アンプシミュレーターを使ったギターサウンドの簡単な作り方

今回は基本的なギターサウンドのザックリとしたエディットの仕方を模索していきたいと思います。Novelistsというバンドのサウンドを目標にエディットしています。



セクションとしては、アンプとEQのみで音作りをしていきます。コンパクト派の皆様にも、またDAW標準のシミュを使ってる方にも参考になるかと思います。

使用機材紹介

さて今回使用している機材ですが…
アンプシミュレーターはこちら


ドーン。うちの高級オーディオインターフェース、Zentour内蔵のアンプシミュレーターです。Zentour自体にFPGAが内蔵されていて、最近はFPGAを使ってのアナログ機材のシミュレートに益々気合が入ってます。

頑張れAntelope。ベースアンプも3つぐらいでいいので追加して下さいお願いします。ちなみにこのアンシミュの元のソフトウェアはOverloud製のTH3と同一でどちらも所持していますが、ハードウェアベースの方が音が良いのでこちらを使用します。

ギター



見た目と梅田島村楽器の素晴らしいアンプに乗せられて買ってしまった7弦。めっちゃ悪口言うけどなんやかんや手放さないで使い続けるんじゃないでしょうか。こいつはまた後程レビューを書きます。アッシュボディ、メイプルブビンガ3pの高域のシャキッとしたディマジオFusion edgeピックアップ。大体想像通りの音がします。弦はエリクサー。

シールドはこれ

音が好みなので。中域がグッと前に来ます、が9mの物を譲り受けたので録音に長いものはちょっとよろしく無いなと思いながらそのままです…正月セールで新調しようかな。

音作りの準備

はい、ギターを繋いでシミュなりマルチエフェクターなりを起動してまずやるのは、ギターアンプ選びですね。まあ好きなもの使いましょう。歪みの質はどうしてもアンプで決まってしまいます。マーシャルでメサの音は出ない。(MESAにもマーシャル系のアンプはありますけど)。僕がジャキっとしたハイゲインアンプが好きなのでENGLの上下セット。恐らく本人もENGLのアンプ使っている気がする…。エディット慣れしてる人は良いですが、まずはキャビはヘッド準拠のキャビネットを選択しましょう。

EQを並べる

目標とする歪み感にゲインとマスターをとりあえず適当に指定したら、EQを無限に挿せる民はまずこれだけインサートしておきます。
最終のコンプレッサーはレベル上げてるだけなんで無視してくれてオッケーです。

まずド頭のEQはブースターの代わりです。好みのブースターやマルチ使ってるなら好みのブースターを入れておいても大丈夫です。
その場合は最初はバイパスしておきましょう。

ブースター使わない場合でも、ギターの特性をコピーしたいギターに寄せたりするのにも使えます。シングルピックアップで無理くりハムに寄せる時とかね。

ヘッドとキャビネットの間のEQもBIASとかだと標準で搭載されていますね。MESAのMark2モデリング等でGEQがシミュレーターに無い場合もしっかりここに挟みましょう。歪みの音の傾向を決めるEQです。

最後のEQ、これは要らない部分や耳障りな部分を削ったりちょっと低音増したりする所です。
二番目の役割はキャビ以降で対応する事も多いですが…より自然なのはキャビの前でサウンドエディットを済ます事でしょう。

基本的に今日のギターサウンドは倍音をこれでもかっという程増やして削りまくったのがギターサウンド、とは流石に言い過ぎだけども、近い物ではあるのでEQは各所に挿します。使わなかったら後からバイパスすれば良いだけです。

必要と思われるプラグインは音作りを始める前に並べておくべし。

BIASampもヘッド前のEQを抜いたこの構成が標準です。更にパーツごとのチューニングが出来ますけどね、僕にそれは流石にそれはしんどいかったです。

最初に弄る所


はいキャビネット。軽音ずっとやっている人には馴染みが無いかもしれないですけど、

ここが一番音が変わります

一度スピーカー一発のキャビネットに変えてみて下さい。アンプヘッドなんて何でも良いじゃんってなるぐらい変わります。

では気を取り直して。マイクが二本立ってる設定が多いかと思うんですけど、これをまず一本にして下さい。レベルを-∞にすればおっけーです。

マイク二つはね、無理です。素人が二本立てて×2には絶対ならないのでまずは一本でやりましょう。大体なんかぼやけて終わりになります。

マイク適当に変えてみると音が変わるのが分かるかと思います。最初はShureのSM57で行きましょう。57って数字のマイクがあれば絶対それです。丸めに取りたいならリボンのマイクとかも良いかもしれないですね。

