EP"Duality"セルフライナーノーツ Djentとはなんだったのか

既に試聴頂いた方、購入頂いた方、ありとあらゆるご支援に対して感謝を改めて。
今回はEPをより楽しんで頂けるようにDualityの持つ音楽的なバックグラウンドについて、リスナーの方がより楽しめるように自ら語ってみたいと思います。技術的な話とか反省はまた後記として笑笑
是非Dualityを流しながら読んで、気になった音源は後で再生して頂ければと思います。

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Djentの終焉そしてDjentからの脱却


今回のEP"Duality"はTaktがこれまで呑み込んできた音楽性の"らしさ"をパッケージングするという意図がありました。
ここ数年大きく影響を受けた物としてDjentを中心とするモダンメタルからの影響は外せない物だと思います。


しかしながらDjent自体は猫も杓子もDjent Djentと言われるシーンに辟易としたのか、創始者とも言われるフレデリックトーデンタルが謝罪したり、Djent専門サイトが改名したりと大きな転換期が訪れています。

これはアーティスト側にも顕著に現れていて、所謂Djentらしいものから如何にオリジナルな音楽性を更に発展させるかという点が焦点となっています。

既存のバンドで言えばPeriphery3だったりVeil of mayaの新譜がそれと言えるでしょう。
若手バンドとして旗手の一つになっているのはArchechoでしょう。


Djentを脱却してギターインスト、というジャンルを確立しつつある勢力も呑み込みつつ、エレクトロニックなサウンドやピアノなどのオーガニックなサウンドをキーボードプレイヤーを配する事で実現しました。

モデルケースとして彼らを凄く意識していることは聞けば感じられる事かと思います。

なぜDjentはあれまでに肥大化したのか


ではDjentとは何か、と言われると誰もこういうの、とは言えないのです。
もちろんブリッジミュートしたときのジュオンという音を擬音しているという造語としての成り立ちはあるのですが…

昨今の音楽シーンでは純然たる音楽スタイルを示すジャンルでの腑分けというのは難しくなっています。Rock folk jazz techno…そしてそのリバイバルや進化系…Progressive post newmusic…

ジャンルは細分化の歴史を辿ってきましたがあまりにも様々なジャンルの配合が進みすぎてジャンルの主語としての大きさが年々大きくなってきていると感じます。
例に出すならばEDM。これはハウスやテクノ、エレクトロ、ダブステップ…様々な電子音楽を内包しながら、踊れるやつ!をEDM世代がリリースした物を指しています。


また現代のジャズシーンも同じような状況で、ヒップホップもソウルもファンクも1つになろうというムーブメント、つまり今俺たちがやってる音楽がジャズだと言う流れです。


Djentもある種このような役割を担っていたと僕は思っていて、ブリッジミュートやダウンチューニングで出るジョン!としたサウンド。そしてポリリズムを代表とした複雑さ。これを持ってる音楽は全てDjentを名乗る権利があった、という風に考えています。

EPのコンセプト


Taktの音楽家としての成り立ちを言うと大元にあるのはRockやJazzではなくクラシックにあります。そしてSoul acid jazz。その次にRock metal。そしてDjentです。
1つ大きなコンセプトとしてDjentとはなんだったのか、という事をメインの楽器をギターからキーボードに変える事で問うたと言えるでしょう。

つまりキーボードでDjent的なフレーズ、そしてサウンドを再現を目指しました。
逆に一通りDjentシーンを通った人間として、自分のバックグラウンドを全て投入したのならばどうなるのか、つまり前述の内容を踏まえるならDjent…君はどこまで懐が深いんだ?という笑

最低限のDjentの作法をベースとしながら、僕の中にある音楽性をどれだけ多彩にミックス出来るか、そして作品としてまとめあげられるのかという挑戦だったとも言えるでしょう
Dualityに込められた意味と狙い

今回のEPはキャリアとして…何かストーリーを語るのではなく、僕の持つ様々な音楽性をまとめあげる事に狙いがあります。

しかしながら全ての要素を全ての曲において入れ込むのは不可能、ということで一つ一つの曲に対して二重性という形でキメラティックな音楽性をまとめることにしました。
Djent×コンテンポラリージャズ
Metal×Fusion
Funk×Djent
Progressive metal×Chill…Postrock
Dream theater×Takt

キーボードプレイヤーとして


今回あくまでキーボーディストTaktとしてのソロEPをリリースした訳ですが。常に頭にあったのは、バンドの中でのキーボードという物です。
つまりピアニスト、キーボーディストとして一人で完結せずに、しかしながら主役になること。

こういったアルバムは非常に少ない為やりがいがあると同時に、フォロワーが生まれると良いな…という風にも思います。

最後の曲がジャンルではなくDream theaterとのミックスだと述べた通り、Dream theaterの三人のキーボーディスト、特にJordan rudess氏はバンドにおけるキーボーディストのスタイルというの物の大きな指針となってくれました。

彼以上にキーボーディストとして影響を受けた人物は居ません。彼が素晴らしい事は言うまでもありませんが、逆に言うと強烈にキーボーディストとしてジャンル内外に認められる存在というのが非常に少ないという現状があります。

この曲は僕は強烈にDream theaterのフォロワーであるという事を強く自覚しつつ、その真似をからオリジナルを作り出していきたいという意思の決意でもあります。

