報告:First EP"Duality"リリースしました

本番でミスの無い演奏をする為の効率的な練習方法~完璧に演奏する為には完璧な練習を繰り返す事~

ライブをする時、レコーディングをする時、練習通りに弾けない。そんな事ありませんか?

練習ではこんなはずじゃなかったのに…と

また一か月前にライブでやった曲、録音した曲、練習した曲、どれぐらい弾けるでしょうか。

今でも完璧に弾けるのであればそれはあなたがきっと完璧な練習方法を身に着けているからでしょう、そうでないのならば、より良い練習方法を見に着ける必要があります。


完璧な演奏をする為には完璧な練習を繰り返すしかありません


今回から何度かに渡って紹介する練習方法は、僕がクラシックピアノを習っていた当時なんとなくで実践していたもの、またその反省、そしてクラシックピアノの練習を小学生でもわかるように解説してくれた名著を基に、ポピュラーミュージックにおいて使えるように自戒を込めて編纂した物です。



本当に名著で1997年に出版されて以降未だに取り扱いのある本です。小学生の時に読んで以降放置していたのですが、家の中を整理している時に偶然再開したのですが、中身は漫画です笑。とても良い本です。

この本に敬意を表して、この本通りまずなぜ本番に限って上手く弾けないのかについて軽く説明した後

ゆっくり練習する事

部分に分けて練習する事
この二点を中心に練習に対する基本的な方針を今回は説明していきます。

練習方法について記事を書くならお前はどれほど弾けるんや、という話になってきますので。この方法を用いて二時間程度で仕上げたソロをここに掲載しておきます。


では本編へ



なぜ緊張するのか、本番でミスをするのか

練習と本番は違います。自分のテンションの上がり方、景色、音の聴こえ方、メンバーのテンポ。自身のアクションも違うかもしれませんね。

ライブでなくても、カメラを向けた瞬間、DAWの録音ボタンを押した瞬間、著しくパフォーマンスが落ちる事、ありますね。

共通している事、それは練習と違って気合が入っているという事です。

勿論これは全く悪い事ではありません、テンションがぶち上って練習以上のライブ、テイクが取れる事は多々あります。

ではなぜ間違えるのか??

1つの間違えをきっかけに全体までボロボロになってしまった事、ありませんか??何故でしょうか。それはあなたが練習の時に、そのように間違えるように練習したから他ありません。

人間の脳は無駄に高性能である

人間の脳は今までにインプットした事のほぼ全てを記憶として収納します。今まで出会った事のある人、景色、そして幾度となく繰り返したミスフレージング。

脳にとっては成功フレーズも、半音間違ったフレーズも等しく頭に入っていきます。そしてそれらの大部分は、正しいフレーズが出来ると同時にどこかに隠れて行きます。

大半の時間のうちは正しいフレーズが記憶から引き摺りだされて、それが演奏されるでしょう。ですが気合が入った時はこの限りではありません。

ハイスピードで動く頭が、ここのフレーズはこれで合ってたかな?このセクションは何回繰り返すんだっけ?と過去に一度しか演奏してないミステイクすら参照を始めます。

これらの現象を解消するにはどうしたら良いでしょうか?

それは完璧な演奏のみを繰り返し練習する事。これに尽きます。

あなたが日々の練習で一個ずつ減らしたミスの数。その練習は正しいフレーズと同じようにミスも一緒に学んでしまっているのです。(そして大半のミスはしっかりミスとラベリングされる事なく脳内に残留してしまいます)

練習中に絶対にミスをしない為には

いきなり初見で全部完璧に弾ける訳無いだろ!という声が聞こえてきますね笑

もちろん二度ぐらい通しただけで全てを覚えるピアニストも過去には存在しました(フランツ・リストというイングウェイのピアニスト版みたいな人)。が、大半の人はそうではありませんね。

ここで最初に上げた二つのポイントが大事になってきます。

適切なテンポで
適切な長さのフレーズを
繰り返し弾く

これを意識するだけで本番のミスが減るどころか、暗譜にかかる時間、上達までの時間が格段に短くなります。曲を頭に素早く入れる事でもっとクリエイティブな事(曲を作るのみならず自分の弾きたいようにフレーズを弾いたり、そのリックを完全に自分の物にしたり)に時間を割けるようになりますね。勿論余った時間更に曲をこなしても大丈夫です。

練習をする為の下ごしらえ

一度譜例を見てみましょう。Dream theaterのBeyond this lifeのギター譜面です

この曲の元テンポは180です。通してミスなく弾けますか?(ベーシスト、鍵盤弾きはゴメンね)
大抵の人が無理だと思います。僕も無理です。

でも一小節目だけなら?弾ける人は格段に増えるかと思います。

二小節目全体を通すのは中々難易度は高いと思います?
では表示通りテンポ120で二小節目の一拍目だけなら??