それではマイクの位置を色々と動かしてみましょう。

ハイ意味わからんぐらい音変りましたよね。まずこのマイク位置を固定します。キャビネットはスピーカーが何発か入ってて(画像の物だと12インチが4発)基本どのスピーカーを選んでも一緒の事が多いですが、そのスピーカーのどこに立てるかで大きく音が変わります。中心に近づくほどエッジの立ったシャリシャリした音になりますし、淵側に行くほどボワっとしたサウンドになります。

エッジの立ち具合をここで決めてしまうのが良いかなぁと思います。ここはフレーズループでは無く、弾きながらピッキングに対してどれぐらいエッジが出るのかを探りながら決めましょう。

アンプレコーディングなら逆でしょうけど、シミュレーターはマイク抜きで音作り出来ないので仮に決めときます。僕は大体センター寄りの真ん中ぐらいに置きます。



この動画とか見てるとミドル目にダイナミック置いてド真ん中にコンデンサー置いてたりするなぁとか分かるのでMESA公式のPlay動画は必見です。
この動画ではたぶん、コンデンサー側でセンターキャップの音を柔らかめに録って足してるのかなぁ…

キャビネットについて

本当はキャビネットの吟味とか外部IRファイルの読み込みとかあるんですけど、IR沼は本当に沼なので今回は避けます。モデリングやIR作成者によって同一モデルから作成しても全然違う音がします。何やってもダメなマルチエフェクターとかはキャビシミュがう〇ちな事がままあります。わざわざ沼に突っ込むのも嫌なのでザっと弾いて嫌な感じだなーっと思ったら基本そのソフトはあまり触らないようにしています。

基本的な話になりますが、一発のスピーカーは大きいほど低音が出ます。普通のスピーカーで考えたら当たり前になりますね。そしてスタックすればするほどドンシャリ気味の音になります。12インチ4発とかドンシャリの極みです。だからこそアンプ選びは大事です。

中域のあったかい音が欲しければ大人しくVOXのAC30とか使いましょう。



プリアンプ

みなさんお待ちかねのプリアンプ。とりあえずパネルに書いてあるBASSとかMIDDLEとかは全部無視して右に全開まで上げてください。あとスイッチも全部(ミュートとかは押さないでよろしい)。Volumeとかマスターはちゃんとモデリングしてあれば、ただ音量の変わるツマミではなく音色の変わるツマミなのでしっかり上げましょう。

Antelopeの例で言えば絶対的な音量が変わるツマミっていうのは上についてるフェーダーにあたります。音量が煩ければ随時後段や本体のMASTERで小さくしていけばよいです。

ピークだけはつけないように。


そこから帯域の低い所から順に下げていきます。いや上でも下でもどっちでもいいんですけどね。僕は低域のマスキングが鬱陶しいので先に下げていきます。お前うっせぇなって部分がある程度消えていくと思うので程よい所で止めて次のツマミへ、これを全てのツマミでやります。最後にゲインを下げて、ゲインツマミは欲しいゲインより少し多めに下げます。

大体これである程度常識的なツマミ具合になりましたかね。欲しいサウンドに対して適切なアンプ選びが出来ていればこの時点で8割方完成するはずです。ポストEQ前提のアンプで無ければ、ですが。

ここからこのツマミの微調整に入ってもいいんですけど、先にブースターを入れます。

歪ませすぎ問題にどう対処するか

ギター初心者あるある歪ませすぎて何を弾いてるか分からない問題。DTMになると確実に再燃します。なぜかというと自分のギターの生音が聴こえちゃって何を弾いてるか自分ではある程度分かってしまうから。

