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今回レビューするのはBOSSから出ているハイエンドギタープロセッサーGT1000です。2018年4月に発売されて丁度1年ぐらいでしょうか。
アップデート自体も何度か行われて、製品としても成熟してきた良いタイミングかと思います。
このレビューでは同価格帯のHelix LTや上位帯のAxeやKemperなどとも比較しながら、サウンドや機能について深く掘り下げて行ければと思います。それでは!
アップデート自体も何度か行われて、製品としても成熟してきた良いタイミングかと思います。
このレビューでは同価格帯のHelix LTや上位帯のAxeやKemperなどとも比較しながら、サウンドや機能について深く掘り下げて行ければと思います。それでは!
ハードウェア
当ブログでは定番となったハードウェア面から見て行きましょう。フットスイッチはパッチ切り替え用に5つのフットスイッチ。そしてバンク切り替え用のフットスイッチ2つ。
各種コントロール用にCTLが3つ搭載されています。
上部白黒の液晶に6つのプッシュスイッチ付きのノブ。こちらで基本的なエディットが出来ます。そしてRoland製品お得意のPAGEスイッチ。これでページ送りをして各パラメータを漁って行く感じになります。
あとはEXPペダルと、パッチ名が表示されるモードからエフェクトルーティングを操作するモードに遷移するEFFECT、ユーティリティ系がまとめられているMENU、そしてWRITEです。
前面はざっとこんな感じ。実際に触ってみると分かりますが、下位機種のGT1よりボタンが少ない(フットスイッチは勿論多いですが)のに、必要な物をしっかりまとめてきたという感じで、お前本当にRoland製品か???と思うようなユーザーインターフェースです。(後述)
背面に行きましょう。
まずインプットはアナログ一系統、メインアウトが1つ、ヘッドフォン端子、センドリターンが2系統。GTを中心としたシステムも組みやすいですね。
そしてSUB Outとしてキャノンでステレオ、コントロール増設用の端子が2つ、そしてアンプのコントロール信号が出せる端子、USB端子、そしてMIDIインアウト。
本当に必要な物だけ、痒い所に手が届く設計になっています。驚くほど合理的。MIDIがちょっと要らないかな??と思ったりもしますけど、フットスイッチとして色んな物と組み合わせて使いたいという欲求にも応えてくれる仕様です。
これだけの端子を備えていて、高機能マルチの中では相当に軽くて小さいんですよね。
そしてその小ささが、操作の邪魔にならない余裕は持たせてあるという…凄く良く考えれていると思います。
Helixはスイッチ自体が光りますが、GT1000ではスイッチ上部がエフェクトの種類に合わせて光るようになっています。これも視認性抜群です。
ざっくり操作方法
エディット画面はこんな感じです。使えるエフェクトモジュールは全て呼び出してあり、それをオンオフしたりルーティングしたりしてくれというスタイルです。
6番ノブで操作したいエフェクトを選び、残りのノブでパラメータ変更、オンオフやモードの切り替えはノブの押し込みで変更、Pageが複数ある場合は液晶下部にページ送りの点が表示されます。
ここの操作性に関してはBOSSに慣れ親しんだ人なら余裕…というか歴代最強の操作のしやすさに驚くかと思います。エディットの為にフットスイッチ押す必要も無いですしね。あれ手で押すの凄く疲れるじゃないですか笑
驚くのはPCエディターの方です。
正直な話Axeエディター等々に慣れている方々にとっては、エディターは使いやすくて当たり前だろうという気持ちがあるかもしれませんが…。。
ここ最近のKATANAHEAD等でのエディター制作で培った物をしっかりまとめてきたなという感じです。
エフェクトモジュールは全て出ているので、掴んで動かすだけ。ちなみに、分岐するポイントとミックスするポイントもモジュールとして捉えられているのも非常にポイントが高いです。
モジュールをクリックしたら下にパラメータが表れて、もう一度クリックしたらオフになるという本当にそれだけですね。勿論モジュール毎の設定のみを保存するSTOMPBOX機能も搭載されています。
あとエディターで無視されがちな、ハードウェアのスイッチ設定も一挙にまとめられています。
本当に一望出来る設定。パッチ毎に変えたくないパラメータはここで固定出来ます。
ちなみに…このエディタースマホにもあります。優秀。ほんとにその本気どこに隠してたんだよRoland。
という事でみなさん買ったらエディター入れるのはマストです。
サウンドとかのインプレッション
はい、本題です。
一言で言うとGT100が10倍音が良くなったのがGT1000です。
ここ笑う所ですよ。
さて冗談は置いておいて、BOSSの出音にまとまりながら全てのアンプモジュールが非常に使えるサウンドになっています。でもBOSSの音です。最早安心感すら抱けてくるほどにBOSSの音。
さて冗談は置いておいて、BOSSの出音にまとまりながら全てのアンプモジュールが非常に使えるサウンドになっています。でもBOSSの音です。最早安心感すら抱けてくるほどにBOSSの音。
だけど全てが使える音になっているんですよね。本当に使えるハードウェア、使えるモデリングだけを載せた感じです。
まずアンプの方ですが、BOSSオリジナルっぽい表記になっているX-Higainとかのモデルが結構優秀です。割とすぐに使える音です。
トーンの効きが非常に良く、トーン同士の干渉も実機より薄いけど確実にある感じなので凄く扱いやすいと思います。
