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DTMミックスで低音を綺麗に処理する方法:ローカットとハイパスフィルター

今回はミックスにおける低域とローカットの関係についてです。

突然ですがあなたはハイパスフィルターをプラグインで入れてますか?

低音は邪魔だからバッサバサ切ればいいんだと思っていませんか?

私は思ってました(小声)
ローカットする事で音はスッキリするしヘッドルームにも余裕は出るんですけど、切り過ぎたら途端にパンチの無い音になってしまうんですね。

ですので今回はDTM環境化でローカットを行う時のポイントをまとめてみました。



ハイパスフィルターとは

DTM始めたての時によくある間違いなんですけど、ハイとついてるから高域をなんちゃらするんじゃなかろうかと思ってしまいがちですよね。

ハイパスという名の通り、上の方を通すので低い方をカットしてくれるプラグインです。旗揚げの右上げないと一緒だとおもえば楽勝ですね。

ハイパスフィルターは通常EQに統合されており、WavesでもQ10だったりRenaissance Equalizerあたりにしっかり搭載されています。むしろフィルターと名のついてる物は攻撃的な音作りがデフォルトになってる可能性があるので避けても良いでしょう。

ハイパスフィルターはカットオフフリーケンシー(若しくはコーナーフリーケンシー、単純にカットオフと呼ぶときもあります)



Q10の方がQとか問答無用に切ってくれるからやりやすいかもしれませんね。

もう一つハイパスフィルターにはどれだけ急にカットするのかという指標があって、シンセ使いだと馴染み深いdb/octという数値で表されます。つまり、周波数のスペクトラムを一オクターブ分進むと何db減衰するかという設定ですね。

正直極端に切らずなだらかであればそこまで問題無いのですが、目安としては18db/octあたを見当つけておけば良いでしょう。


耳に聴こえない物は要らないという精神

このローカットの作業はトラックを並べてミックスを開始する時点でまず最初にとりかかるべき作業です。理由としては

・耳には聴こえない低音の暴れが必ず収録されてしまっている。
・低音は耳での量感に対してヘッドルームを埋めてしまいがち。
・DTM環境(ベッドルームミキシングとも言う)ではローのシビアな聞き分けが難しい
・ローが大切な楽器だけに低域の判別は集中したい

これらが理由として上げられます。よくマスタリング前のマスターで-6dbぐらいを維持して~という話を目にして、そんな事出来ないぞーと悩んでいたら多分このローの処理をやってないかと思われます。

それぐらいにローカットは大事です。

またしっかりローの要らない成分を切って上げていたら、素人臭さが一段減ります。
恐らく低域の扱いとリバーブの馴染ませ方が、アマチュア感をクリアしてくれる鍵だと思います。

どれぐらい切れば良いのか

ミックスにおいて根拠の無い処理程怖いものはありません。ローカットに関してもしっかりとした目安が欲しいですよね。ただし、日本の狭い家屋においてはスピーカーで
モニタリングしていたとしても十分な低域モニタリングが出来ているとは言えません。

なので目安を設けましょう。それは全体の音色に変化が表れるまでカットオフを上げてしまったら15パーセント戻る、です。

低域をガンガンカットしていくと音全体が痩せ始めるポイントがあるかと思います。そうなると音作りが崩壊してしまう。そこまで行くと大抵やり過ぎで、低域の暴れはカットすべき物であるのですがパート間の隙間感だったり。

そもそものトータルのローの量感に関係してくる部分ですので15パーセントぐらい戻る。というのが丁度良いかなと。

15%というのはプロのスタジオでエンジニアがやる目安なので、個人スタジオならもう少し戻しても良いかもしれません。

アタック感のある物は要注意

大体の場合スネアやキックなのですが、低音の量がパンチ感に大きく影響してくるものはそれが薄れていないかどうか…にも気を配る必要があります。

極端な例を挙げると…車にB〇SEのサブウーファー積んでブンブン言わせてる車あるじゃないですか。もはやあれは低音増しすぎて別のトランジェントになってるんですよね笑(より粘っこくなっているというか)

ローカットは逆の事をやっているので、やりすぎると一気にパンチが無くなって来るので注意です。

キックに関しては多少ルーズ気味でも良いのでは無いでしょうか(その代わり他のパートを全部ガッツリ処理する事と引き換えですが…)。

モニタリングが信用ならないときはアナライザーを挿して確認しましょう。



まとめ

ローカットにおいて大事なのはまず、やる事、とそして何Hzまでズバッとカット―なんて杓子定規にやらない事。スネアがハイピッチなら案外高い所まで削れる時もあるし、収録音源なんかを使ってる時は音源収録時にある程度のカットをしてくれていたり(マイク自体にローカットスイッチが付いてる物が多々あります。)

ローの暴れ(英語圏ではRumbleという言葉が頻繁に使われて居ました。)は雑味にもなりますが旨味でもあるので必要以上に削らないように、またガリガリに削ってその音が浮いてしまったりしないように。

音が変わる周波数から一歩下がる。がポイントです。

それではまた。

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