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パラレルコンプの使い方:ドラムをパワフルにしたい方に!

コンプをいじっている時、もっとバツっと潰してカッコいい音にしたいんだけど、やりすぎるとアタックが消えちゃうなぁ…とか。
どうやったらあんなパツパツのドラムになるんだ!とか

色んな事を考える方がいらっしゃると思うんですけども、その全てを解決する素晴らしい方法(大げさ)パラレルコンプについて今日は解説したいと思います。

ドラムに限らず、コンプのハードな音色と元の音のディティールを両立したい人には簡単でおすすめの(そしてアマチュアではあまり知られてない?)方法です。


パラレルコンプとは??

コンプと言えばインサートエフェクトとして使うエフェクトだという認識が一般的です。これを今回センドリターンのループで使おうという物です。
ニューヨークコンプレッションという名称も持たれている様です。

センドリターンでコンプを使う事によって、Dryルートの方にはオリジナルの音のトランジェントとダイナミクスが残っている事だ大きなメリットになります。逆に言うならば、コンプのセンド側にはどれだけガッツリかけても音楽的に破綻しないとも言えます。

簡単に言うならばコンプで処理しない音、そして物凄くコンプでぶっ潰した音を混ぜて良い所を取ろうという事です。

パラレルコンプは、コンプによる望まれない副作用を減らしてくれます。特にドラムや音程のあるパーカッション、ピアノ、アコギの様なトランジェントが豊富な楽器ではパラレルコンプレッションは非常に良いプロセスとなり得ます。

個々のHitや音に対してサステインを持ち上げたい時、コンプではアタックの設定をファストにして頭から削る事になりますが、上記の楽器群ではあまりアタックを潰す事は良しとされていません。アタックが削れるならまだしも、パフォーマンスのニュアンスがぐちゃぐちゃになる事も考え得ることが出来ます。

パラレルコンプのルーティング

パラレルコンプの使い方としては、コンプエフェクトのFXチャンネルを立ち上げてそこに向けてポストフェーダ―でセンドするのが良いでしょう。センドで送れば元の音量に応じてコンプの音量も増えていく寸法です。


ドラム音源によっては既にこのルーティングで組まれている場合もありますね。

もう一つは最初からDryのトラックとWetのトラックに分けてBusでまとめる方法。歪みとかもガリガリかけたい場合はこれの方が凄く分かりやすくて良いように感じます。

パラレルコンプで注意したい事

DryとWetチャンネル両方をフェーダーアップしたと考えましょう。コンプのDRYとWETのレベルを合わせるだけではなくトータルでミックスの中でのレベルも合わせないといけません。

でもし、何も考えずにフェーダーを上げると自然と音量が上がるので、どれだけダメなコンプ設定をしていても音が良く聴こえる可能性があります。

なのでしっかりグループチャンネルにまとめましょう。
ドラムでは一部キックやスネアまとめて一つのチャンネルに送ってしまう場合もあるようです。例えばこの動画…


正直な所自分もこの方法でやっていたのですが、バランスが取りにくいなぁというのが正直な感想です。同じフィーリングで潰せるという利点はあるのでしょうが…

この場合はキックだけバランスをとるときは、キックだけをオンにしてコンプチャンネルもキックだけ動作するようにする、そしてDrumBus等に返してそこでレベルを見てやると良いかもしれません。(個人的にはキックのレベルは見ないとミックス出来ないのでそうしています。)

またパラレルコンプの、コンプのみのサウンドで色々吟味するのも注意です。思い切って処理が出来るのがパラレルコンプの強みなので多少不気味な音になっていても気にせずいきましょう。問題は混ぜたときにどんな音がするかです。Wet側でサステインの補強をすると決めていれば極端な話アタックが全部削れていても大丈夫な訳です。


まとめ

パラレル処理に関してはコンプ以外でも使われる事があるようです。ベースのプリアンプとかだと原音をどれだけ残すかというBLENDノブがあるように、ベース関係では結構馴染みのある処理かもしれません。

いずれにせよパラレル処理は思い切った処理ができるので、アタックもサステインもある音が欲しい(支離滅裂)だったり、攻撃的に歪んでなおかつ低音が来てる音が欲しいとか、そういったある種欲張りな音を作る時に選択肢として頭に置いておくと便利かもしれません。

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