Jacob collier:稀代の天才の頭脳に迫る pt1

後編もできました。こちらからどうぞ。
みなさんJacob collierという天才が存在がする事を知っておられるだろうか。


これを好きと思うかどうかは置いといて。
なんだこれ???
All instruments by jacob collierといった感じであるが、一聴して理解の出来ないコード、独特のサウンド、多層的なリズム、あとお前は何個の楽器が弾けるのですか???
これでも若干23歳のグラミーミュージシャン。ハッキリ言ってこの言葉で足りるのか分かりません。最早恐怖すら感じる。天才がめちゃ努力してるパターン。

ギタリストでいうjacob zytecki。

こいつもこの時20歳いってないんですっけ。Jacobは天才の称号か何かか??

ということで、今回はこちらの彼のインタビューをまとめて彼の本髄に少しでも迫れたらと思います。ほんとに普段の取り組みから参考になります。あと逐語訳では無いのと僕の英語力が怪しい所もあるので、本人のニュアンスで知りたい方は是非原文でどうぞ。

現在彼のWorkの殆どが既存曲のアレンジを動画として投稿した物となっています。
彼は多くのアレンジを彼のオリジナリティをふんだんに使ってこなしており、オリジナリティとは、という事を考えさせられます。また1人で楽曲を作り上げる力、その源を垣間見れたらなと思います。

代表的な彼のヤバさが分かる動画はこちら。

コード理論を多少なりとも齧っていれば分かるヤバさですね。23歳にして既存の音楽理論を彼なりに感覚のレベルまで落とし込み、発展させていることが分かります。最近part2も出ましたね。

How do you create videos and songs?


まず時間制限は大事。そうしないと多くの時間を失ってしまうだろう。

納期を作れって事ですね。自分でアーティストとして活動している人でも締め切りというのは大事と。これは僕もひしひしと感じます。彼ほどのアイデアが溢れる人でも締め切り大事なのですね。

アレンジする曲は簡単な曲で、簡単で自分が好きな曲。もし複雑な物から初めてしまうとそれは煩雑で大変になってしまうだろう。初めはシンプルに、そこから積み上げていく。

ここの部分ですね。彼はJacob Collier's #IHarmUという企画をやっていて、いくらかの参加料と共に自らが歌った動画を送ると彼がアレンジしてくれるという企画を定期的に行っています。


私は1つのメロディーを取り上げ、全ての和声の可能性を探して行く。 元々の文脈を読み取り、それを自分の解釈に落とし混んで行く。 和声についてどれぐらい違った考え方を出来るかを話たいと思う 。
多分この企画に限らず、まずメロディーのみを取り出して様々な可能性を模索して作っているのではないかという事が明白ですね。

Harmony


まず和声に関して考える時まず垂直的な見方で見る事が出来ると思う。これは和声を元々の文脈や、自分の知識と和声に関する発見に基づいて理解する為に重要である 。
今まで和声でしてきた事は全て自らの発見によってなされている。私は部屋でギターやピアノ、自分の声を使って何時間も探求することを高くお勧めする。 発明的であること、そして境界線を怖れてはならない。 


和声に対する探究を自ら行う事が大事という事ですね。コード理論をある程度習得しているとVerticalな見方とHrizontalな見方という話に直面するかと思います。極端に言うと前者がジャズ的な考え方、 後者が前後の繋がりを重視したクラシカルな考え方と捉えられます。

これを読んでから週に何時間かはただひたすら縦に積む時間を取っていますが、中々面白い。具体的な効果と言われると難しいですが、新たな手癖の開拓というか、自分の好きな形や調性という物が形作られていくように感じます。自分の好きな物に対しての探究という話題はこの後も何度も出てきます。



例えばGの音を選んだ場合、Gがコードの一部となるものは…もしシンプルなハーモニーの固まりを考える時、もしトライアドを考えた場合…それはとても単純で個人的に好んでいるのだが、その場合、Gの音はC GそしてEmの一部であるが、もう少し先まで考えるとEm7.Dm7.FM7.Bb.Eb.Gb.そしてAm。沢山のコードで見つける事が出来ると思う。しかし重要な事は自分自身の道具箱を組み立てる事だ 。(own toolbox.)


