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日本の住環境においてはヘッドホンでモニタリングする機会というのは非常に多いかと思います。また駆け出しの時であったり、学生で金銭的に余裕が無い場合などもモニタースピーカーでのミックスが厳しい事も非常に多くあります。
部屋鳴りに関してはWavesのプラグインに名前が出てくる事で知ってる方も多いchris lord-alge氏も、
AKG スタジオモニターヘッドホン K240MKII 並行輸入品
青い方のSONY MDRも十分にパフォーマンスマンスを発揮してくれます。
SONY ステレオヘッドホン MDR-7506
ただ、特にAKGは顕著に感じると思うのですが低音が足りないなぁと思うのですが、そもそもドライバー的に低音の音量に関してはインチキ(言い方は酷いけど)しないと稼げないので、上記の注意点に気を付けて運用すれば余計な装飾が無い分しっかり仕事をしてくれるかなと思います。
そして更にこうも言っています。
お金よりも時間が大事である
結論から言うとヘッドホンを使ったミキシングは、スピーカーを使った時と同様に可能であると様々なエンジニアは答えていますが、様々な点に注意する必要がある事、またトップエンジニアがヘッドホンでミキシングをやらない理由を語ってくれています。
今回はヘッドホンとスピーカーの特性の違いに着目し、気を付けるべき点や、ヘッドホンを特に使った方が良い理由などを基におすすめのヘッドホンも併せて紹介できたらと思います。
ヘッドホンでのリスニングチェックは必須
そもそも、より多くのリスナーの再生環境を考えると、今日ではスマホやウォークマン(ウォークマンは大分は減ったかもしれない)によるリスニングが非常に多くなっています。日本のレコーディングスタジオでもデスクの上にipod付属のイヤホンが置いてある事は多々あります。
これはリスナーが大勢使用している環境で最終的にどのように聴こえるかのチェックの為に使われています。
これを踏まえた上で、メインのモニターをヘッドホンにするエンジニアは非常に少なく、あくまで作業はニアフィールドモニターで行われる事が非常に多いのは何故でしょうか。
これを踏まえた上で、メインのモニターをヘッドホンにするエンジニアは非常に少なく、あくまで作業はニアフィールドモニターで行われる事が非常に多いのは何故でしょうか。
ヘッドホンリスニングの特徴
ステレオイメージが広くなる
ヘッドホン(イヤホンも同様)左Chの音は左耳にしか入らないということ、逆にスピーカーは右側のスピーカーの音も左耳に入ってきますね。なのでスピーカーはリスニングポジションに対して、両スピーカーが正三角形になるように配置します。
これの意味する所はスピーカーのステレオイメージは60度のパノラマになるという事です。
逆にヘッドホンで聞くと左に完全に振られている音源は耳のすぐ隣で聴こえますよね。これを両サイドで考えると180°のステレオイメージがあると考えられます。
つまり良くも悪くも一つの音の分離がスピーカーよりも圧倒的に離れて聞こえてしまうという事を念頭においてミックスをする必要があります。
ステレオイメージが過度に広がるが良い方に働くか、悪い方に働くかはジャンルやミックスの仕方によるかと思います。(例えばラージアンサンブルの様な楽器数が多い物に関してはヘッドホンでギリギリ分離している状態だと、スピーカーだとダマダマになってしましますよね。)
ローの再生に圧倒的に弱い
ヘッドホンがよく20Hz~20kHz再生できますよ、とスペックシートに書かれている事が多いですね。しかしながらこれはあまり誠実ではない。
スピーカーに比べて圧倒的にドライバーが小さいのに忠実に低音が再生出来るはずが無いのです。
5インチドライバーでバスレフの力を使っても50Hzそこそこを頑張って再生出来ているという事実を考えると、低音重視であるヘッドホンやイヤホンは何かしらのまやかし(つまり原音に対して忠実では無い)を使っていると考えられます。(カナル型イヤホンが低音が膨らみがちな事等々の物理的な理由に関しては割愛)