偶然にまとまった世界観


闇鍋的なジャンルのミックス…となるとEP通して世界観が保たれるのかという問題が出てきます。
今回その役割を一役買ったのが一曲目、タイムワープです。
このEPはTime Warpのリフ、そしてサビのサウンド、そして最初のシンセソロからなるスケッチが出来た所からプロジェクトが始まっているのですが、この曲の持つ浮遊感、そして前へ前へと突き動かす引力、ここから宇宙的なイメージが湧き上がり結果的にマッチしたジャケットが生まれたり、全曲通しての統一されたテイストによる結束が生まれたのかもしれません。

曲解説


では最後に一曲毎の概説を

1. Time warp

EP制作に踏み切ったきっかけ。
3 3 2の4回のピアノループが3 3 3 3 3 3 3 3 4の大枠のピアノループに変化するコンセプト。そしてこの厄介なリズムアプローチをまとめるためのキャッチーなメロディ。そしてメタルらしい直線的なリズムとモダンなリフ、そしてソロ。最初はこれだけでした。

ある種一番自分が一番プログレッシブになれるように模索した作品です。上原ひろみっぽいと言われますが本家はもっと引きたくってるのではないでしょうか笑

第一ソロ以降のポリリズムは、メトリックモジュレーションを非常に分かりやすく
四拍子に対して5のリズム、その次から5→4→3→2(倍テン)という教科書のような展開。
第二ソロはJakub zyteckiを意識したであろうリズムの怪奇さ、コードの浮遊感。今作で1~2を争う変態さ。

基本的にはrideで6/8を3ずつ刻みなが小節としては5/8 6/8を組み合わせて6/8にまとめてます。
もう一度ちゃんと弾ける気はしないです(爆笑)。

題名の通りTime(拍子)がWarpする作品でかつメタリックサウンドとオーガニック(ピアノ、アナログシンセ)の融合。ある種コンセプトに一番拘った作品です

2.Moonglow

コンセプトとしてはFunk R&Bバンドのビートの上でハイファイなFusionサウンドを鳴らしたいのが狙いです。正直言うと中々狙ったサウンドにならなくて苦労しました。

Polyphia的な分かりやすさだったり…あとギターとキーボードが両方主役を担うという意味でもDualityかもしれません。
Dirtyloopsの影響は大いにあるんだろうなぁ…後はCoryhenry周りのビートは凄く研究しました。
これはサビのメロディだけから出発していて、もとは歌詞もついていたという…
ギターパート募集して色んなバージョン作るのも面白いかもですね。

3.Sentient Mars

僕が慣れ親しんで来た、ブラックミュージックとIssuesやShrezzersに代表されるお洒落コアをミックスさせた作品。一番狙い通りに行ったとも言えます。
中盤のソロから重たいリフ系Djentゾーン、そしてキャッチーなメインメロへ連続的に変化させた所は会心の出来です。

一番バンドのキーボーディストに徹した作品でもあります。

ソロに入る前のミドルセクションはリズム遊びしやすいリフの上でうんうん唸りながらドラムソロをポチポチ打ってました。これ叩いて貰いたいなぁ…。

3連6連をスピード感を失わずに使うためにパケラッタを多様、小節跨ぎ、あとリフのリズムに随所に合わせる等のポイントをもっています。
ゴリゴリゴスペルよりもGroundup系を参照にしているかもしれません。
EPからのSawリードのソロは僕の懐の深さを出せたと思いたいですね。

4.Lunar Chase

なんで出来たのか分からない作品笑
元のリフの外形と、それを途中でテンポ変化を錯覚させる変化を入れること、コーラス部分で裏に変わることが出発点です。

一瞬ポストロック的な雰囲気?と思ったが後輩に一蹴されたので思いきって手が動くままに弾きまくったら東方曲みたいになっちゃいました。
プログレメタルと言ったけどコードの分かりやすさといいメロスピかもしれないですね。
一番ふわふわしてるけど曲としては結構好きな曲です。

5.The Great Beyond



唯一明確に某バンドみたいなな曲を作ると決めた曲。バンド名指し。ジョーダンに対するフルリスペクトをここで消化したいと思った次第です。

出発はド頭のリフしか思い付いていなくて、以前活動していたValse的なエモな感じにしようかと思ったのですが、もっとDTを意識してからepicになってしまったなぁという感じです。

冒頭のアルペジオはキーボード版Jason Richardsonになろうと思ったらほぼほぼNever enoughのユニゾンになってしまいました…。

ピアノブレイクダウンという荒行をまとめあげた(不協和音を綺麗に出しやすいのでオススメ)後はストレートな?5/8 6/8のミックス。マイキーリスペクトなドラミング。

Systematic Chaos Octavarium辺りのDTぽいですねDark eternal nightとか。

ソロ裏は6/8と4/4の3連でテンポチェンジしてるけど実質変化してないDTでよく聞くあれ…Panic atackとかそうだった気がします。
ソロも弾きまくり、ましたけどジョーダンより比較的メロディックになる癖があるのかもなぁと思ったりします。

まとめ


改めてライナーノーツを書くと、途中から(特に4曲目5曲目)無我夢中で書いてたなかでごちゃごちゃになっていた思考がスッキリしました。
面白い物は出せたのでは無いかなぁと思います。

結論Djentとは2010年代のプログレでテクニカルな事がしたい連中が寄りあつまりやすかった旗印だったのでは無いか、というのが今回のライナーノーツの終着点です。

7弦ギター云々というのはあくまで1要素でしかなかったのかなとも思います。
セルフライナーノーツはここまで。今度は制作の過程等々記事にしていきたいと思います。

EP視聴頂いた方、購入頂いた方、拡散に協力いただいた方。本当にありがとうございました。
今後とも応援よろしくお願いします。

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