ここに対処する一手としてブースターを使います。


今回はわりかし大人しいメタルを目指して作っているのでTS寄りのセッティングです。いやこれでTSって言ったらTS警察に殺されそうですが。こうする事でエッジの効いたサウンドになります。いやほんとだって試してみてって。

なぜプリアンプの前段にブースターをかますかというと、ブースト帯域だけ欲しい歪み感が出るからです。ということは他の帯域ではそこまで歪まない、ということはコードをプレイしてもある程度綺麗に鳴ってくれるんですよね。あとブリッジミュートの時だけ膨らんでくれる帯域を探して迫力を出すというのも一つの手です。

クリーン目で攻めてる人もここに一つかますだけでアンプから飽和感(サチってるとも言う)を出せるので大事です。

ハイ次、それでも歪み感が足りないとお嘆きの貴兄に。トレブルとプレゼンスを上げるんだ。そしたら歪み感が増すぞ。ゲイン上げたいけどなーーうーーんって時は高域を上げましょう。低域が歪んでる感じとかあまり歪んでる感出ないです。

Slayerとかシューゲやりたいならゲインフルにしてもいいですけど。尖ったシューゲをやりたい方にはキャビの後にファズとかビットクラッシャーかけた方がエグイ音出ます。おすすめ。


サウンドキャラクターを作る


ドンシャリだったり、中域でモッコリさせたかったり、そこら辺の調整ははこの段階でやります。これをヘッドとキャビの間のEQとツマミとスイッチ類を使ってやる訳です。

まずスイッチ、そしてポストEQ、最後に前面のツマミ、僕はこの順です。

スイッチ何度か入れたり消したりしてスイッチの持つ役割を理解して求めているサウンドに近い物を選びます。ドンシャリにしたいならDeepスイッチやBottomスイッチの類いはオンにすべしでしょう。

慣れてきたらツマミを全開から絞る時点で要らないスイッチは切れるようになりたいですね。

ポストEQに関してですが、モデリングにしっかりポストEQが備わっているタイプならそちらを弄っても大丈夫です、というかそっち優先で。
アホみたいなドンシャリとかにしたいならツマミでミドルゼロにするより途中に挟んだEQで削った方が効果てきめんです。


今回は芯を低めに、コードの派手感も少し下目だったので、Lowの200Hzを先に固定、1.5khzと2.0khzで悩みながら1.5khzに。間のコーコー言う部分を削りました。気持ちローエンドとハイエンドを持ち上げました。

ポストEQでのサウンドメイクが前提であるギターアンプ以外は、ポストEQにさしかかるまでに殆ど音作りが完成しているはずなのです。結局アンプのヘッドとキャビ選びで大体決まってしまうんですね。ここら辺で沼って来たら潔くアンプ選びからやり直しましょう。

PCだとツマミがどの位置にあるか良く分かってしまうので視覚に頼りがちですがちゃんと耳を使ってどのツマミを動かすとどんな風に音が動いていくのか理解した方が絶対に早いです。マーシャルの帯域表示とかおお嘘つきですしね。5150のミドルの不死身具合とか。

そもそもギターのトーンコントロールは基本的に全て12時にするとミドルが大きく凹んでるらしいです。(驚愕)
こんな記事を見つけたので是非。
超初心者のための 真空管アンプの工作、原理、設計まで

微調整

もう殆ど完成ですね。ちょっと上目欲しいなぁとか、圧が欲しいなぁってなったらツマミを微調整しましょう。位置が決まったら、最後に変にモコモコしてる部分とか変にシャーーとかチーとかなっている耳障りな部分を最終段のEQで削って終わりです。
ブーストするならQ大きめにフワッとやったりシェルフ型で増強するぐらいでしょうか。それをするなら僕はツマミを微調整しますかね。
あとはVolumeノブを少し絞って音を細目にするとか…ゲインを少しだけ上げるとか。

ローカットしてベースとの棲み分けを云々とかは、ミキシングでやる仕事だと思っているので、まずは出したい音を出す。これ大事です。何度かベースと混ぜてると先にカットするようになりますけど…あくまでここのサウンドメイクはギタリストだと思ってやっている部分なのでそういうのは後でやれば良いかなーと思います。