この二点の弱点があるにも関わらず、ヘッドホンモニタリングにはスピーカーリスニングには持ちえない(特に我々のような小さな部屋でミックスをする人にとって)利点があります。
ヘッドホンモニタリングの利点
技術的なミスをいち早く発見出来る
ヘッドホンをして周りの音を遮断する事で、近所の交通の音だったり、PCのファンの音だったりを殆ど無視する事が出来る。これによって可能になるのが、デジタルクリップだったり、繋ぎのミスだったりといった技術的な問題にスピーカーより早く気付く事が出来ます。
また多くのデジタルクリップは左右で別のタイミングで発生するので、ヘッドホンであればLchかRchかすぐに特定する事が出来ます。
スタジオのエンジニアさんも、歌録りのみでお願いすると、最後にヘッドホンでつなぎ目のみ再生して確認、という風景が良く見られます。
これは裏を返すと過度に音楽的なディティールにフォーカスしてしまうという事にも捉えられます。
これは裏を返すと過度に音楽的なディティールにフォーカスしてしまうという事にも捉えられます。
部屋鳴りを無視できる
実はこれが一番大きな点で、スピーカーを一度置いてポン置きしているとそんなもんかなと思ってしまうのですが、色々とセッティングを変えると部屋鳴りによるモニタリング特性の大きな変化に驚かされるかと思います。
最近はこれに対して一律で補正をかけてやろう、という事でReference4が良く売れていますよね。これはマイクで部屋鳴りを測定して、それを補正出来るように自動でEQしてくれる優れものです。
部屋鳴りに関してはWavesのプラグインに名前が出てくる事で知ってる方も多いchris lord-alge氏も、
大きな設備の整ったスタジオでさえもなるべく小さな音でミックスするんだ。部屋鳴りは何も良い恩恵をもたらさないと語っています。
ヘッドホンの選び方
もし予算が無いのであれば、1万円程度の投資で忠実にこれらの用途を満たしてくれると言われています。ただ、リスニング用のヘッドホンでは無くスタジオモニターの物を使う事を強くお勧めします。
例えばAKGだとこれ
AKG スタジオモニターヘッドホン K240MKII 並行輸入品
青い方のSONY MDRも十分にパフォーマンスマンスを発揮してくれます。
SONY ステレオヘッドホン MDR-7506
ただ、特にAKGは顕著に感じると思うのですが低音が足りないなぁと思うのですが、そもそもドライバー的に低音の音量に関してはインチキ(言い方は酷いけど)しないと稼げないので、上記の注意点に気を付けて運用すれば余計な装飾が無い分しっかり仕事をしてくれるかなと思います。
ヘッドホンで十分にミックス出来るならなぜニアフィールドを使うのか
Sound on Soundsで連載しているMike senior氏は、なぜヘッドホンでニアフィールドと同等の情報量が得られるなら、スタジオでニアフィールドが主流に使われているのかの問に対して
多くのスタジオでニアフィールドモニターを使う理由の1つはスピードである。更に早くミキシングを出来るようにしてくれて、全体の周波数特性を一度に知らせてくれるからだ。
そして更にこうも言っています。
ニアフィールドモニター無しで商業クオリティのプロデュースは可能である。しかしながらヘッドホンがメインである時に、特にローエンドの扱いに関しては大量の検査、冒険をする必要がある。
まとめ
ヘッドホンでのミックス、バランシングは多くの時間が必要とされる傾向になります。
特に特徴の部分で述べた、
ワイド過ぎるステレオイメージ
ミックスのディティールが見え過ぎる事
この二点が仇となり得ます。よくある落とし穴として、リードパート(リードボーカル、ギターソロ等々)、そしてDelay/Reverbの空間系のバランスです。
特にリバーブに関しては細かいディフュージョンの様子に気がとられてしまいがちな様に思います。
とにかく趣味でやるにも、仕事にするなら尚更ですが
お金よりも時間が大事である
沢山ミックスをすれば上手くなるし、沢山創作すればするほどより磨かれた物が作れるようになります。
そういう意味でもモニタリング環境にお金を払う事は賢いお金の使い方と言えるのではないでしょうか。
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