感がするというか、ザラついた感じがします。それの良し悪しは置いておいてという所ですけど。

という事でWavesのバンドルはDTM入門に薦められるかという問いに関しては7:3ぐらいの割合で薦められるというのが僕の答えです。

変にあれも無いこれも無いってプラグインフリークになるぐらいならミックスやアレンジの勉強した方が良いですからね。(プラグインフリークが趣味ならそれでも構いませんが)

という事で、参考にして頂ければと思います。

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