ハードシミュとソフトウェアシミュ

この話題、各所で戦争が起こっていますけども、音質とプレイアビリティを考えるなら絶対にハードウェアベースの方が良いです。
操作子が云々とかそういう問題では無くて、エフェクトプロセッシングさせるチップが汎用であるか専用であるかというのは音質に大きく影響してくる部分です。どっちもデジタルだから関係無いとか言う方も多いんですけど、間違いなく専用チップを積んだシミュの方が2017年現在は絶対良いです。

なんで、って話は割愛しますけど、そうでなきゃUAD-2があんなにプロスタジオで導入されてるわけないですよね…あれなんかただUADプラグインを動かす為のチップセットなので。

グラフィックボード載せると動画に強くなるのと同じで専用のチップを使うに越した事は無いです。勿論ソフトウェアで所持しているBIASampの自由度も面白いと思いますけどね。ただ往復レイテンシーが5mmsだとしてもピックと弦の間に膜が貼られているようなレスポンスの悪さを感じます。

リアンプ関係が上手く行くならベーシスト、ギタリストはハードシミュを一つ持っていて損は無いです。

実機の方がいい?勿論実機を爆音で鳴らせてちゃんとマイキング出来る環境があるなら頑張りましょう。

良い音を出す為に

まず当たり前の事なんですけど、ちゃんと弾くという事が何よりも音楽的で良い音を出す為の近道です。ハッキリ言って非ギタリスト、ましてや非楽器奏者からすれば非常に面倒な問題です。

芯を捉えてないふにゃっとしたピッキングで太くしてしっかりしたサウンドは録れませんね。コードだけしか録らないなら、せめてコードだけでもしっかり鳴らせるようにしたいですね。それか諦めて音源を使うか。

そしてどんな役割を持たせたいのか、ハッキリすると楽になりますね。リードの音を作るならコードが多少濁っても良いでしょうし、逆にコード主体であれば多少単音が心もとなく聴こえても問題ないはずです。轟音を出したいならゲインマックスでも問題無いでしょう。ただ多くの場合ゲインは気持ち下げ目の方が功を奏することが多いように感じます。

あとチューニング。これは自戒を込めてなのですが、コードの鳴りとかが相当変わってくるので気がついたらすぐチューナーを見る癖を…。

EQとの付き合い方

どうしても最初はEQ、特にこの手のパラEQにしり込みしてしまいがちです。僕なりの指針を示すのであれば、積極的なEQと消極的なEQに分けること。今回で言うポストEQと最後のEQですね。

ポストEQにおいては、何が欲しいのか模索する事です。8dbぐらいグッと持ち上げてQは2.0~3.0程度でFをクルクル動かしていると、そこをメインで使いたいってなる場所が必ずあるはずです。そこの狙いを付けたら、上げたい量を決めてゲインを設定し、最後のにQを自然に感じるまで広げていくといった感じでしょうか。今回であればこれが200Hzの低めの芯だった訳ですね。

これを探す段階で、この周辺は要らないよなぁと感じる周波数帯もあったはずです。そこを後で軽く下げてやれば良い訳ですね。そこが下がるとさっき上げた場所の主張が余計強くなるはずなので、そこをまた適正レベルまで落として…の繰り返しでしょうか。

要らない帯域を探す為にも、一度過度なブーストをして周波数成分を探る事は常套手段です。これはミックスにも使えるテクニックです。

まとめ

アンプ!特にキャビネットとマイキングが大事!
極端な事をするならポストEQ!
以上!

結局良いシミュレーターに出会う事、そしてちゃんと弾く事が大事ですね…
しっかり押弦して、芯からピッキング出来るようになってからは、そうそう音作りで破綻する事は無くなってきました。
僕もそろそろKemper欲しいなぁ。

今回のようにワークフローをハッキリさせる事で、どのプロセスで悪さをしているのかハッキリわかるようになるので物凄く時短につながります。

あと何から手を付けて良いか分からないって方は出せるだけ倍音出させて、彫刻のように要らない所を削って行く心つもりが良いかもしれません。アナログシンセの音作りにも似ていますね。

今後はコンプや空間系の話もして行きたいと思っています。
それではまた次の記事でお会いしましょう~!

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