今の実力で一発で弾けるラインという物が必ずあります。このようにフレーズを分解してセグメントに区切って行くのが最初にやる事なのですが。弾き始める前にやって欲しい事がいくつかあります。

まず運指を最初に決めてしまう事。(ギターやベースであればピッキングも含めて)
無理の無い運指を決める事は演奏の難易度を大きく下げてくれます。また表現の意図によっても運指やピッキングのアップダウン、レイキング等は変わってきますがまずは弾きやすいもので設定。

この運指を決める時はとりあえず弾いてみるのではなく、一音一音指くぐりやポジション移動を行いながら、そして譜面があるなら書き込みながら行うのが良いでしょう。

昔に練習した曲を思い出す鍵になってくれるでしょう。

セグメント分けのポイント

完璧に弾く事、と暗譜は両輪となってくる部分です。不明瞭な暗譜は必ず後になって襲ってきます。ので曲を始めて学習する時に覚えてしまうのが最良です。

暗譜主体の練習解説に関しては後々短期記憶と長期記憶に分けて別記事で解説しようと思います。

まずは一発で覚えられて、完璧に弾ける長さで練習しましょう。

今回はとりあえず、7回譜面を見ながら弾いてみて、そのまま目を離してそのセグメントを弾ける長さ、で練習しましょう。勿論運指やピッキングパターンも含めてです。

これは訓練をすればするほど、またフレージングに対する理解(たとえばここはアルペジオの繰り返しだな、とか)が深まるほど一度に頭に入るフレーズ量が増えていきます。

例えばEのパワーコードで8分刻み、とかだったら2小節ぐらい余裕で頭に入るじゃないですか。そういう事です。

またセグメントで分けた後の練習では必ず、次のセグメントの頭の音まで練習する事。
こうする事によってセグメントの継ぎ目を練習するという過程が無くなって、繋ぎ合わせる時にジグソーパズルの様につながっていきます。

フレーズとフレーズ、セグメントとセグメントの継ぎ目を意識することは非常に大事なポイントであり、多くのアマチュアミュージシャンが出来ていない事でもあります。

代表的な例で言うとドラマーがフィルをたたき終えた後の次の一小節目の頭、などですね。

テンポ決めのポイント

何度か紹介しているように僕はスーパースローテンポ練習信者ですが、今回の目的は曲をとにかく早く物にする為の練習なので、過度なスローテンポは必要ありません。

とにかくミスなく完璧に弾ける遅さです。ただしミスをしてしまったらそれを修正する為には35回意識して正しいフレーズを練習する必要があるとも言われています。

ですからミスってしまうテンポだった場合は思い切ってテンポを落とす事が大事でしょう。

またあまりにも余裕だった場合はスッと上げてしまっても良いかもしれません。

これまた別記事で投稿する予定ですが、より強固な記憶を作る為にはフレーズに対して感情と関連性を付加させる事が大事です。

関連性や、感情の一つの大きなポイントとしては、指のタッチや感覚という物があります。

感情を楽器を通して伝える為にも、また音と音に関連性を付けるにも、指のタッチ(感触)を意識する事は非常に大事です。

ですので指の一音一音の感触を感じ取る事が疎かにならないようなテンポ、が適切なテンポかもしれません。

実例


もう一度この譜例に戻りましょう。目標テンポとしては原曲の184です。僕の実力からするとややテクニックが足りない部類の譜面ですので、細かい事に気を付けながら演奏出来るテンポは100と設定しました。

この曲の9分~がこのフレーズでございます。

まずは一小節目、これは通して弾けますね。フレーズとしては2小節まとまりになっていますが二小節目が雲行き怪しいので一小節目と繋ぎ目として二小節目の頭の2弦七フレットまでを繰り返し練習します。原曲と近いテンポまで近づいて来たら次に行きましょう(メトロノームは大変良い指標となります、活用しましょう)。

二小節目ですが一気に弾ける気がしないですね。区切りとしては二拍目の八分まで、とその後に分けられそうです。不安であれば一拍ずつ分けても良いでしょう。

これも7,4,6と弾いた後しっかり4フレットまで弾く、次は4フレットから初めて6,4,6まで弾く。大体四音程度であればどんな難しいフレーズでも弾けてしまう物です。そして一発で覚えられる(重要)。

譜面から目を離せるとフォームだったり指板上をしっかり視覚的に焼き付けられるので演奏が更に洗練されていきます。

まとめ

今回は練習中から完璧な演奏をする為の重要な二点、スピードとセグメント分けに注目しました。僕自身ここ数年このような完璧な練習は出来ておらず、意識して変えた結果サクっとソロが弾けるようになったり難解なリフを習得出来るようになってきました。

Twitterを見ていてもそうですが、僕が所属していたサークルで100人近くの会員の練習を見ていてですが、明確に練習のやり方によって同じ練習時間でも何倍も差が出てきます。

そして突如上手くなるタイミングというのは確実に存在します。

この練習方法は誰でも実行出来ることです。少しだけの忍耐、つまりは曲を通して気持ちよく弾きたいという誰しもある欲求を軽く抑えてあげるだけで出来る事です。

練習理論に関してはまだまだ色んなセオリーが残っております。ですが大きな、そして最も重要な点は

適切なテンポで
適切な長さのフレーズで
繰り返し完璧に弾く事

ここが大半です。

練習はミュージシャン、作曲家にとって非常に大事な事です。練習を通して多くの音楽に関する事を学べるものです。その為の第一ステージとして、弾ける、弾けないという問題があるという事を認識して貰えればと思います。

今後何回か更新をしますが、もし待ちきれなかったりもっと深く知りたい方は是非こちらの名著を購入する事をお勧めします。

それではみなさま練習、頑張りましょう。

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