ソの音について考えた時に、基本の3和音で考えるとCコードの5th、Gコードのトニック、Emのminor3rdと考えられるけど。7thコードだったりテンションまで考えるともっと色んなコードで考えられるよねって話ですね。例えばFM7だと9thのテンションにあたりますし、B♭の13thもG音ですね。おそらく、ですがメロディの一音から逆引きして様々なコードに対してアクセスした過去があるのでしょう。その中でMy toolboxと呼べるような組み合わせを作って行ったのではないでしょうか。


Jacob's toolbox

Circle of fifths minor and major chords



もし五度圏を使う場合、C,G,D,A…そのままメロディックにプレイした場合、それはとてもハッピーなサウンドになる。対称的に、五度圏を下がって行く場合はダークなサウンドになっていく。
これは全てのメジャーコードは連続した五度の音に、マイナーコードは4度の音の連続と捉えられる。 So let’s take:
C maj → C,G,D, A,E,B → C maj jónica
C min → C,F,Bb, Eb,Ab → C min aeolian
もしCメジャーにおいて、五度で上がって行くとすると、C E G B D F# A Dとなりリディアンスケールになる
Cメジャーを普通はC, E(3), G(5),B(7),D(9), F#(#11),A(13)...と考えるが私はCから始めて五度圏で上がっていくと考える。
そこには信じられないサウンドがある。 大事な事は全ての音はメジャーコードで使えるし、全ての音はマイナーコードで使えるということだ。


まず五度圏の画像を見てみましょうか。右に行くと5度上、左に行くと5度下の音にアクセスできるようになっています。メジャー調の裏に居るのが平行調と言って調号が同じマイナーの調が配置されています。五度圏は情報の塊である事の話はまた別の記事でまとめるとして、普通の見方としては5度の関係のダイアトニックコードというのはドミナントコードですので転調の足掛かりとしてこの表を見る事が多いかと思います。コード理論学習者は余裕で理解出来てないとアレな必修課題的な部分ですし、ミュージシャンにとって五度圏を使っての12調練習等馴染みの深い物でもあります。

しかし今はそんな事はどーーでもいい!!

まぁとりあえず彼の言う通りCから順番に弾いていきましょう。うん、オープンで瑞々しいサウンドになりますね。ここで大事な事はBの次なぜFではなくF♯なのか、という話です。CメジャースケールではF♯ではなくF音が4thで採用されているはず。

1つ思い出してください。Avoidノートってやつ居ませんでしたか???

そうCコードにおいてはFコードは同時使用は比較的避けられる傾向にあります。リディアンスケールというのは通常スケールの4thを半音上げた物になりますが。そう五度圏で半周すると全てのテンションを使ったコードが生成されます。天才。通常だとそもそもコードというのは3度ずつの堆積になるわけですが、彼は5度の堆積が感覚的にマッチしていると。

ここの部分の話ですが全ての調性の基になるスケールはメジャースケールではなくリディアンスケールだ、という事を主張するジョージラッセルという人が居てですね、リディアンクロマチックコンセプトってやつなんですけど。あまりに秘密教団めいた活動をしていてあんましメジャー(存在としてはメジャー)ではないんですね。書籍も大変少ないし、日本語訳で売られてるやつも向こうからなんか文句付けられているみたいで…。

ともかく彼がリディクロを学んでるか否かは置いといてその延長に居る事は間違いないでしょう。そして右回りをHappy sound左回りをDarker soundと呼称しているあたり彼の感覚とマッチしているんでしょうね。ここの部分について詳しく知りたい方は上に貼った動画を参照してください。残りはまとめて行きましょう。

Interruption

私はよく解決を中断することを行う。例えばFからCに解決した時にその間にEmを挟むような事をする。

Scale combinations

私はスケールを繋げる事をする。例えばCスケールをDと、もしくはCスケールをA♭と。
コンビネーションが奇妙なサウンドをもたらす。それは画家が色を塗るときのように 、物と物を繋げる。緑を作るために青と黄色を混ぜるように。

Create your own toolbox


自分の道具箱を作る事を勧める。自分の好きな物全てと、嫌いな物全てを書くと良い。

Interruptionについては、彼のアレンジ中にあるおっ??みたいなコードがInterruptionにあたるんでしょうが…。しっかり理解は出来てないです。ただ、通常の倍以上のコードの変遷がある事を考えると解決の間に死ぬほど挟み込まないと成立しないよなぁという…恐らく例が簡単すぎて彼のサウンドに回帰出来てない気がします。EmをE7♭9とかにしてAm着地を匂わせるつつCに行くと、少しぽく感じるかもしれません。まぁ彼の言う最初はシンプルに、は反してしまいますが笑

スケールコンビネーションについては少し実践してみましょう。C(C D E)D(F♯ G A B C♯)だったり、C(C D E F G)A♭(A♭ B♭ C)だったりですかね。彼のトリップしたようなサウンドの源のようにも感じます。この一音一音にコードをつけていって…という感じですかね。転調しまくり音楽というとバークリー病を思い出しますが、スケール発信で転調(そもそもちゃんと調性認識出来るのかって問題はありますが)をガンガンしていく手法でしょうか。