アンプ単体の出音の傾向としては少し味付けが薄いようにも感じました。バッキングではそのまま出せる感じですが、リードになると少し物足りない時があるかもしれません。その時は後述のデュアルアンプやODの足し算で音を追い込んで行くと良いかと思います。
またクリーンは味付けが薄い分綺麗に癖無く出てくれるので、クリーン主体の音楽をやってる方のライブセットには凄くお勧めできます。
アンプ単体の出音の傾向としては少し味付けが薄いようにも感じました。バッキングではそのまま出せる感じですが、リードになると少し物足りない時があるかもしれません。その時は後述のデュアルアンプやODの足し算で音を追い込んで行くと良いかと思います。
またクリーンは味付けが薄い分綺麗に癖無く出てくれるので、クリーン主体の音楽をやってる方のライブセットには凄くお勧めできます。
個人的にアンプモデリングでお薦めなのはレクチのモデリングです。
エフェクト部分
エフェクト全般に関してですが、非常に効きが良くサウンドも良いので好印象でした。
コンプに関しては正直今まで触ったマルチの中で一番効きが良いと感じます。
EQでの追い込みも-1dbするだけで顕著に差が出てくるので、ポイントを探るのも簡単かなと思います。EQセクションに関しては、パライコが4バンドなのですが、センター周波数設定出来るのが2バンドだけで、周波数自体も飛び飛びである所だけはちょっとなと思うのですが。Q設定出来るし、しっかり削れてくれるしで変に連続値で設定出来るより良いのかなぁと思ったりもしました。
演奏性は抜群で、デジタルはレスポンスがなぁ…と言う時代では無くなったなぁとしみじみ感じました。ボリュームへの追随やピッキングへの追従も良い感じです。
後は空間系が図抜けて良いなと感じました。DDシリーズ売れてるんだからそら空間系良いのは当たり前だろ!っと言われてしまいそうですが、本当に嫌味なく自然でかつ存在感のある空間系で流石という感じです。ここら辺は96Khzで処理しているのも影響しているのだろうか…
便利な機能の紹介
まずはデュアルアンプ。便利な機能というか…GT1000の特色ですが、音の味がやや薄いと感じる時があります。後は無いモデリングの音を再現したい時とか、そう言った時に過去のマルチエフェクターだとデュアルアンプにして弄って…沼に入って…みたいな事があったんですけども。凄く素直に混ざってくれます。ピッキングニュアンスにもしっかり反応してくれる。
なのでデュアルアンプでの追い込みが非常にやりやすいです。この追い込み方は抵抗ある方も多いと思うのですが、おすすめのエディット方法です。
またメインアウトとサブアウトでキャビネットの有無だけでなく、キャビネット自体も変えられるのも便利です。勿論IRローダーは搭載されています。
地味に便利ありがたかったのが、アンプモデルを変更してもパラメータが変更されない事。今クランチサウンドを作ってるのになぁ…という時に極端にハイゲインになったりする機種が存在する中で、全アンプモデリングのパラメータを統一する事でエディットのスピード感も増しています。
地味に便利ありがたかったのが、アンプモデルを変更してもパラメータが変更されない事。今クランチサウンドを作ってるのになぁ…という時に極端にハイゲインになったりする機種が存在する中で、全アンプモデリングのパラメータを統一する事でエディットのスピード感も増しています。
また他の機種に無い物として、アンプのリターンやインに挿した場合に出力を最適化する機能。これ自体は以前のGTシリーズから存在していましたが、今回アップデートでBOSS、Roland製品のアンプ以外にMarshall等のリターンに最適化されたセッティングが追加されました。
勿論家でのRecording設定と分離出来て便利です。
またどこにでも配置出来るセンドリターンが二つ、アンプのコントロール機能もついているので大規模なシステムの基幹としても期待出来ます。
またどこにでも配置出来るセンドリターンが二つ、アンプのコントロール機能もついているので大規模なシステムの基幹としても期待出来ます。
まとめ
ギターマルチにおいてありがちな、使えるモジュールと使えないモジュールがハッキリしていて最初はその選別から始めないといけない…という事が一切無く、また楽器としてのレスポンスも非常に良いのがGT1000です。(GE-200は非常に良くアンプをプロファイルしましたが、レスポンスの面で少し癖がありましたし、Helixは鳴らすのが非常に難しい)
その代わりアンプの生生しさがやや物足りないというか、特徴は良く捉えているのですが良くも悪くもBOSSナイズドされた音になっているという感じです。
このBOSSらしさを良しとするか悪しとするかは本当に好み次第なのでは無いかなぁと。
このレビューを書いている途中にバージョン3にアップデートされ、ベースへの対応が決まりました。このようなアクティブさは非常に評価したい点です。
またUI面、デザイン面では非常に進化しているな…と思います。
触り始めて2~3時間で殆ど思い通りのエディットが出来るようになったので、デジタルシステムが苦手な人でもおすすめ出来るのでは無いかなと思います。
総評としてはBOSSは非常に上手い所を突いてきた製品を出したんだなと。絶妙な大きさ、軽量設計でシステムを拡大させる余地を持たせながらサウンドクオリティはしっかり確保。GTシリーズらしい良い製品だなと感じます。この製品が刺さる人は世の中にもっと居るんじゃないかと感じます。
是非このレビューを基に楽器屋さんで一度触ってみてください。目的に合った方であれば間違いなく大活躍する製品だと思います。
音作りのポイントやベース対応アップデートに関しては別途記事を書きたいと思います。
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