DTMミックスにおけるパンの振り方の基本

みなさんこんにちは。ミックスを始めたての方だとパンの振り方は見様見真似で戸惑いながらやる事の1つじゃないでしょうか。

ミックスにおいてパンニングは最初の方に行う事の1つです。

よくステレオイメージを基に楽器を配置して…ステージに実際の楽器が並ぶように並べて…なんて事が言われたりします。
しかしながら現実的な問題な話、多くのパンニングはステレオ音声の技術的な要因で決まる事が殆どで、その残りはエンジニアの好みとちょっとしたステレオイメージののリアリズムで決まります。

是非客観的な判断でパンニングを出来るようにしましょう。

ステレオイメージの中心に置く事

多くの楽曲(99%ぐらい??)ではキックやスネア、ベース、リードボーカル。
これらは通常センターに置かれます。

これらのパートは大事だからセンターに置かれるというのは皆さん理解できると思うのですが、センターに置かないとどのような事が発生するかというのは案外理解していない物です。

シンプルな話、ステレオイメージの中心に置く事の根拠、それはステレオの片方しか聞こえていないという状況でも、しっかり聴こえる、つまり生き残るのに最適な場所であるからです。

極端な話左に振り切った音源はRのイヤホンから聴く事は出来ません。
イヤホンを片方外すという分かりやすい例だけでなく、例えばスマートフォンのスピーカー、ショッピングセンターのスピーカー色んな所でモノラルに聴こえる状況というのは考えられます。

また特にベースにとっては重要です。二つのウーファーから出た音波がしっかり組み合って聴こえる…つまりどちらのスピーカーからも等しく音が出ている事で効率よくローを鳴らしてやる事が出来ます。

現代の低音楽器をローエンドで使うアレンジであればセンターに置くのが良いでしょう。(逆に言うとウッドベースなど上の方で鳴る楽器は振ってしまっても形になる事が多いと言えるでしょう。昔のジャズレコードなどを参照すれば分かります。エレキベースでもキックより明確に上に来るようなものであれば微妙にセンターからずらしてある場合があります。)

極端なパンニングの弊害

パンニングによる効果、これは音が聴こえてくる方向が変わるだけだと思われがちですがもう一つ忘れてはいけない効果があります。

音量です。

歪んだギターやシンセリードなど、分かりやすいトラックを1つ用意しましょう。
まずはセンターで聞きます。次にLかRに振り切ってみましょう。音量が下がって聴こえませんか?

大体体感で3dbの音量ダウンが発生すると言われます。
大事なトラックは大体の場合しっかり聴かせたい訳で、そもそも音が小さく聴こえる場所に置くのは間違いだと言えるでしょう。

どうしても大事なソースのパンを振りたい

音楽的に大事なトラックのパンを振った場合、それの体感音量が下がる、だけではなくリスナーの注意も片側のサイドに寄ってしまう傾向があります。

例えばハードロック黎明期の音源だとギターが片側のサイドのみに振られている事がままありますよね。

エディのギターが左側に居るので、多くの時間左側に意識は行ってしまいますよね。

ここでOppositionパンニングという考え方を導入しましょう。この音源だとサビなどの大事な時間は右側にコーラスを和音で置く事で対象性をやや取り戻しています。

現代のレコーディングにおいてはギターのダブルトラッキングが主流ですね。右左両方に同じフレーズを配置する事です。ギターを両サイドに振る事に慣れ過ぎて当たり前でなんとなくしてしまっている人も多いかと思いますが(僕もそうでした)、こうする事によって全体的なステレオ像を歪めたりすること無く、両サイドにも楽器を配置する事が可能になるんですね。

もちろんダブリングだけではなく、例えばタンバリンと、高めのパーカッションだったり、アタック重視のアコギとSFXとか、あと音程の違うコーラスとか。

これらを対称に右左に振る事で、通常リスニングの時に広いステレオイメージを守れて、なおかつセンターの大事なパートを聴かせる事が出来て、そしてモノラルになった時に音楽的な要素が欠けて聴こえるという事を防げる訳です。

こう考えると案外パンニングって自然に決まってくるように感じませんか??

まとめ

このように決めていくと、多くのパンニングはステレオイメージの広がりと、Oppositionにパンを決めて置かれたグループと、センターに置かれる重要な物で殆ど決まっていて、実際のステレオロケーションに基づいた物でない事が分かるでしょう。

そもそも生ドラムのパンニングを考えても、タムをスゴクワイドに配置してシンバルを両サイドに広げがちですけども、スタジオでドラムセットの前1mで聴いてみて下さい。

大体モノラルに聴こえるでしょう?笑

なので過度にリアリスティックに考えるのではなく、この記事の様にセンターに置くもの、どうしてもサイドに置きたい物、その道連れで反対側に置かれる物、そしていい感じにステレオイメージが広がるような配置で微調整。

こんな感じでやって行けば良いのではないでしょうか。
パンニングはあまり悩まない方が良いと思います。(過去の自分に向けて)

あとアレンジ段階からやっているなら、Oppositionパンニングする為にトラックが足りないときはミックスからアレンジに戻って作ってしまうのも1つの手だと思いますよ。

ミックスは空間作りです。

それでは。

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