とまぁここまで彼のツールボックスと呼んでいる物をまとめてみました。うんやたらシンプルですね。根源に至る事こそが云々ってやつですね。ここまでハッキリしてるからこそ無限に応用が利くんだろうなぁ…と。

Composition


ピアノに座る前、自分の道具箱を確認する前に私はいつも曲の構成の事を考える。それはまるで旅のようだ。曲をcomposeする時はどこで始まりどこで終わるのか、どのような形をこの後作るのか、それを知っているのはとても大事な事だ。私はいつも曲の形を紙に書いている。それから、アレンジを始めるんだ。自分の始めたい所からアレンジを始めるのを怖れてはいけない。これは曲の始めから始める必要は無いという意味だ。

ここからワークフローや心構えの話ですね。リズムの話とかは後編で行います。まず曲の構成を書いて紙に残しておけば、自在に各パートの創作へアクセスしやすいという事でしょうか。私が良く拝見しているブログでAtagosoundsという方が居るのですが、その方は制作の全てを5mm方眼のノートに記録しているとの事です。紙一枚でもノートでも個人的に合った物を使えば良いのでは無いでしょうか。Jacobの場合、譜面等々は全部電子化してるって事なので紙一枚ポンっとデスクにあった方が良いのかもしれません。


自分のアイデアや自分の好きな物を書いたり、記録しておく事はとても大事な事だ。自分の中に思い浮かんだ何か自分をinspireしてくれる物を失った時はとてもイライラする。私は自分のアイデアを電話の中に保存している。沢山の自分のピアノの演奏を録音してある。 インスピレーションが欠乏した状態になったら、僕はそれらを確認しにいく。


ここら辺はなんだかやる気出なくて創作が進まないと常言ってるミュージシャン全員にぶっ刺さりそうですね。最近個人的にインスピレーションが湧くときと、制作が進む時の頭って別のような気がしています。割と散歩している時とかふわっとメロディが湧いたりするじゃないですか。なのでインスピレーションの原型は全部保存しておくという姿勢は結構有効なのかもって思ったりします。そして欠乏したなって時に漁りに行くと。大昔に作曲の先生にモチーフは全て五線譜に残して置いておけと言われたのを思い出しました。

頭の切り替えに関してはこの本を読んだときに同じような事を感じました。オンオフだけでない自分の状態の管理の仕方や燃えつき症候群にならない為の方法がまとめられています。おすすめの書籍。

全てのパーツが有機的に…例えば頭の中だったりピアノだったりで完成したら、それをシベリウスの方へ移す。もし火事だったり、紙を無くしてしまったり…シベリウスに保存しておくのはとても確実だし、自分の仕事を見る面で満足させてくれる物だ。 だから、紙で始めたり、ピアノで始めたりすると思うが、それらは全てシベリウスに移している。それをプリントアウトしてから、レコーディングに移る 。レコーディングはとても長い作業である。自分は完璧主義者であるしね。 Final cutとLogicproXを使っているよ。

シベリウスは譜面を書くソフトの事ですね。現代のDTMを基盤とした制作スタイルになった現在において制作のワークフローに悩む方は多いかと思います。思い付いたアイデアをそのままDAWに打ち込む方、完全に譜面で各パート打ち込んでから音源化に取り掛かる人。その人その人によって変わってきますが、明確にワークフローは意識した方が良いと感じます。

彼の場合は見栄えのよい楽譜を作成してから音源化に拘っているようです。あくまで推測ですがかなり大部分を譜面や脳内で完成させてからDAWを使う工程に移っているのではないでしょうか。あと案外字が汚いのかも笑

僕は編集作業が殆どできない24trのMTRを元々制作の基盤としていましたが、DAWに移行して半年あまりに制作を行ったり来たり出来るお陰で全く曲が作れなくなりました。なぜかというと一度音源化してしまったパーツはそれ以上は脳内で育たないという事が原因でした。僕は脳内で全パートのイメージが作れるので楽譜で思い出すカギを作るって完成形を詰めていくといった感じで今は作っていますね。なんでもリコール出来ればいいって物じゃないですね。
動画ソフトはFinal cut、DAWはLogic proXだそうです。

残りは後編で

逐語訳はずいぶん前に作ってのですが…自分なりに咀嚼するのに大分かかってしまいました。訳が大分読みにくくて申し訳ない。

というかもう既に記事として長いですね笑

これ以降は別記事として再度投稿したいなと思います。なるはやで()
彼のワークフローはこちらで確認できます。

うん、ライブストリーミングだからか、思ったよりDAWでガンガン制作してる笑
それではまた後編で


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