報告:First EP"Duality"リリースしました

ANOMALIE:カナダ発のキーボード革命児

今回はANOMALIEといカナダから現れた新星について語りたい…と思うのですが。
個人的にはこのセンス、才能、スキルに嫉妬するレベルで好きでございまして、この間の初来日が東京のみで行けなかった事が悔しいレベルです笑

Future funk的なサウンドを操る彼の音楽性に迫りたいと思います。


ANOMALIEというアーティスト

ANOMALIEはキーボードを操つるアーティストです。既存のキーボーディストの枠で捉えるのもなんだか腰が引けてしまうというか…

メタラー並みの前傾セッティングで、クラブの人間をノラせてフロアを支配する新しいキーボーディストの形を見せたアーティストです。

キーボーディストとして名を残す人は他の追随を許さないような独自のスタイルを確立させている物ですが、ANOMALIEはその一人として名が残りそうなそんな予感がします。


小さい頃からクラシック、そしてジャズの正規教養を受けているようで、なおかつその素地の上にこの独特のビートを持ちこむ、そして独特のタイム感で落とす感じ、センスの塊ですよね。

少しEPの曲が似たり寄ったりな感じがするのだけが気になる所ですかね。まぁそんなの新作出せば済む話なんですが。

このオシャレ凄テクエレクトロビート(恐ろしい造語だなおい)で有名なRob Araujoとタッグを組んでの楽曲もあります(そしてこれまたライブでやっています)




シグネチャートーン


これは最初の曲の完全バンド版ですね。Spectrasonicsと繋がりがあるようで(Spectrasonicsは良いデモ演奏を上げたミュージシャンを片っ端からデモンストレーターに起用しています)OmnisphereとKeyscapeの組み合わせて大体の音を出している事がうかがえます。

彼のトーンの特徴として、のっぺりとしてしまいがちなピアノ、コードトーンを様々なレイヤーで表情豊かに見せている事です。

恐らくですが、Keyscapeのピアノはリリースが短く艶感の割に使えないと職業作曲家の間ではそんな評価がされていますが、おそらくSpectrasonics側としてはエレピの再現性を第一に、そしてアコピに関してはOmnisphereの中でKeyscapeが使える仕様にした事からレイヤーとして主に使われるようにしているのではないかなと感じました。

つまりアタックはピアノに任せ、残りのサステインにワウやフィルターをかける感じですね。(このワウ感がファンク感を醸しだしているのかもしれません。)


シンセ音色に関してはやや遅れてやってくる、サイドチェインっぽい立ち上がりのする音色が多目ですね。これでどうやってグルーブをコントロール出来てるんだろう…本当に分からない。

自分で言うのもスゴク悔しいのですが、Takt×Uruss名義での初作品Erectriseに関しては当初非常にANOMALIEを意識してしまい、いっそのこと音色をコピーしてしまえと思ったのですが無理でしたね…非常に悔しい。結果的にブロステとフューチャーベースを基盤にする路線に舵を切れたのは良かったのですが。


アーティストとしての戦略

Twitterのプロフィールを見に行くとKeyboardist & Producerと言っているのもあり、そこそこ経験を積んだクリエイターなのではという所を感じるのですが。

彼の曲はどれも短めなのが一つ特徴。またEP METROPOLEに関してはフリーダウンロードにしていて、ダウンロードの代わりにメーリングリストに登録させてねという物。

Sound cloudやYoutubeでも多数の曲を聴けるようにしています。

また各種SNSでもしっかりと展開していて、彼のオフィシャルサイトからのアクセスも抜群に良いし、Facebook上にクローズドのオンラインコミュニティもある。

相当に良く考えられていますね。インディーミュージシャンはとても参考にするべきだと思いました。SoundSliceで楽譜もガンガン出版しています。

まとめ

既に北米のツアーではソールドアウトも多く出ていて、日本の初来日に関しても速攻ソールドアウトでした。新作で良いのを出せば一気にクるのかなぁとも思うし、逆にインディペンデントである事を維持した場合どこまで席捲できるのか気になるというのも一つ。

ただインディペンデントアーティストの売り上げがメジャーと同じ割合になったというニュースを見て、そしてANOMALIEの色んな戦略を見て、凄い物を作れば売れる時代になったんだなと感じました。

ANOMALIEに関しては戦略で売れた云々よりもそもそもの楽曲が素晴らしいのですが。個人的には一発目のライブ動画でノックアウトされているので…笑

ひょっとしたらキーボーディストの時代がこれから来るのかもしれない…と思わせられるアーティストです。


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