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CONISIS / BA004 BLACK MESSIAH:レビュー 大村孝佳シグネチャーバッファー

大村孝佳シグネチャー機材レビューシリーズ、今回はCONISISから登場したバッファーをレビューしたいと思います。

バッファー単体でと言うと中々馴染みの薄い機材ですが、トゥルーバイパスを謳う製品以外のコンパクトエフェクターには必ずバッファーが入っているぐらい身近ではある機材。

しかしながら積極的に音作りの為の機材としてバッファー単体を導入する人は少ないのでは無いでしょうか

今回は大村氏が言う音作りの最後の一押しとして、積極的な音作りにバッファーを使うという視点で本機のレビューと音作りにおけるトーンを変化させる段以前についての考察を出来たら、と思います。(難しかった笑)



CONISIS / BA004 BLACK MESSIAH概要

至極単純な機材です。ブースト機能付きのフルディスクリートバッファ。

Conisis BLACK MESSIAH ver.2 BA004 大村孝佳 SIGNATURE MODEL バッファーアンプ

モノラルインプットにモノラルアウトプット、ブーストのノブがあって最初だけブーストオンになる最初の段階のみ割と大きなクリックが入ります。

大きさは本当にタバコの箱+αぐらいでジャケットのポケットにでも余裕で入りそうな大きさです。そして結構軽い、


見た目が禍々しいw
製品としてはインピーダンスを下げる為に電圧固定(つまりは音量)の状態で電流を増やし信号のロスを減らすという物です。

ただインタビューや開発の話を覗いていると、大きさシステムを組む組まないに限らずこれは良い音がする。特にKemperなんかのデジタルシステムをグレードアップさせてくれる、という方向なんですよね。

とりあえず音を聴いてみましょう

サウンドプレビュー

何はともあれサウンドプレビューから始めないと、という事で





今回もKemperとEdwards 大村シグでのサウンドレビューです。最初がKemperのメサのみの音、次がバッファのみの音、次は段階を追ってブースト機能のブースト幅を大きくしています。

如何でしたでしょうか??
変わらないじゃんと思われた方もいらっしゃるかもしれません。

僕と一緒に試していたにゃんちゅう氏は
「肉汁が~肉汁が溢れてきている~~」
と食レポみたいなコメントになっていました。

ブーストに関しては10時ぐらいが丁度良く太くなってくれますかね。これは使用するギターに寄りけりという風に思います。

これは確かに最後に一押し欲しい人のための機材だなと、確かに思うのですが。

どの様な作用で良いな!!と感じるのか、そこを少し推察したいなと思います。

周波数成分的な考察

これはまず一つあると思っていて、特に録音された状態でサンプルレートも高いと特に実感しやすいのかなと。

今回はこのようにカナレのシールド二本で接続を行っているので

よくあるシールドで起きる低域の欠損に関しては発生しているのでそこを補ってくれてはいるのかなぁと。

ただこれだと直アン(正確に言えば直Kemper)より音が良くなる理由の説明がつかなくて、というのもそもそもバッファーに来るまでに3m分の欠損というのは起きている訳で、それを補うというのであればこれまたナチュラルに音が変わらずに音質をよくするという意味が変わってくる訳です。

1つ推測として考えられるのが、帯域による伝達スピードの違いです。これを均等にすることで早いローを、という言葉が良くシールドメーカーの売り文句としてあったりすが、バッファによって電流を強くすることでそのズレを小さくしてくれるのかなぁとか。

ここら辺をハッキリ言えない辺り僕の電気系の知識の少なさが露呈してしまいますね。

あともう一つ、高域に関してはEdwardsシグの特性としてややジャキっとした感じが強くてちょっと痛いかなぁという部分があるのですが、その部分が無くなっていて、かつ天井を感じさせるような削りをしている訳でも無いという。中々不思議な変化をしています。

ダイナミクスカーブの滑らかさ

これが多分にあると僕は推定していて、特にブリッジミュートがの音の妙な太さ、であったり複音でプレイした時のジューシーさ、これが音量が落ちて行くカーブがしっかり見える為にやや太くリッチに聴こえるのかなぁという風に感じました。音の情報量が多いとでも言いますか。

この説で考えるとCONISISのBA001のデジタルシステムをグレードアップさせる、という設計思想を鑑みるに、デジタルシステム言われがちな平坦なサウンド、という物を解消する鍵になるのかなぁと。

つまりバッファによって信号を強くすることによってAD/DA変換をより適切に行う事が出来るのではないかな…と。

実際エンジニアさんがオーディオ的に良い機材を評する時に、レスポンスも確かに良いのだが音の引き方の明瞭さがモニタリングだったりの部分で明らかになると。

そういう部分でもう一度サンプルサウンドを聴くとブリッジミュートの部分の減衰の仕方が割とハッキリわかるんじゃないかなと思います。


ディスクリートって何


この機材の味噌はどこかと言うと、電流が何万倍!ではなくて(これはただの売り文句)、パーツ構成の面でディスクリート回路が組めてるという事なんですよね。

結局の所LINEレベルまでインピーダンスを落として上げているだけなので。

通常のプリアンプだったり、バッファはICチップ(集積回路)を採用していて、1つの部品に様々な素子をこまこまっと入れ込んだ部品が核になっているんですね。

別にこれ自体が格段悪い訳では無いのですが、ディスクリートというと集積回路として回路ごとワンパッケージにされているのではなく、1つの部品毎にパッケージ化されているという事なんですね。

所謂電子工作的な回路をイメージして頂けたら相違無いかと思います。

レコーディング機器でもコンソールのプリアンプとかはディスクリートですし、ギターアンプも真空管なら勿論ディスクリート。

なので、ディスクリート=音が良いという図式が必ずしも成り立つ訳ではないですが、1つ1つの部品を精査出来る点や、余裕を持った回路を組めるという点では有利であると言えます。


まとめ

結局なんで音が良いのかという事はハッキリと解明出来なかったのですが、サウンドキャラクターが変わらずサウンドがリッチになるのはサンプルサウンドを聴いて頂ければ分かるかと思います。

リッチというより表現幅が豊かになると言った方が近いかもしれませんね。


逆にカールコード等を使ってエンドを落として…という音作りをするのであれば使わない方が良い…かもしれませんが。

入力段で損失した帯域は復活しませんが、入力をしっかり入れてやれば後段でいくらでも削る事は可能にはなるのでシステムに組んで損は無いのかなぁと。

やたらとトゥルーバイパスが持て囃される昨今ですが、一貫してBOSSコンかバッファを入れているのはハイインピーダンスでの信号の引き回しを薦めていないことの現れかもしれません。

そもそもギターが生まれた当初はこんなに世の中に電波が飛び交う事など想定されていなかった訳で開発当初よりギターの出音に関しては状況が悪くなっているのかも、と思ったりもしますね。

是非最後の一押しで機材を取っ替え引っ替えしている方は(僕も昔はそうでした笑)、こういった製品(シールドなども)試して欲しいなと思います。

気になった方は是非。

Conisis BA004 BLACK MESSIAH ver.2 大村孝佳 SIGNATURE BUFFER バッファー 【コニシス】




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